- 本 ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041106877
作品紹介・あらすじ
満開の桜の下の墓地で行き倒れたひとりの天使――。昏い時代の波に抗い鮮烈な愛の記憶を胸に、王寺ミチルは聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す。愛と憎しみを孕む魂の長い旅路を描く恋愛小説の金字塔!
感想・レビュー・書評
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前二作から20年後に書かれた三部作の完結編。歳月のせいかテイストがかなり変わっているものの、根底にあるものは変わっていないと思う。
まあ世界観が合わない人もいるかもしれないけど。 -
元より三部作にする とのこととはしらなかった。
ミチルの過激な生活や旅をみるのも最後。
姫野トオルには哀れみをそそられるけど、やっぱり苛付く。 -
作者は自分の命と引き換えに、血肉を削りながら文章を編む人だと思ったし、あとがきを読んで確信した。あとがきを読んで少し泣いた。
架空の設定をされた日本、安定することが出来ないミチルさんの運命。収容所の仲間がその後どうなったのか気になる。暗殺されたのかな。 -
[2014.04.21]
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久々の中山可穂。恋情の密度が濃過ぎて苦しくなる。こんな社会嫌だと思う一方で、今の日本は何かを間違えればこうなってしまう危険性をはらんでいる気がする。そういう警鐘をガンガン鳴らしつつ、こんな凄まじい形の愛を書けるとこがすごい。
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これぞ中山可穂。
あとがきにもあるように、「愛について、孤独について、旅について、何かを表現することについて、マイノリティの悲しみについて」全てが含まれていました。
身を切られるような痛みを感じながら読み進めました。
ミチルさん三部作完結。
それでもミチルさんはこれからも生きて行くのではと私は感じました。 -
設定には正直無理があるところもあります。だけどそれが気にならない、というかそんなこと問題にならないくらい人物の魅力と情景描写が凄まじく濃密です。処女作から読んでいるファンなら泣かずにはいられないでしょう。愛、芸術、旅、タンゴなどこれでもかと中山可穂エッセンスが詰まった上で、初期の作品には無かった救いのような包容もあります。参りました。
著者プロフィール
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