- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041107126
作品紹介・あらすじ
獄の棘とは刑務所の鉄条網のこと。この閉ざされた内部では、外からは窺い知れない様々な事件が起こっている…いじめ、内部告発、偽装結婚、脱獄……新米刑務官が見た、塀の仲の真実とは……? 傑作社会派ミステリー
感想・レビュー・書評
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ドラマ化されるというので読んでみた。初めて読む作者の作品。
刑務官の話。一話、一話完結しているので、確かにドラマにはなりそう。
ただ、所々読みにくかったり、話がまとまりすぎている感じもした。
主人公が刑務官になって成長していく話。刑務官の上下関係、仕事内容、心情など今まであまり触れたことがなかった世界だったので、そういう意味では新鮮だった。
ストーリーとしては、もう少しひねりがあり、またすぐにわかってしまうのではなく、ひっぱて欲しいなと思う箇所もあった。
しかし想像するに、勤務を続けるのも厳しい仕事であると感じた。 -
刑務所の中の事が淡々と書かれてます。盛り上がりもないので普通に読み終わりました。
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弘前刑務所に勤める親子三代目の刑務官、武島良太。ベテラン刑務官に揉まれながら、赤落ちと呼ばれる刑務官の賭博、過酷ないじめや制裁、脱獄などドロドロとした刑務所内の様子を体験する。キャリア組の名久井は刑務所内の悪の根元、不良刑務官を一掃するべく良太に調査を命じる。良太とベテラン刑務官の不穏な雰囲気があったが、深みのある人間関係が築けたのが良かった。刑務所内の浄化と矯正を目論む名久井の狙い、その不良刑務官の正体とは?人情的な話としてもミステリーとしても読み応えがあった。
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不協和音に興味がわいて探した結果なく
同じ作者のこちらを借りた。
秋村さん不良だけどこんな人が上司だと
頼もしいかも。名久井さんより付き合いやすそう。 -
弘前刑務所の新米刑務官、武島良太が主人公。受刑者が、時には刑務官がおこすトラブルを経験していく連作短編7話。刑務所内の改革を目指しているキャリアの若き看守長からはスパイ活動を強いられ、素行の良くないベテラン看守部長からは可愛がられているため、両者の間をソツなく渡り歩くのに苦心する様子も見所。驚いたのは、刑務所内で催される盆踊り。しっかり櫓を組み、櫓では婦人会の女性が踊り、受刑者にも浴衣が貸与される。どの登場人物も味がある。おもしろかったです。
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17年3月から窪田正孝主演でWOWOWでドラマになると云うので読んでみたが、まあちょっと変わった刑務所の中での刑務官の話。謎解き部分もあるし、まあそれなりに面白いし、ドラマも見てみるかな? 泉谷さんがまさに囚人にしか見えないそうだ。
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2017_01_04-001
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刑務所の中で起きる事件の本格推理小説。連作短編物。
この作家特有の刑務官や刑務所の社会問題を絡めながら物語展開を組み立てている。
キャラクターもしっかりしていて、読みやすく謎解き要素あり面白かった。
取材もさることながら、人間性に重きを置く手法が板に付いてきている!!
ミスリード狙いが是正されてくると深みが増すのだが、今後の課題かも? -
刑務所を舞台にした連作ミステリ。刑務所なので当然さまざまな犯罪に関係はあるわけだけれど。ジャンルとしては日常の謎ミステリに近いです。ほのぼのは……してないけど。
当たり前のことだけれど、犯罪者も人間なら刑務官も人間。いくらルールを定めたところで、更生するかしないかは本人次第だし、あるいは接する刑務官の態度によって影響される部分もあるのだけれど。逆にいくら手を尽くしても更生できない犯罪者もいるわけで、その間での刑務官の苦悩にはかなり重いものがありそうだと感じました。つらい仕事だなあ。
お気に入りは「矯正展の暗号」。タイトル通り暗号ミステリ。この真相が分かった時には、なんだかとても微笑ましい気分になってしまいました。