破門 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.51
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本棚登録 : 1203
レビュー : 198
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106846

作品紹介・あらすじ

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮は、資金回収のため、関西とマカオを奔走する。巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルに発展し、桑原にも絶体絶命の危機が!

感想・レビュー・書評

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  • (はっ!!極道小説だったのか~~)

    直木賞を受賞した、とNEWSで知り、
    いち早く図書館へとNET予約。

    そんな興味本位でのみ、手にした作品だけに
    (…挫折感)という嫌な気を孕んだ不穏な暗雲が
    胸の内に広がりつつある気配を感じずにはいられなかった。

    …が♪
    気付けば
    そんな暗雲など、どこ吹く風っ♪
    あっ!と言う間に空はカラッと晴れ渡り、
    (作風は決して『爽やか』とは言いがたいが。)

    そうか。
    オモロイ人が一人いるだけで
    世界は、あっ!という間に変わるもんなんや。

    などと、納得。(^^;

    この(極道の)世界では真っ当に生きている桑原さんの
    頼もしすぎる背中に惚れ惚れしながら、
    (俺は極道なんか嫌や~!)
    と、無理矢理引きずり込まれてる二宮との珍妙な掛け合いが面白すぎて、直木賞、大いに頷ける作品であった。

  • 第151回直木賞受賞作品

    冒頭───

    マキをケージに入れて餌と水を替え。エアコンを切って事務所を出た。エレベーターで一階に降り、メールボックスを見る。チラシが一枚あった。手書きの下手くそな字だ。
    《あなたは奇跡を信じますか───。不治の病が治った、宝くじが当たった、あこがれのひとと結婚した、仕事で大成功をおさめた。願えば実現します。ぜひ一度、わたしたちの集会に参加してください。奇跡はほんとうにあるのです。ワンダーワーク・アソシェーション大阪支部》
     どちらが北かも分からない殴り書きのような地図が添えられていた。どうせなにかのインチキ宗教だろうが、こんな誘いに乗るやつがいるのか。不治の病がなおるのはまだしも、結婚なんぞ誰でもできるだろう───。

    とにかく会話のテンポが小気味良い。
    主人公で堅気の二宮とやくざの桑原の会話は、息の合った上方漫才を聴いているかのようなキレの良さだ。
    随所の二宮の呟きもユーモアに溢れ、思わず笑いだしてしまう。
    ちょっとヘタレで凡庸とした二宮とイケイケ極道ながら狡猾さも併せ持った桑原という二人の相反するキャラの書き分けも上手い。
    ヤクザ間の暴力抗争が続く合間に、息抜きのように現れる従妹の悠紀のキャラも可愛らしくて、いいエッセンスになっている。
    マカオでのブラックジャックやバカラの博打の状況も、二宮と桑原の性格の違いを見事に表し、展開に花を添えている。
    400P以上の長編だが、スリリングな展開に魅了され、ページを捲る手がどんどん早くなり、一気読みさせられた。

    この小説が直木賞受賞に値するかどうかは私には判断できないが、読んでみてとても面白いエンタメ小説であったのは確かだ。
    黒川さんサントリーミステリー大賞で1980年代にデビューしているんですね。
    この二人が登場する『疫病神』シリーズは他に四編もあるようなので、ぜひ読んでみたいと思う。
    いやあ、面白かったです、はい。

  • 直木賞受賞作ということで読んでみました。
    第151回、2014年上期、受賞作。
    疫病神シリーズの5作目らしい。

    建設コンサルタントの二宮は堅気だが、亡き父がヤクザだった縁で、いろいろ繋がりがあり、それで仕事もしていた。
    収入は減り気味で困っているが、優しい母親に借金し、何とかやりくりしている。
    迷い込んだオカメインコのマキちゃん(自分で名乗っていて良く喋る)の世話をしたりと、けっこうのんきな暮らしぶり。事務所によく顔を出す従妹の悠紀には啓ちゃんと呼ばれている。

    ただ、二宮には腐れ縁の桑原がいた。
    気の荒いザ・ヤクザの桑原に妙に気に入られ、何かと振り回される毎日なのだ。
    二宮を啓坊と呼ぶ若頭の嶋田が映画に出資するという話に桑原も乗ったはいいが、プロデューサーの小清水が金を持って行方をくらます。
    金の行方を追いつつ、絡んでくるヤクザと喧嘩になったり、組同士の揉め事から身を隠したり、マカオに渡ってギャンブルにはまったりと忙しい。

    テンポのよい会話で追いつ追われつの事件が飽きさせずに展開、意外ととぼけた要素も多いです。
    お金が全くないかと思えば、急に美味しい物を食べるためにぱーっと使ってしまう。
    高そうな店の名前や料理名は多いけど、具体的に美味しそうに書かれてはいません。
    読み通せるけど‥結局、共感できる内容ではないので、★は三つ止まりかな。

  • 直木賞受賞という事で、ブックカフェにて読了♪シリーズ物の5?作目だったのですね。知らずに読みましたが、この作品だけでも問題なく楽しめました。桑原と二宮の掛け合いが緊迫感あれどテンポ良くて、どんどん読まされて行く感じがしました。無鉄砲でまさにヤクザといった桑原、桑原に振り回される二宮、出てくる女性はどこか皆魅力的♡こういうヤクザな男性はなぜかいい女を連れていると言う都市伝説がこの作品の中では健在でした。絶縁じゃなくて、破門で良かったねぇ…。飲酒運転と駐車違反を嫌うあたり微笑ましかったです。

  • 直木賞受賞作品。サントリーミステリー大賞をとり、ミステリー作家として長年活躍してきた著者にとっては遅すぎた受賞とも言える。
    この作品は氏の得意とする大阪を舞台にやくざの世界を描いている。大阪弁の会話を多用し、スピード感あふれる描写でまるで映画を見ているように話が進んでいく。テンポ良く、リズム感あふれる会話は大阪弁ならではだろう。
    内容は悪党ばかりが登場するが、どこか憎めない登場人物たちでまるでアメリカのハードボイルド作品のようだ。日本には珍しい湿っぽさがないカラリとしたハードボイルドの一級作品だろう。

  • ずっと好きなシリーズです。
    一番は「国境」だと思っているので、
    これが直木賞だと聞いて、嬉しいやら戸惑うやら。。。

    今回もジェットコースター的な展開で楽しめた。
    最近、若干マンネリ気味かと思っていたが、今回は特に切れがあった。

    ネタにもあったけど、もしかしたら映画化もある?
    私的には、作者の黒川さんの「中川」なんかいいんじゃないかと思っている。

    「桑原」&「二宮」コンビのしぶとさは、いつもどおりだけど
    「小清水」はいい勝負になるぐらいで、笑ってしまった。

    ラスト、「桑原」のこれからが気になってしようがない。
    不死身の男だから、のし上がってくるだろうと思うけど
    いつもと違う終わり方が不安になる。
    「セツオ」の思わぬクールな言葉にちょっとびっくりした。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2015.6.18読了

    シリーズになっているそうですが、このシリーズを読むのは初めてです。

    次から次へと展開して行って、文章も物語も滞ることなく読み進められます。面白いです。
    でも、それ以上の感想はないかな。

    直木賞、受賞作と聞いて、軽く驚く。

  • BSスカパー!でドラマが始まったとコマーシャルしていて、濱田岳くんがヤクザ役なんて新鮮だから見てみたいと思っていたら、原作であるこの作品が図書館にあったので読んでみた。
    ヤクザものってあまり好きじゃないと思っていたけど、テンポがよくてサクサク読めた。

    父親がヤクザもんだった堅気の二宮が、ザ・ヤクザな桑原のせいでややこしい問題に引きずり込まれる物語。

    裏稼業に半分足を突っ込みながらもヤクザな世界は面倒臭いと思っている二宮が、理不尽に振り回される様が滑稽でもあり可哀想でもあり、面白い。

  • 疫病神から破門まで、シリーズ5作を一気に読了。
    破門は5作目とあって桑原と二宮の疫病神コンビの立ち位置も安定しており、コンビの掛け合いを安心して読めた。
    日本国内とマカオを股に掛けた話だったが、スケールの大きさは主な舞台が某国だった国境の方が勝っていたように思う。
    しかしスピーディーな展開とテンポの良さで、桑原&二宮コンビの小清水を追い詰めるしぶとさが感じられ面白かった。

    タイトルが破門という事で、最後に破門された桑原の今後が気になる。
    これが完結編だとも著者には続編を書く意欲があるとも聞くので、ここはぜひとも後者を期待したい。

  • 直木賞作品でなかったら多分読まなかったジャンルの本だと思います。ヤクザものは、暴力的表現、痛い表現があるので苦手です。この作品はテンポがよく、凄惨な場面があまりないので良かったです。シリーズものらしいですが、他のも読みたいかどうかは微妙です。

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著者プロフィール

1949年3月4日愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年、「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年、『破門』で第151回直木三十五賞を受賞。他の著作に、『悪果』『繚乱』『離れ折紙』『後妻業』『勁草』『喧嘩』『果鋭』など。

「2018年 『雨に殺せば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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