- 本 ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041108819
作品紹介・あらすじ
増改築を繰り返した結果、迷宮のような構造を持つにいたった巨大な洋館。長年放置されていたその館の周辺で行方不明者が相次ぐ。突然現れたナルの師匠という女性。彼女が持ってきた依頼は、長野県の山中にある広大な屋敷の調査だった。だが調査隊はSPRだけではない。日本中から名だたる霊能者や心霊研究家も集められていたのだ。尋常でないのはそれだけではない。館の内部や外部の構造を調べるうち、麻衣たちは建物のあちこちに不審な空洞があることに気づいた――。そして、事件は起こった。館にいる人間が姿を消し始めたのだ。徐々に明かされていく血塗られた館の過去。ゴシック趣味溢れるシリーズ5作。SPR史上最凶最悪の怪物が潜んでいる!?【解説:千街晶之 ミステリ評論家】
感想・レビュー・書評
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シリーズ第五弾。
増改築を繰り返した結果、迷宮のような構造を持つにいたった巨大な洋館・美山邸。
今は誰も住んでいないこの廃邸に忍び込んだ若者が姿を消し、彼を探す為に館に入った消防団の青年も失踪してしまう事件が発生します。
館の持ち主サイドから調査の依頼を受けたSPRメンバー(withいつもの霊能者達)は山中にある件の館に赴きますが・・・。
シリーズ“最恐”といわれている本書。
まさに迷宮のような、異常な構造の巨大な館の中で次々と調査メンバーが姿を消していく展開や、その背景にあった血塗られた真相・・・確かに戦慄を禁じ得ない内容でございます。
恐さの“質”としては、ゾッとする怖さというより西洋ホラーでよく見る、スプラッタ要素が強い“物理的なコワさ”という印象です。
過去に館で行われていた残虐すぎる実態と、終盤での目を覆いたくなるようなグロテスク描写は“その手のモノ”に弱い人は“閲覧注意!”の凄まじさがあります。
私もうっかり想像すると貧血を起こしそうだったので、この辺は斜め読みして逃げました(汗)。
そして前巻で登場した、安原くんがこの巻でも引き続き登場。
相変わらずの優秀さで、さすがのナルも彼に対しては文句のつけようがないせいか、当たりがソフトですよね。
さらに、ナルの“師匠”という森さんが新キャラとして登場し、どんどん仲間が増えていって、チームの結束も強くなってきている感じです。
後半で真砂子が大ピンチになった時に、なりふり構わず助けにいく麻衣の姿にグッときました。
(麻衣の暴走はお約束になりつつある・・・?)
その麻衣ですが、孤児だったことが判明!・・あれ?一作目で家族がいるような描かれ方をしていたような気がしていたのですが・・・?どうも私の思い込みだったようですww
そして、謎が多かったナルとリンさんの背景も徐々に明かされてきているのも興味深いです。
麻衣の“能力”開花っぷりも含めて、今後のシリーズ展開が楽しみです~。 -
シリーズもの。
西洋っぽさがあり、こういう終わり方もあってもいいんだなと思いました。 -
シリーズ5作目。
迷宮のような巨大洋館で人が失踪してしまったのを、持ち主の元首相が霊能者を全国から何人も集め、解決を願うという流れ。
麻衣の一つ目の夢は怖かった。。。途中さりげなく織り込まれていた、麻衣が高校生なのに泊まり込み調査に自由に参加できていた理由にびっくり。そうだったのね麻衣ちゃん・・・
大学生になった安原さんも登場する。リンさん大活躍。本巻から新たに登場した森さんにより、ナルの背景がほんの少しだけ明らかにされる。
本書でも登場した、実在するウィンチェスター館、どんな建物なのか気になる。
解説で小野不由美さんと綾辻行人さんがご夫婦なのを初めて知った。
そしてその後調べたら、おふたりは京大の推理小説研究会に所属され、そこで出会ったそう。その後ご夫婦揃って成功されていてすごい!著者は大谷大学の仏教学科出身で、作中のぼーさんのお経や儀式・語る蘊蓄が詳しいのはその辺が関係しているのかなと思った。お父様が設計事務所をやっておられ、図面が好きだったともある。 -
何度読んでも怖い!
そして面白い。
名作です。 -
'22年7月17日、Amazon audibleで、聴き終えました。
シリーズ1~5まで聴きましたが…今作が最高でした!面白かったです!
館の怪異、ホラー的な要素、サスペンスフルな進行と、どれをとってもエンタメ小説として、一級品!と感じました。
あえて一点、不満をあげれば…ラストの結末に、違和感が。でも、ネタバレしちゃいそうだな…語らないでおきます。
新キャラも、毎度ですが、登場。ナルの秘密?も少し明かされ…マイちゃんの出自も。盛りだくさん、でした。あと、マサコのヤキモチのシーンが…オッサンを癒やしてくれました。ハハハ( ◜‿◝ )♡
このままの勢いで、全作制覇を! -
シリーズの中で一番好きな小説!そして個人的には一番怖い。
読んだ後は風呂に入るのが怖くなるくらい。
浦戸の正体や目的について、フィクションや実在の人物を元に推理していく流れが特に好き。だけど怖い。そこが面白い。
主人公の麻衣は相変わらず暴走気味。そこがまた少女小説っぽさを残してる気もするけど。シリーズ自体は昔全て読んだので、散りばめられた伏線の展開とかも知ってる身としては、麻衣が無自覚にナルの地雷を踏み抜いていくのに少しモヤモヤしてしまった。
あとは今まで影が薄かったリンさんが活躍してくれて嬉しい限り。メンバーの中では一番チートっぽいキャラだけど、決して万能ではないのがリアルで面白い。
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ここまでのシリーズで一番怖かったです。
次々に人が消えるという不思議な館。
いつものメンバーと共に調査に出かけた一味だったが…
入り込まずにもっと遠目から読むべきだったと後悔(;;)
あちこちから血の匂いがしてきそうだし、恐ろしい夢を見そうだし…本当に怖かったです。
館が複雑過ぎて見取り図がちっとも想像できず、リンさんの立体図が見たかったです。
仲間を助ける鍵のシーンは感動しました。
麻衣の能力がものすごく進化している!!
ここからラストまでが楽しみです。
著者プロフィール
小野不由美の作品





