天地雷動 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 272
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041107522

作品紹介・あらすじ

信玄亡き後、戦国最強の武田軍を背負った勝頼。これを機に武田家滅亡を目論む信長、秀吉、家康。息詰まる駆け引きの果て、ついに合戦へと突入する。かつてない臨場感と、震えるほどの興奮!待望の歴史長編!

感想・レビュー・書評

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  • この歴史小説がすごい!2014年版の1位だそうです。

    歴史的にも有名な、長篠の戦が描かれた歴史小説。
    信長、秀吉、家康、利休VS武田勝頼。
    単純な【戦い】ではなく、人間臭くドラマチックの描かれています。

     もう、散々書かれ尽くした戦国時代の歴史小説なのに、また、こうやって面白い本んが出てくる。

     沢山人が死んだ、歴史的に暗黒な時代なのに、これほど惹きつけられるって、やっぱ日本の男子のDNAに、絶対何か入ってるな!!

  • 長篠の戦い。織田・徳川の連合軍が武田軍を叩き潰した合戦だ。これ以後、武田家は滅亡へとまっしぐら。織田信長は天下統一へまっしぐら。戦国時代の大きなターニングポイントであり、兵器として鉄砲が重視されるきっかけともなった。その合戦に挑む羽柴秀吉、徳川家康、武田勝頼、そして名も無き1兵士の4人を主人公に、それぞれの長篠の戦いを描いた歴史小説。

    秀吉は上司である信長のパワハラに耐えながら、決して「無理」という言葉を返さない。家康は信長の便利屋扱いに、ストレスを貯めるが、領土を守るために舌打ちで我慢する。勝頼は父信玄と比較する老将どもに、実力を誇示しようとする。そして、1兵士は生き延びて、故郷に帰ることだけを願う。

    4者4様の考えが長篠でぶつかり、戦いを終えた彼らは自分の人生のゴールを見つける。敗者の勝頼にも、意義のある戦いだったという解釈がおもしろい。

    全体を通して、女っ気なしのムサ苦しい男たちの熱いドラマ。そのスピード感と熱量は、この前読んだ「峠越え」にも通じる作者のスタイルだ。そして、長篠の戦いで武田軍は、なぜ無謀な突入を選んだのかを推理する歴史ミステリー要素もあり。

  •  武田信玄の死から長篠の戦いに至るまでを、勝頼、信長に仕える秀吉、家康、それぞれの視点から描いた歴史小説。

     自分はあまり戦国時代の歴史に強くないので、歴史解釈についてはあまりどうこう言えないのですが、話としては非常に面白かったです!

     それぞれの武将の心理描写が濃密です。勝頼は偉大な父信玄の後を継ぐわけですが、父が偉大すぎるために父の時代から活躍した家臣たちをまとめるのに苦労します。そうした苦悩とともに見えてくるのが宿敵信長への想い。突撃を決意する場面も非常に読みごたえがありました。

     一方で家康は信長とともに武田軍と対峙するわけですが、自分の弱さを認め強いものに巻かれるため、不本意ながらも信長に振り回される家康の心理描写もとてもしっかりと書き込まれています。

     秀吉が信長からの無理難題に対しての活躍っぷりも楽しく、そしてそれぞれの武将視点から、信長像というものも浮かび上がってくるようにしっかりと描かれていました。読み終えたとき、歴史上の名前だけしか知らなかった人物に、それぞれしっかりと人格が与えられたような気分になりました、

     そして武将目線だけでなく、武田軍の兵士の視点を取り入れているところもこの本の良さであると思います。仲間のため、家族のため生きようとする姿や、戦に対する思いを語る場面はとにかく切なく、戦国時代の話とはいえ、こうなることを避けることはできなかったのかな、と思いを馳せてしまいました。

     長篠の戦は有名な戦いで、どちらの軍が勝ったか知ってる人も多いと思います。それでも戦いに向かって進み続ける男たちを真正面から描き切ったこの小説は、結果が分かっていても、楽しめる小説だと思います!

  • 長篠の戦いをメインとし、家康、勝頼、秀吉、帯刀(武田の一兵士)の視点からの話でした。主人公(話し手)がコロコロ変わる小説というのは、あんまり好きzyないのですが、これは非常に読みやすく、そして展開も早くすぐに読んでしまいました。

    秀吉の信長の無理な注文や家康の管理職的な悩み、勝頼の2代目のつらさ、帯刀の一兵士の気持ちが非常にわかりやすかった。

    個人的には、武田家というのは好きなんで山県・馬場がもう少し前に出てきてもよかったのではないかなぁと感じましたが・・・この作品の釣閑は非常にいい味を出してました。信長以上の濃さでした

    伊東さんの作品の武田家滅亡も読んでみようと思います。

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  • 章ごとに武田勝頼、豊富秀吉、徳川家康、そして武田軍の末端に位置する兵士の4つの視点で、物語が進んでいく。
    物語の集結点は、勝頼が信長・家康連合軍(カタチ上は)に歴史的大敗を喫した長篠の戦い。いかにして勝頼は長篠の戦いで負けたのか、いかにして信長は大勝したのか。そこに秀吉はどう貢献したのか。家康は何を感じたのか。名もなき兵士(帯刀という名はあるが)はその戦いに何を感じたのか。
    それぞれが長篠の戦いに至る数年を、綿密に、飽きさせず読ませてくれる。
    最後のほう、ちょっと現代に通じる戦争批判めいたところが、強引さを感じさせて興ざめな点はあるが、それも許せるほどに面白かった。

  • 長篠の戦いを描いた大河小説。
    織田軍を侮り、騎馬による突撃を鉄砲の三段撃ちで粉砕された、というステレオタイプな長篠の戦いのイメージが払拭されました。そもそも織田軍は武田軍よりも人数でだいぶ上回っており、いくら無敵の騎馬軍団でも正面突撃はまともな作戦ではないわけで、武田軍にそこに至らせるまでの織田軍の作戦、さらには火薬産地を利用した鉄砲戦における織田軍の周到な準備。どこまで史実かはよく知りませんが、面白かったです。

  • テンポの良さと史実に忠実な描写に圧倒された。結果は事実だが、前線の一人の武士も一緒に描くことで、真実や本質が見えてくるし、作者の思いも伝わってくる。全体として、勝者だけでなく、その裏で負けた者達の葛藤やドラマが平行して描かれていて、とても面白かった。続けて読みたいと思わせる。

  • 長篠の戦について書いた本です。

    この本では、創業の父(武田信玄)が死に、その父の子飼いの部下である重臣との立ち位置に悩み、また自身の近習と重臣との確執もあったりと、諏訪勝頼が苦悩する部分が多く見られます。

    長篠の戦はなぜ起きたというのは諸説ありますが、この本ではそこに至るまでの背景や織田信長の戦略、そして当日の戦いの推移などから、勝頼が戦わざるを得ない状況に追い込まれた、ということが細かく書かれていて、非常に楽しむことができました。

    「武田家滅亡」という本は、長篠の戦の後から始まっていて、今回登場する伊那の地侍である宮下帯刀や、武田勝頼の近習である小宮山内膳なども登場していますので、今回の本と「武田家滅亡」は2部作のような形になっているのかもしれません。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-182c.html

  • 最強武田軍vs信長・秀吉・家康連合軍!戦国の世の大転換点となった長篠の戦い。天下を狙う武将たちは何を思い、合戦へと突き進んだのか。熱き人間ドラマと壮絶な合戦を描く、待望の長編歴史小説!

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著者プロフィール

1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じる。『国を蹴った男』で吉川英治文学新人賞、『黒南風の海‐‐加藤清正「文禄・慶弔の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、『巨鯨の海』で山田風太郎賞と第1回高校生直木賞、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞を受賞。『城を噛ませた男』『国を蹴った男』『巨鯨の海』『王になろうとした男』『天下人の茶』で5度、直木賞候補に。著書に『武田家滅亡』『天地雷動』など多数。

「2019年 『家康謀殺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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