コロッサスの鉤爪 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年11月21日発売)
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本 ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041108895

作品紹介・あらすじ

何者かに海中深くに引きずり込まれた元ダイバー。
無残な遺体には鉤爪で付けられたかのような不審な傷が残されていた。
現場はソナーで監視され、誰も近づけないはずの“音の密室”。
事件の調査依頼を引き受けた、防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、大海原に隠された謎に挑む! (「コロッサスの鉤爪」)。
表題作ほか計2編収録。『ミステリークロック』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。

本書は、単行本『ミステリークロック』収録の4篇のうち、「鏡の国の殺人」「コロッサスの鉤爪」の2篇を分冊して文庫化したものです。
他の「ゆるやかな自殺」「ミステリークロック」は、同時に発売された文庫『ミステリークロック』に収録されています。

感想・レビュー・書評

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  • や、やった!こっちの話は「ミステリークロック」よりもトリックが理解出来たぞ!
    発想が怖すぎて泣きそうになったけど!


    という訳で防犯探偵榎本シリーズ5冊目、「コロッサスの鉤爪」も無事に読了しました。
    多分今出てるシリーズはこれで最後?なんですかね?私の見た情報が古くてもしかしたらもう新作あるのかもだけどとりあえず個人的にはここで一区切りかなって感じです。


    もうね、「コロッサスの鉤爪」がめちゃくちゃ怖かったんですよ……始まり方からしてもうあれはパニックホラーの始まり方なのよ。ジョーズとかそんな感じの何かが始まる空気感なのよ。
    実際中盤くらいまでは完全にパニックホラーものみたいな雰囲気で話が進むのもあって震えてしまいました。
    何かこう……もしもジョーズのあの話がサメではなくて人間が犯人だったらこんな感じなのかなぁと思ったりしながら読んでたんですけど、一体作者さんはどうやってこの話を思いついたんだろう?本当にジョーズとかのサメ映画見ながら考えたんだろうか?
    トリックに関しては専門的な知識が必要だったんで流石に完全に解くのは無理だったんですけど、でもこの被害者歴代の中でも割と群を抜いてクズだったもので読みながら「別にいいじゃんそんな人殺したってさぁ」とか思ってしまいました……いやいやよくないよ、いかん思考が良くない方に傾きかかっている。


    それにしてもこの方が書く話、ミステリー要素強めでこれだけ怖いとなるとその他の話は一体どれだけ怖いんですか。
    「これが読めたら悪の教典とかいけるかもなー」とか軽く考えてたんですけどハードルが高すぎる……。

  • 『鏡の国の殺人』と『コロッサスの鉤爪』の二篇
    『鏡の国の殺人』はトリックがどうなっているのかわかりづらかった。現代アート作品を用いた仕掛けだったからという面もあるだろうが、「気持ちのいい」読了感は少ないと感じた。偏光フィルターを使うという面はとても面白く、そんなことができるのかという想像だけなんとなくできた程度の理解だった。トリック解説に入る前の人間のやりとりはとても楽しいものがあったと感じた。
    『コロッサスの鉤爪』は仮説を外堀から埋める感じが真相に近づくたびにワクワクするような高揚感を覚えた。トリックは先より複雑ではなく、理解しやすいものだったが少し力づく感があったと感じた。また、勧善懲悪のストーリーだったため読み終わった後もスッキリとした後味でとても読みやすい物語だと感じた。

  • 鏡の国のアリスモチーフの迷路のある美術館での密室殺人、大海原の密室殺人。どちらも面白かった。特に表題作の「コロッサスの鉤爪」は、よくこんなトリック思いつくなぁ…っていう。

  • ドラマ化もされていた防犯探偵シリーズの中短編集その2。『ミステリー・クロック』よりもこちらが好みだった。「鏡の国の殺人」はトリックが専門的すぎて理解が難しいが、先にドラマで見ていたのでイメージしやすかった。表題作は謎もトリックも魅力的で、多視点で描かれていくのもスリリングで読む手がとまらない。ただ、榎本と青砥のやりとりのコメディ要素はもう少し薄い方が好み。

  • これはおもしろい!
    被害者が卑劣な奴で犯人に同情しつも、密室は解いてしまうのね。
    このまま、事故にすればいいのに

  • とてもとてもとても好きなお話。
    鏡の国のアリスをテーマにした短編と、
    深海をテーマにした短編。
    1作目はまたもや強烈なキャラクターの人が出てきて、出てきた瞬間この話はお前が主人公だ、と思った(笑)

    表題作のコロッサスの鉤爪は、榎本&純子シリーズで一番好き。
    貴志祐介はやっぱりサイコパスを書くのが上手。
    一番切なくてグッとくる謎解きと余韻だった。
    金田一少年の事件簿の殺戮のディープブルーという映画を思い出した。

    覚悟を決めた人は、凪のように穏やかで、切ない。

  • 「鏡の国の殺人」
    「コロッサスの鉤爪」

    防犯探偵・榎本シリーズ第4弾『ミステリークロック』を分冊化したもの。
    本書は、「鏡の国の殺人」と「コロッサスの鉤爪」という2つの中編の組み合わせ。
    「鏡の国の殺人」は映像化済み。というかトリックの性質上、ドラマと合わせて読むとより楽しめる。
    「コロッサスの鉤爪」は謎の深海生物がいるのではという謎が読み手を引きつける。
    こういう勧善懲悪的な物語は好きだが、欲を言えばもう少しそれぞれの人物たちの背景を描写してもらいたかった。

  • 再読。
    キャラが面白くて読みやすい。榎本と青砥の掛け合いについ笑ってしまう。
    でも、犬のコロのエピソードはちょっと…辛いからいや。
    博識になります。

  • 榎本シリーズ 本は初めて読んだ。
    「密室」と一口でいっても様々な密室があり、面白かった

  • 室内迷路の密室と、海上で誰も近付けない密室。
    さすが貴志祐介、読みやすい。
    後者のコロッサスの鉤爪は犬の可哀想な部分があったので二度は読みたくないかな。
    だんだん榎本のキャラが変わってきてる感じ。青砥も。これはこれで面白いけど。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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