祈りの証明 3.11の奇跡 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
2.71
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本棚登録 : 47
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106891

作品紹介・あらすじ

報道カメラマンの長井は、東日本大震災以来帰らない妻を捜しながら被災地を取材していた。被災地の現実と向き合う内、蔓延する新興宗教「まほろば教」の暗部に近づく長井だったが、妻が遺体で発見されてしまい!?

感想・レビュー・書評

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  • 94重い題材をスッキリまとめているが、文章が昔から変わらず説教くさいですね。展開も都合よく進みすぎで、緊張も感動もあまりないかな。お若い頃から変わっていないのは残念です。

  • タイトルにひかれて手に取った森村作品。
    すでにわかりやすいレポを、
    Free Styleさんが書かれていますので
    詳しいあらすじなどはカットします。

    東日本大震災後、被災地の現実と向き合いながら、
    事件の謎を追う報道カメラマン・長井を描いた長編小説です。
    学生時代に三陸地方へ撮影旅行に行き知り合った女性の面影と
    新興宗教にはまって失踪し、
    被災地で死体となって発見された長井の妻の謎をとくため、
    長井は被災地をさまよいます。

    ドキュメンタリーのように
    被災地の現場や災害派遣の自衛隊の様子、
    引き上げた遺体安置所の様子が描かれていました。
    このあたり、とてもリアルで、
    森村さん、かなり取材されたのだろうなと思います。

    この取材だけの話がメインならよかったのですが、
    長井の妻が現実の宗教を連想させる新興宗教にはまったり、
    長井の戦場カメラマンとしてのトラウマや
    阪神淡路大震災の頃の話もでてきて・・・
    うーん、やっぱり、詰め込みすぎかなあ。

    これだけリアルに現場を取材されたのだから、
    東日本大震災だけに絞った小説の方が
    良かったと思いますした。

  • 2016_01_30-0012

  • 3.11の奇跡のみだと重くなるので、いろいろなものを詰め込んでしまったのだろう。詰め込み過ぎたのが、かえって読度感を重くせず、良かったと思います。

  • 3.11の奇跡

  • 東日本大震災の悲劇の中、新興宗教と
    原発が絡む殺人事件の謎が解き明かされていく
    社会派ミステリーとなっています。


    主人公の長井創次は学生時代からの趣味が
    高じて新聞社の報道カメラマンになりますが
    戦場・淡路大震災でシャッターを押し続け
    心身共に疲弊しフリーカメラマンとなる


    祈りを写真に表現できないものかと長井は
    自分が撮った写真に俳句をつけ写俳作家として
    知られるようになっていきます。


    長井の妻、佳子は夫の留守の間に新興宗教
    「まほろば教」にはまり長井は脱退させるべく
    経過観察を続けていたところ東日本大震災が起こります。


    佳子が行先を偽って出かけた事が分かり
    連絡が取れないまま、永井は元上司からの
    依頼で東北へ報道カメラマンとして向います
    そして上空のヘリからカメラを向け撮った
    写真には長井の不安を決定づける人が写っていました。


    警察の方はおなじみの棟居さんと牛尾さんです。
    震災直前に失踪した原発下請け工事会社の社長の
    事件を追ううちに、まほろば教関係者の殺人事件へと
    繋がっていきます。


    一方長井は過去の贖罪も含め被災地を
    行脚してまわります彼が行く先々で出会う出来事から
    避難所で暮らす人々、原発労働者の思いを
    多面的に捉えているのですが
    説明がやたらと多く何を読んでいるのか
    分からなくなってしまう事があり
    登場する人物達に感情移入が
    しにくくなってしまいました。


    伝えたい事があり過ぎたんだと思います
    被災者なのか原発なのか新興宗教なのか
    屋台骨をどれかに絞った方が良かったのでは
    ないかと感じずにはいられない作品でした。

  • 阪神淡路大震災が起きた当時、オウム真理教は勢力の絶頂期をむかえ地下鉄サリン事件を起こす。

    そんなことに着想を得たのかもしれない。
    東日本大震災のあとにカルト教団が勢力を増していく。さらにそのカルト教団は、原発作業員として信者を送り込むことに、巨額の富を得ていた。そこに、教団を守るためにおこした昔の殺人事件が絡んできて....

    東日本大震災関連の話題を繋げて土台にした上に、殺人事件を載せた娯楽小説。それぞれの話題をつなぐ糸はとても細く、ご都合主義で繋ぎあわされているように思える。

    まだ、震災の記憶が生々しく、また、関係者に配慮する意味などを含め、フィクションの形をとらなければ表現できないような震災をベースにした小説は何点か読んだが、震災をベースにした娯楽小説は、まだ読みたくないと思った。
    まだ、この手の小説はかかれなくても良いのではないかと。

  • 題材は良いのだが、色々なものを詰め込み過ぎ。さすがに、
    このところ、森村誠一も力の衰えを感じる。証拠品の偶然性もパターン化してしまった。この災害には、宗教団体なぞ持ち出さず、真正面から取り組んで欲しかった、もちろんその場面も多くあるのだが、あえて殺人事件を持ってきた意図も不明。図書館でのリクエストもほとんど無く、ぼちぼち作者も筆をおる準備をすべきかも知れない。(失礼な感想だが)

  • 「東日本大震災」と「福島原発事故」に「新興宗教」を組み合わせたすごい話。
    3.11に関しては、事実に忠実に描かれているんだと思う。
    連日の特番で見た風景がよみがえる。
    でも、被災地では、まだ終わってないんだ。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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