Burn.

  • KADOKAWA (2014年3月24日発売)
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  • 本 ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041107294

作品紹介・あらすじ

演出家・夏川レイジは不慮の事故により、失っていた20年前の記憶を取り戻す。当時、天才子役と呼ばれていたレイジの現実は、ただの孤独な少年だった。しかし、渋谷の宮下公園で出会った心優しきホームレスとドラッグクイーンとの友情が少年を変えていく。本物の感情を知るうちに、機械のように精密だった彼の演技は鈍り始め……。

心を失くした天才子役、不思議で優しいホームレス、愛に満ちたドラッグクイーン。
“家族”とは、“愛”とは何かを問う――圧巻の成長小説。

感想・レビュー・書評

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  • 天才子役だったレイジ。その当時のことは記憶からすっぽり抜けていた。交通事故に遭い、病院でドラッグクイーンのローズと再会したことで当時のことを少しずつ思い出していく。公園で上級生からいじめられ財布を盗られたところ取り返してくれた、ホームレスの徳さん。徳さん、ローズとの友情を思い出してゆく。
    父親になっていゆく現在と、徳さん・ローズとの交流を通して心を成長させていく少年時代が交互に進んでいきます。
    徳さんとローズとの軽快なやりとり。
    徳さんの熱い言葉「魂を燃やせよ」。
    徳さんの最期とそれを見つめるレイジ。
    妻の不安と向き合い、親になっていくところ。
    お母さんの決断。
    そして最後に椅子に座って並ぶ3人。(このシーンって美しい)
    泣きそうでした。
    ストーリーは予測がつきやすく、クサいところもあるのだけれども、とても良かった。2時間41分で一気読みです。

  • どうコメントを残したらいいか迷う。
    他の方が仰ってる通りに作り込まれてるのは間違いない!一気に読めちゃったけど、重めの内容ではあるので読了後ちょっとズシン。

  • スラスラと読みやすく、
    登場人物たちも爽やかで感情移入しやすい。

    レイジ、徳さん、ローズの3人の関係性がとっても素敵で羨ましく感じた。
    ローズみたいな友人欲しいなぁ!

    レイジの消えた記憶、いじめ、母親、望美との出会いもうまくまとめられていて、読み終わりスッキリ!!

    たまたま古本屋さんで格安で売られていたから買ったけど、出会ってよかった。
    元気が出ない時にまた読みたくなる作品だった。

  • 煌びやかな世界には裏がある。
    人も街も、外見だけ綺麗にしてもだめ。
    伏線回収もあって、読みやすかった。

  • 文句無しの面白さ。
    「レイジ、魂を燃やせよ」グッときました。
    面白すぎて一気に読んでしまいました!
    徳さんかっこよすぎる。
    途中、別作品の人物が少し出てきたのもよかった(^-^)
    完全に加藤シゲアキ先生の描く世界の虜です(*^^*)

  • 主人公レイジの過去と現代を交互に描写しており物語自体も面白く、徳さんの名言やレイジの葛藤も読み応えがあった。過去の徳さん、ローズ、レイジの組み合わせが個人的に好みで現代のレイジの隣には2人はいない現実が時折寂しくもある。だが、望美、産まれた赤ちゃんの存在があり守られる立場だった天才子役のレイジが大切な家族を守る1人の大人の男に成長しているのがはたまた感動。

  • 一瞬で読み終わったような感覚。徳さんの影響でレイジの世界が変わったかのよう。過去現在を交互に書いているところも面白かった。加藤シゲアキさんの作品は衝撃的な描写もあるが読んでて本当に面白い。

  • 魂を燃やせよ。キザで恥ずかしい台詞だけど、ちょっと救われる。誰が言ってたか思い出せないけど、「一生懸命はかっこいい」。真剣に取り組めばそれだけ傷つくこともあるけどね。加藤シゲアキ、結構好きだな。良い意味でなんのひっかかりもなく読める。そして、スッキリする。

  • 「お前も魂、燃やせよ」徳さん。
    「吐きながらでも、外に出なさい。向き合いなさい。」ローズさん。
    “ホームレス ” “違法スナック経営オカマ ”
    各々が、職業や社会的地位といった枠からはみ出した色々な形で生きていた。
    決して煌びやかなものではないが、ただただ魂を燃やして生きていた。

    もしホームレスのようになったとしても
    情けない自分のままでいるのか、
    徳さんのようにそれを認めて受け入れた上で自分の居場所を見つけるのか。
    全て自分次第なのかもしれないと感じた。

  • 著者の作品は読み易くて独特の空気もあってすき。登場人物を覚えておくことがはじめは難しかったけれど、物語にはすぐに引き込まれた。儚くてキラキラした雰囲気と、ホームレスのおじさんやオカマのママとの純朴な関係性がすき。坂木司さん作品やインディゴの夜シリーズを連想したりした。関西弁の登場人物の言葉が品のなさを強調していて苦手だった。行けないと言う小学生に対しての学校に行きなさい発言もそこだけ抜き出してモヤッとしてしまったりした。前作のミズミンのことがちらりと登場したことには嬉しくなった。

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著者プロフィール

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』 とヒット作を生み出し続ける。2020年刊行の『オルタネート』で、21年に第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

「2022年 『1と0と加藤シゲアキ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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