- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041108536
感想・レビュー・書評
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魂手形。三島屋の皆のおちかを思いやる心根に涙が流れます。心の闇を打ち消すのではなく抱えたまま強く生きていくおちか。
魂手形の章は痛快なお話でした。たまにはこんな話をお願いします。小旦那、西瓜の食べ過ぎでお腹こわさなかったかしら?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
◆おすすめ度◆
・江戸時代怪談話度:★★★★
・飽きさせない百物語度:★★★★
・シリーズに不穏な気配も度:★★★★
◆感想◆
「三島屋」シリーズの第7巻。
衝撃的な『火焔太鼓』、母の想いが重い『一途の念』、なさぬ仲ほど愛が深い『魂手形』の中編3編。
いまさら面白さを言う必要もない三島屋変調百物語。
自分の気持が沈んでいようがアゲアゲだろうが、読み始めればすぐさま物語の世界に没入する小説。
宮部みゆきってすごいですね。
ラストに登場してきた「商人」が、シリーズを貫くラスボス的な恐怖のキャラクターだったりして、シリーズとしての展開も見逃せない感じです。 -
最初の話が1番怖かったー。に、にん、にんげ…おおう…ってなりましたな。のどかそうな雰囲気と相反する事実の恐ろしさ…果たして次は誰が…。失敗することはないんかな…。
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ずっとシリーズを読み続けているが、話しを聞いた後の富次郎の葛藤と一緒に自分の感想を振り返ることが出来るのが良い。火焰太鼓が生きる役目のようなものを感じ面白かった。
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富次郎が聞き手を継いだ百物語、結末に不穏な空気が…。
「語り捨て、聞き捨て」の百物語シリーズも七作目。
聞き手が富次郎に移った新シリーズにも慣れてきた。
おちかの頃より、調子は軽いか。
今作は、中編のような三編で、
いつもより、サクサクサクっと読んでしまった。
おちかのおめでたの話は明るいが、
ただ、三編目の「魂手形」に、前にも登場した、不穏な男、
「あの世の商人」が再び、意味深な登場をして、
いや~な空気が残る。
次作を待ち遠しくさせる、ただの趣向なら、いいのだが…。 -
2023年5月13日
いつのまにか黒白の間の人が変わっていた。
剣呑な経験はみな、黙っている。
でも吐き出してみたくなる。
黒白の間はうってつけ。
酔狂な嗜好に見えたが、意外にも人助けになっている。
人には言えない物騒な話、恐ろしい話。
冨次郎は、話を絵に描くという。
その絵を見てみたい。 -
3編ともとても良かった。やるせない気持ちにもなるけど人が優しい。
最後の不穏な雰囲気のアレはなんだ? -
おちかが語り手の心情を汲み取りつつ、自らの心の中を探っていったのに対して富次郎はやはり圧倒的に経験値が足りないこともあって、自分の心に落とし込み聞き捨てる事にかなり苦労している様がとてもリアル。
3つの話は今回どれも悲しい。タイトルの『魂手形』はまだ救いがあったけど、シリーズ最初からの謎がまた近づいているのが不気味。 -
怖くない…。聞き手が代わってこういうシリーズになるのかな。おちかの幸せを願うばかり。