人外サーカス (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2021年1月22日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041108352

作品紹介・あらすじ

吸血鬼vs.サーカス団!
さあ、命懸けのショーを始めましょう。

インクレディブルサーカス所属の手品師・蘭堂は、過去のトラウマを克服して大脱出マジックを成功させるべく、練習に励んでいた。
だが突如、サーカス団が吸血鬼たちに襲われる。残忍で、圧倒的な身体能力と回復力を持つ彼らに団員たちは恐怖するも、クロスボウ、空中ブランコ、オートバイ、アクロバット、猛獣使いなど各々の特技を駆使して命懸けの反撃を試みる……。
惨劇に隠された秘密を見抜けるか。究極のサバイバルホラー!

感想・レビュー・書評

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  • インクレディブル・サーカス所属の手品師・蘭堂は、過去のトラウマを克服して大脱出マジックを成功させるべく練習に励んでいた。
    そんなある日、突如サーカス団が吸血鬼たちに襲われる。残忍で圧倒的な身体能力と回復能力を持つ彼らに、団員たちは空中ブランコやアクロバットなどの特技を駆使し、命がけで反撃を試みるが……。


    様々な事情から廃業寸前の弱小サーカス団と、吸血鬼の戦いを描いた小説です。
    人間離れした身体能力、飛行能力、回復力を持つ残虐な吸血鬼の集団に、ただの人間であるサーカス団員たちがどう立ち向かい、勝利するために何を使いどう動くのかが読みどころ。
    サーカス団員たちが、どんなに追い詰められても決して仲間を見捨てないところや、どんなに勝ち目が薄い戦いでも知恵と経験、勇気で状況を打開しようとする姿に、儚くも力強い命の輝きを感じます。

    血や内臓などがドロドロに飛び散りまくるので結構グロテスクですが、アクション映画やスプラッタホラー映画のような雰囲気もあり一気に読めてしまいます。
    ラストも爽やかさもありながら物悲しい。

    インクレディブル・サーカス団、冷静に考えると不運すぎて同情してしまう。何もしていないのにとんでもないとばっちり受けててかわいそうすぎます。

  • 先が気になり止まらなかった(≧∇≦)

    一気読み確実!人間VS吸血鬼の大バトル!!



    何だろう、この安心感…(〃´-`〃)

    いや、違うな。安心…というか、癒しの方が近い。

    ホラーもグロもミステリもコミカルな描写も、すべて程よく癒される♡

    小林泰三さんの作品全般、私の心を癒してくれる。

    この作品を読んで『癒された』という人は少ないだろうけど、癒されたんだからしょうがない笑

    吸血鬼が存在する世界。
    こいつらがまた強い強い。
    人間と違って仲間に執着しないから、やる事も残忍でグロい。

    グロ描写が苦手な方は注意。(^▽^;)

    吸血鬼に立ち向かうのはサーカス団!
    果たして生身の人間が勝てるのか?!
    バトル、バトル、バトルの嵐です笑

    小林泰三作品好きの方なら誰もが知っているであろうあの方が出てきますよ( ≖ᴗ≖​)ニヤッ

    ホラーなだけではなく真相もあり、大満足のラストでした!

    面白かったです!⸜(˶ˆ꒳ˆ˵)⸝

  • サーカスに偽装し吸血鬼狩りをするコンソーシアムに間違われて吸血鬼の集団に襲われた貧乏サーカス団。

    手に汗握る展開で半ばからは一気読みだった。

  • 廃業寸前のサーカス団と吸血鬼の一団の戦いを描いた作品です。ややスプラッター要素はありますが、ホラー感はあまりありません。
    戦闘力に絶対的な差があるなか、団員たちがいかにして吸血鬼を倒すのかが読みどころです。ミステリーの要素も少しあります。

  •  圧倒的身体能力をもつ吸血鬼がとある理由からサーカス団を襲う。

     襲われたサーカス団は日頃の鍛錬と知恵で、吸血鬼と対峙する。

     果たしてサーカス団員達は生き残れるのか?

     これはサーカス団員達が生き残りを賭けたサバイバルホラーです。

     臓物は飛散りまくるので、グロよりのサバイバルホラーかな?と思いました。

     ただ、グロは前半が多めで、後半は慣れからかそんなにグロさは感じず、食事しながら読めるくらいには余裕にはなりました。

     サーカス団員達が吸血鬼と戦う時の描写が面白く、生き残るために、あるいは仲間を逃がすために、あるいは吸血鬼を倒すためにどんな自分の能力を使って、どんな有利な状況に持ち込むのかを考えながら吸血鬼と対決するところが個人的には楽しかったです。

     将棋の終盤戦で相手が間違えなければこちらが負ける状況で相手を間違えさせるために必死で考え抜いてもがいて活路を見出すという感じに似てるなと思いました。

     本作から感じとったのは、完璧なものなどないということ。結局、完璧だと思って100%成功すると思った奴から脱落していくということです。

     皆さんがご存知の『ウサギとカメ』

     普通にかけっこしたら絶対にウサギが勝ちます。しかしウサギはカメに負ける場合がある。なぜ?

     この話での教訓は私は3つあると思っていて

    ①100%勝てる勝負でも油断すると負ける

    ②諦めなければ負け戦も勝てることがある

    ③読めない想定外のことが番狂わせを起こす

    ③は私の中でウサギと亀でいうと、亀が休憩も取らず歩き続けたことやウサギが寝過ごすとは思っていなかったことなどです。

     本作品を読んでいて『ウサギとカメ』の話が思い浮かんだのもあながち偶然ではなく、本作品には普通に戦えば勝てるはずの吸血鬼がいくら人間で身体能力高めのサーカス団員達に苦戦を強いられるのはまさにウサギとカメの構図に似てるからじゃないかと思いました。

     そして、読み手はカメが活躍する姿がみたい。ウサギとどうやって戦うのかを見守りながら。

     また、100%成功するということは思い込みであり、過信であるということ。どんなに自信があることでも、失敗した時の対策を考えておくということの大事さを教えてくれる作品なのかもしれません。

  • 吸血鬼もの大好きなので、ワクワクしながら読んでました。

    で、途中から違和感f^_^;

    最後まで読み切り、納得。

    シリーズものにされる予定だったのでしょうかね。

    そうであるのなら、作者の早逝がひたすら切ないです。

  • 【2024年215冊目】
    吸血鬼の間で、ある噂が立ち上がっていた。コンソーシアムと呼ばれる吸血鬼ハンターの集団が、サーカス団に偽装して各地を回っているらしい。中でもランディと呼ばれる男は手練で、口八丁で騙し討ちをかけてくる。ハンターを殲滅するため、吸血鬼達はとあるサーカス団に目をつけ、襲いかかるのだが――。

    最初はすっとぼけているのか、それとも欺く前提なのかわからんぞ、と思って読んでましたが、物語が進むにつれ、シンプルに不運なサーカス団に同情することになりました。あまりにも共通する特徴があったために起こった悲劇すぎる。

    明かされた真相は想像してなかったもので結構びっくりしました。ちゃんと伏線は張られていたみたいですが、気づきませんでした、悔しい。しかし、バックパッカーのじっちゃまが強すぎるしかっこよすぎる。何者なんだ、過去話読みたいぞ。

  • 吸血鬼がタフ!吸血鬼すぐ死ぬを観た直後だから余計にそう思った。

  • なんかね、ノリが軽くて、コメディですか?

    展開がコミカルすぎて、入り込めなかった。

    サーカス団員が、それぞれの装置を駆使して、吸血鬼を屠っていく?

    そんなお話なのかな?

    半分読んだところで、断念しました。

    後半読むモチベが保てなかった。

  •  吸血鬼VS弱小サーカス団の攻防を描いたサバイバルホラーで、過去のトラウマを払拭するために踠く手品師・蘭堂を中心としたインクレディブルサーカスの面々と残忍かつ圧倒的な身体能力と回復力を持つ吸血鬼達の造詣と疾走感満載かつ知力の限りを尽くしたバトルシーン、奇妙な伏線の回収まで最後までハラハラしながら読み終えた。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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