- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041106532
作品紹介・あらすじ
カルナバルの国、ブラジル。初めて一人で映画を見にきたアリコは、右目は翡翠色、左目は水色の少女に声をかけられる。名前はナーダ、「なんにもない」という名の少女。何者にも縛られず、自由気ままな彼女は、周囲の人と打ち解けられないアリコの目にうらやましく映る。ある日、ナーダに誘われた食事会で、ジットという青年に出会う。ナーダに会っちゃだめ…と言われつつも、自分の気持ちに嘘がつけないアリコは、ジットと会っていくうちに、ナーダの秘密を知っていき-。青空の下、サンバの季節と共に、大きな波がやって来る!「魔女の宅急便」の著者が描く、ブラジルに住む少女の成長物語。
感想・レビュー・書評
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ある日、映画館でアリコは「なにもない」という意味のナーダという名前の少女と出会う。
自由で気ままで奇妙なナーダ。
ぱっと目を引く赤毛で、翡翠色と水色の瞳を持ち、足はいつもサンバのリズム。
シャカシャカ、シャカ。
反発しながらも惹かれ、振り回されながらも彼女に会いたくなるアリコ。
内気でこもりがちだったアリコがナーダと出会ったことをきっかけに、少しの冒険心を出し、恋を知り、抑えていた母への想いを追いかける。
光と影、はっきりと分かれているような強い日差しのブラジルが舞台。
眩しい光だと思っていたら影だったナーダ。影から光へと踊りだす「これから」のアリコ。
ちょっと不思議で切ない少女の成長物語。
あとがきの「エイコ」のブラジルでのお話も印象深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本出身の父とポルトガル出身の母を持ち、ブラジルで生まれ育った少女アリコは不思議な少女ナーダと出会う。
前半は少し読みづらかったのだけど、ナーダがとても魅力的で後半一気に読んだ。
生と死が手を取ってくるくると踊るような物語は、カルナバルと通じる。
角野さんのノスタルジーを含んだブラジルの情景が美しかった。 -
『魔女の宅急便』の角野さん。お年を召されてもお洒落で可愛らしい角野さん、書く物語もオシャレ。
ブラジルが舞台。
喪失感を抱えた少女が、ナーダという謎の女の子との出会いによって変化していく。
南米の文化も味わえた。
光があるから影がある。なるほど。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=25881
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB15111072 -
角野栄子さんがこんなさびしいお話を書くなんて
遠くでカーニバルの喧騒が聞こえてくる
私にとっては、小野リサのアルバムNaNaのアウトロのイメージ
幸せじゃないお話とは知っていたけど
悲しくはならなかった
「フェリシターデ」だからかな
うんと大人の人にも読めるストーリーだと思います -
ブラジルリオデジャネイロが舞台。
生い立ちにより内気な少女アリコが不思議な少女ナーダと出会い大人へと成長して行く。アリコの周りの大人達、カルナバル、ポルトガルへの旅・・・とても素敵です!ラストに向かって作者からのメッセージを強く感じ、読後感が良かったです。(最初は不思議な物語だと思いましたが、あとがきを読み納得しました) -
表紙のポップな絵柄に魅かれ読んでみた本です。
ナーダという不思議な少女の魅力は~?と、サクサク読み進めることができました。
最後はどうなる?なんて推理小説っぽいところも好きでした。 -
不思議な世界観のおはなし。期せずして大好きなポルトガルがキーワードの1つとなるお話で、一気に読みました。
角野さんの実体験からインスピレーションを得た作品とか。登場人物がそれぞれ個性的で頭に映像が浮かびやすい。 -
ブラジルリオを舞台に15歳のアリコが神出鬼没のナーダに感情をぶつけながら恋に成長に。⁄ 祭の喧騒にある他人の夢に入り込んでしまった?終始、自分が包まれてしまうよう。小学生のときの読書、読了感がこんな感じだった。読み応えではなくふわり温まった
著者プロフィール
角野栄子の作品





