砂の家 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.19
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本棚登録 : 180
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041108857

作品紹介・あらすじ

「お父さんが出所されました」大手企業で働く健人に、弁護士から突然の電話が。20年前、母と妹を刺し殺して逮捕された父。「殺人犯の息子」として絶望的な日々を送ってきた健人の前に、現れた父は――。

感想・レビュー・書評

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  • 途中から健人が社長を守る為に考えていいる事が、よからぬ事だと感じられ読むのが辛かったです。
    最後がどうなったんだろう?とスッキリ出来なかった。

  • 私は物語はハッピーエンドで終わって欲しい、といつも思う。
    もちろんイヤミス、ホラー、その他の本を読まないことはないわけではないが、どこかに救いを求めてしまう。
    現実の追体験だけでは苦しいから。

    さて、そんなことをいうのだから、本書が(私の心とは反対に)少し不本意な終わり方になってしまったのは十分香らせられたかと思う。
    犯罪者の子供は犯罪者か?
    子供の人生はどう変わるか、がメインテーマだが、なんとも苦しい結末となった。
    主人公の弟正俊が不憫でならない。
    もう、大人になってしまった彼は変わらない、かもしれない。
    きっとこういうことは往々にして起こる。

    主人公の浅野健人は苦しいながらも勤務先の社長と出会ったことで学費やその日の糧を得られ、「普通」の生活を送っている。
    社長には多大な恩を感じている。
    これが社畜の始まりで、これが終わりまで続く。
    男女の違いを簡単に言うのは時代にそぐわないかもしれないが、男性的な生き方だと思った。
    会社が存続してくれればいい、自分はどうなってもいい、自分はなんとか立ち上がった、迷惑をかけないように生きてきた…。
    なんだか息苦しい。
    恩はあっても会社に人生を捧げたいとは思わない。
    物語の本質はそこじゃない、のはわかっているが、主人公の行動は理解し難い。
    子供の頃の環境が大事なことも、救ってくれる大人がいたら依存してしまうことも、頭では理解できる。
    だが、せめて小説の中は夢を見せてよ。
    現実には助けてくれる大人が少なくても、いないわけじゃない。
    正俊が救われて欲しかった、その思いでいっぱいだ。

  • 堂場瞬一さんの初めて読んだ作品。

    一家心中を図った父親によって殺された母と妹、生き残った主人公と弟。
    「殺人犯の息子」として周りからの厳しい当たりに耐えて成長した20年後の兄弟は、進んだ道が正反対だった。一見、真っ当な道を進んでいるように見える兄も心の闇は深い。
    主人公の父親に対する恨みや弟に対する負い目、弟の兄に対する嫉妬…第3者が言うほど家族の縁は簡単には切れないし、それぞれの想いがある。
    兄弟の成長過程を通して、人の成長において環境や良い影響を与えてくれる人の存在の大切さを改めて感じた。

    物語自体はこじれることなくスムーズに進んでいくので読みやすいが、個人的には最後がモヤっとした終わり方だった。
    でも読み手次第で兄弟の今後について様々考えられるので、そうゆう意味では思考(想像)が広がる終わり方だとも思う。

  • 犯罪被害者の家族がテーマとなった暗く重い内容だった。しかし、人間どんな過酷な状況に置かれても立ち直れるという、一筋の光を見いだすことを予感させるものだった。スリリングな文章構成に引き込まれた。

  • 父が母と妹を殺し、辛うじて助かった浅野健人が苦労して食品会社で順調に生活している中で、社長に脅迫状が届き、それに対処する健人の苦労話だが、20年前の出来事から現在までのエピソードを刻々と並べて、映画を見ている感じの構成だった.弟の正俊の存在が事件と大いに関連が出て来るが、社長の竹内一正からの信頼もあり、健人の対応がある程度功を奏する.恋人の有希子と過ごす時間の存在が、殺伐としたストーリーの中でほっとするものを感じた.

  • 擬似家族が輻輳して、なんともやるせない「家族物語」やなあ。
    最後の2行で少し救われたけど。

  • 以前読んでました、途中でわかったのでそれ程印象に残らない作品かな

  • 犯罪者の息子としてのハンデを背負いながら何とか自分の人生を立て直すために懸命に生きてきた健人。
    そして兄を恨めしく思い、破滅させようと画策する弟・正俊。
    バッドエンドでありながら、最後はほんの少しの希望を残して終了。
    父親と兄弟、それぞれの心情に思いを馳せるとスッキリしない部分はあり。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば・しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「警視庁犯罪被害者支援課」「警視庁追跡捜査係」「ラストライン」の各シリーズのほか、『八月からの手紙』『傷』『Killers』『ネタ元』『焦土の刑事』『動乱の刑事』『沃野の刑事』『ダブル・トライ』『ピットフォール』『刑事の枷』『沈黙の終わり』『赤い呪縛』『大連合』など多数。 2021年、作家デビュー20周年を迎えた。

「2021年 『聖刻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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