友達以上探偵未満 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.07
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本棚登録 : 224
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041108451

作品紹介・あらすじ

忍者と芭蕉の故郷、三重県伊賀市の高校に通う伊賀ももと上野あおは、地元の謎解きイベントで殺人事件に巻き込まれる。 探偵好きの二人は、ももの直観力とあおの論理力を生かし事件を推理していくが!?

感想・レビュー・書評

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  • 直観力の鋭い元気なももと推理力の高いクールなあおは、2人とも名探偵を目指す女子高校生。2人の学園生活と推理勝負を描いたミステリ。

    作者の麻耶さんの出身地でもある三重県伊賀市が舞台の、正統派な謎ときミステリです。
    3編が収録されており、最初の2編は読者への挑戦付き。私は全然わかりませんでしたが、読み返すとヒントは多いので、真剣に考えたらわかる方もいるかも。

    麻耶さんの小説の中では、比較的後味も悪くなくライトな内容かと思います。
    女子高生2人が時に友人として、時にライバルとして探偵として切磋琢磨してゆく。2人とも完璧な探偵という感じではないのが、初々しくて新鮮でした。
    イラストレーターの問七さんのイラストの表紙が可愛いです。単行本の方はしきみさんのイラストで、そちらもとても可愛かった。

    おもしろかったですが、気になるところもいくつかありました。
    この2人の主人公名探偵になりたいと思う気持ちが先行しすぎているのか何なのか、人の死の扱いが2人の中でとても軽そうで、何だか現代舞台の女子高生キャラクターとして少し不気味でした。そういう部分以外は普通の学生のような造形なので余計異質に見えたのかもしれません。
    また、人によってはガールズラブのような香りを感じる方もいるそうですが、個人的には若干執着強めの友情のような印象でした。

  • 2人組女子高生が伊賀上野を舞台に事件 解決する。
    軽い読物 だが 展開は早い。
    読みやすいかといえば 平坦な記述が多いのでそうではないが 気分転換に。

  • 女子高校生探偵・桃青コンビの活躍を描いた短編集。
    元々はドラマ仕立ての推理番組の台本が元になっているとあとがきを読んで知った。なるほど、だから出題編と解答編をはっきり分けるつくりになっていたのか。
    本格ミステリー短編としてはまずまずだが、なぜだか若干読みづらい。桃青コンビの会話が若すぎてついていけないから?状況を説明する文が多かったから?読み進めるのに少し手間取ってしまい、解答編の内容があまり頭に入ってこなかった。
    本格ミステリーってのは難しい。あまり簡素化した内容で書けるトリックなんてなかなか残っていないし、じゃあと複雑なトリックにすると読みづらくなる。それでも読んでしまうのだけれど。

  • 綾辻さんは「やられた。あれはトラウマ作品だ」
    https://www.bookbang.jp/review/article/657804

    とのことで読んでみたが、私がおっさんのためか高校生の会話が全然頭に入って来なかった
    読み方が悪い可能性が高くいったん評価はなし

  • 面白かったですが、読者に推理させるため説明の文章が多くて、若干読み辛かったです。

  • 元々TVドラマ用の脚本を小説化したものだからか、麻耶作品の中では大分ライトな作風。
    その分オーソドックスな犯人当てを楽しめます。
    ただ今までの麻耶作品に慣れてる自分としてはちょっと物足りなかったかも

  • すごく期待していたのに思いっきり期待はずれ。謎解きを読者に挑戦するのはまだしも、トリックが「2つの別々の会話を同時に聞いたことにより偶然殺人計画に聞こえた」なんてなんだそれ!でした。内容もまったく入って来ないし。キャラも、おバカ女子高生かと思ったらなぜか急に子猫ちゃんとか言い出すキザキャラ⁇になったり、中学生時代の話になったり。相方のあおはめちゃくちゃ性格悪いし。途中で放棄しようかと思いました。残念。

  • 女子高生二人組の探偵。正確には一人は憧れているだけで推理能力は無い。
    もう一人はそこに付け込みワトソン役として手元に置いておこうとしている。
    三話目の「夏の合宿殺人事件」が一番面白かった。
    もものことは少し鬱陶しさもあったが、あまりの能力の低さと探偵への憧れの強さに気の毒になってきた。
    タイトルはももそのもののことだったんだな。
    ライトな筆致だが、そろそろ講談社ノベルスや幻冬舎の頃の様なテイストのミステリも読みたい。

  • 3つの短編のうち、最初の2話は面白くなく、最後の1話だけとても面白かった。 基本的に「探偵役である二人の関係」と「ミステリ」を同時に描いていこうというコンセプトなんだけど、一見魅力的に見えるコンセプトが実はかなり難しいものなのだろう、ということが読みながら分かってくる。何故って、ミステリって「犯人と被害者の関係」を追い求めていくものだから。ここに「探偵の二人の関係」も描こうとするので、どっちつかずになってしまっていたように思うのが2作目まで。

  • 退屈
     121頁に2箇所にわたって「亜希」とあるが、愛希のまちがひ。有栖川有栖の解説にも「作者は三回も私たちを誘ってくれている」とあるが2回だらう。
     本格ミステリ09に載った貴族探偵の「加速度円舞曲」がおもしろかったのでこちらを買ってみたが、おもしろくない。最終話で上野あおの伊賀ももに対する独占欲が露呈するが、悲しい姿は見たくないだの可愛らしい寝顔だの、唐突にさういふ表現が出てくるので、百合にしたいのが露骨である。麻耶の傾向からしてもさういふ恐しさを狙った可能性があるが、しかし恐しくもないし百合としても半端である。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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