代償 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.60
  • (35)
  • (90)
  • (80)
  • (13)
  • (6)
本棚登録 : 510
感想 : 74
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041107102

作品紹介・あらすじ

不幸な境遇のため、遠縁の達也と暮らすことになった少年・圭輔。新たな友人・寿人に安らぎを得たものの、魔の手は容赦なく圭輔を追いつめた。長じて弁護士となった圭輔に、収監された達也から弁護依頼が舞い込み。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • クズの中のクズが現れる!

    クズの名は浅沼達也

    今までに見たことないぐらいクズ野郎
    自分がいい思いをするのと同じぐらい他人が不幸になることがうれしくてしかたない、それを生きがいとも思っている

    ついでに母親の道子もクズ
    ふたりは血の繋がりがない親子

    第一部は、ある事故のため両親を亡くした圭介が遠縁にあたる達也と暮らすことになる
    小学六年から中学卒業まで共に過ごすことになるが、クズふたりの魔の手が圭介をどんどん追い込んでいく

    第二部は、圭介が大人になり弁護士となったところから始まる
    そんなある日、ある事件で収監された達也から弁護依頼が舞い込み
    圭介は依頼を受けることになるが・・・

    本作はとにかく達也親子のクズっぷりがすごい!
    少年時代のちょっとした悪さならまだしも、小学生でここまでするのかという驚きと、後々分かってくる卑劣な行為、達也と母親のおぞましい関係…

    伊岡さんはまだ二作品しか読んでいませんが、なんだか引き込まれていきそうな予感

    • kuma0504さん
      1Q84O1さん、コメントありがとうございます。
      そうですよね、単体で使われるようになったのは、最近ですよね。
      私の仮説は、アホ、バカの代替...
      1Q84O1さん、コメントありがとうございます。
      そうですよね、単体で使われるようになったのは、最近ですよね。
      私の仮説は、アホ、バカの代替というのではなくて、新たな需要が生じて使われ始めた、という事です。
      Amazonで「クズ」を検索すると、一番古い本の題名は「クズの本懐(漫画)」です。それでも2012年に連載開始。漫画ですから、その時までにクズが単体で使われていたことを示していると思われます。どういうクズかというと、主人公たちはアホでもバカでもなくて、表面はいい子の学生でも中身はふしだらだったりの酷い奴らという内容の恋愛漫画(?)らしいです。まぁ読んでみないと実際にはわかりませんが。

      書いていて、思いつきましたが、クズの前段階は「ゲス(下衆」)という言葉を使っていた気がします。これは多分昭和の頃から単体で使われていた。

      私の仮説は、クズの単体化にはSNSの発達で、誰もが「批評家」になったのと比例して、クズが使われ始めたということです。クズもゲスも品性劣るということでは同列なのですが、ゲスは正しく見た目も品性劣る場合が多く、クズは見た目は良くても(例えば上流市民)品性劣る人間を、SNSでクズ呼ばわりしたら「受けた(イイねされた)」ことで一気に広まったのでは。

      等々、いろいろ考えたこの数日でした(^^;)。誰か「クズの思想史」とか書いてくれないかな。多分もっと歴史的に辿れば、「悪人」とか「悪党」とかの呼び名の歴史まで行くとは思うのですが‥‥。

      長々とすみませんでした。
      ちょっと思いついたので、此処を借りて展開してしまいました。
      2023/10/07
    • ゆーき本さん
      ね!ね!
      達也 キングオブクズだったでしょ!!!
      ۹(◦`H´◦)۶
      ね!ね!
      達也 キングオブクズだったでしょ!!!
      ۹(◦`H´◦)۶
      2023/10/10
    • 1Q84O1さん
      まさに!
      クズ以外に言いようがないです…
      まさに!
      クズ以外に言いようがないです…
      2023/10/10
  • 「第1部」「第2部」の2編。
    初めて伊岡瞬さんの作品を読みました。

    「第1部」
    本当に読むことが辛くて苦しくて読み進めたくないと思ってしまうような気持ちに何度もなりました。
    圭輔はどうして何も言わないのか、どうして、、と思ってしまう場面が多々あったのですが当時まだ小学生、加えて圭輔の性格を考えると確かにしょうがないことなのか、、と考えてしまいました。

    「第2部」
    第1部のように達也の性格などの嫌な部分がでてきて本当に辛いと思いながらも一気に読み進んでしまいました。
    後半でやっと圭輔達の反撃が見れて本当に良かったです。

  • 圭輔は、遠縁の達也との生活で最悪な境遇に。寿人と出会い、苦境を脱し弁護士になるが、収監された達也と再会する。

  • デフォルメされた悪そのものみたいな女とその息子、その2人から最悪な仕打ちを受け続けた奥山圭輔は唯一見つけた拠り所の読書を通して一人の友人が出来る。彼のおかげで魔の手から離れ、長じて若手弁護士となるがその彼を私撰弁護士に指名してきた被疑者こそかつての男。まんまと弁護せざるを得ない状況に嵌められるが、その裏には巧妙な罠が仕掛けられていた。さて、悪の権化みたいな母子2人に挑む結果は如何に?
    物語としては面白かったけど懲悪に至るまでの過程が調子良すぎて残念な印象。星3つ半 かな?

  • 読みながらどうしようもなく胸がふさがり、息が苦しくなった。目の前が暗くなり、気持ちが暗くなった。どうして、どうしてこうなってしまうのだ、と読み進めるのが辛くなる。
    主人公にかろうじて平穏な日々が訪れたと思ったら、それもまた木っ端微塵に打ち砕かれてしまう。

    虐待などの理不尽な暴力にさらされ続けると、人は無気力を学ぶ。圭輔の目線で描かれているからこそ、そうなってしまう過程もまるで我が事のように心に染み入ってくるが、外部からそれを理解することは難しいだろうということもまたよくわかる。
    実際、この「達也」という人物は決して自分の手を汚さない。言った言わないは常に水掛け論となるし、場の空気をある特定の方向に仕向けることなど、あとから検証することなど不可能なのだから。
    もっとも恐ろしいことは、達也や道子のような人間が突然現れるわけではない、ということだ。そもそもの素質もあるだろうが、それだけで怪物のような人間になるわけではない。
    ラストでわずかに読者の溜飲を下げるかのような出来事が起きるが、それですべて解決というほど簡単なものでもないことも同時に示されていて、改めて「人間の本質」について考えさせられる。
    本当に重苦しく辛い物語であるが、それでも読後には一筋の希望の光が見えてほっとする。

  • 最高に面白かった。
    誰の代償なのか、何の代償なのか。読み進めるにつれ見えてくるものが変わる。

  • 冒頭
    ───
     七月が過ぎても世界は終わらなかった。
    「なんだよ、二学期もあんのかよ」とクラスの誰かがぼやいた。
     騒いでいた大人たちは、照れ隠しなのか、それとも心のどこかでやっぱり世界の破滅を願っているのか、こんどはコンピューターが狂って西暦2000年の元旦に文明は崩壊すると唱えはじめた。
     証券取引所のコンピューターが煙を噴き上げたり、飛んでいる飛行機が片っ端から落ちたりすることもなく、普通に年があけ二十世紀最後の年になった。
    ───

    「本の雑誌」か「ダ・ヴィンチ」で推奨されていた作品。

    小学生の圭輔には達也という遠縁の同い年の男子がいた。
    達也が啓介の家に遊びに来ていた時、圭輔の家は火事になり、両親が死んでしまう。
    その後、圭輔は達也の家に引きとられ生活をすることになるのだが、圭輔はそこで酷い扱いを受けるとともに、達也の怖さを知ることになる。
    その圭輔の救いは、図書室で出会った寿人という無二の親友を得たことだった。
    寿人と知り合いになったことで、圭輔は地獄のような生活から逃れることができ、のちに弁護士にまでなる。
    その圭輔の所属する弁護士事務所に突然飛び込んで来た弁護の依頼。
    それは、殺人で起訴された達也からのものだった------。

    最初から中盤までは全く胸糞の悪くなるような話で、怒りをどこにぶつけたらよいのか、耐えられなくなるような思いだった。
    小学生でこんな悪ガキがいたら、少年法など不必要。
    一刀両断、今すぐにでも死刑にしてやりたいほどの小僧だ。
    こんな悪ガキの小学生、現実にいるのかなあ?
    いや、いるかもしれないな、今の時代なら------。
    それが十数年後に再び現れ、自分の弁護をしてくれという。
    なんで弁護を引き受けるんだよ、圭輔!!と叫びたいほどだった。
    もちろん、小説上の伏線としてここで引き受けないとあとの話が続かなくなるからだけどさ。
    圭輔には自分自身、知られたくない後悔と秘密があったのだ。
    でも、それは考え過ぎじゃないの? 圭輔の意気地なし、といらつきながら読み進めた。
    ずっと気分の悪いまま読み進めたが、タイトルが「代償」なのだから、最後は報いが来て、スカッとしたおわりになるんだろうと期待したのだが、全くそうじゃなかった。
    これじゃ、あかんじゃないの。
    後遺症が残ったって、有罪になったって、無期懲役や死刑には持っていけないだろう。
    ということは、圭輔も寿人も、今後安閑としてられないということじゃないの?
    達也がこのままで終わらせるはずないじゃん。これほどの極悪人が。
    君たちの命が再び狙われるに決まっているじゃないか。
    ああ、気分が悪い終わり方だ。
    伊岡さん、これじゃあ「代償」にならないよ------。

  • なんと言うか…。もうちょっと救いがあれば…。

  • イヤミスやけども、面白さがずば抜けて止まらなくなる。
    不愉快極まりない達也をどうやっつけるのか、どれだけ悪行をつけるのか、気になって一気読み。圭輔もうちょっと強くなってほしいとは思うけど。
    起承転結が綺麗で、ハラハラドキドキ味わえる良い作品だった。

  • 初読み作家さん。
    こんなことってあるのか?と思うくらいひどい奴。
    でも、ありそう…
    悪いヤツはもっととことん懲らしめられてほしい。

全74件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

伊岡瞬の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×