コロッサスの鉤爪 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 594
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041108895

作品紹介・あらすじ

――海に現れた「壁のない密室」――

何者かに海中深くに引きずり込まれた元ダイバー。
無残な遺体には鉤爪で付けられたかのような不審な傷が残されていた。
現場はソナーで監視され、誰も近づけないはずの“音の密室”。
事件の調査依頼を引き受けた、防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、
大海原に隠された謎に挑む! (「コロッサスの鉤爪」)。
表題作ほか計2編収録。『ミステリークロック』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。


本書は、単行本『ミステリークロック』収録の4篇のうち、「鏡の国の殺人」「コロッサスの鉤爪」の2篇を分冊して文庫化したものです。
他の「ゆるやかな自殺」「ミステリークロック」は、同時に発売された文庫『ミステリークロック』に収録されています。

感想・レビュー・書評

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  • 『鏡の国の殺人』と『コロッサスの鉤爪』の二篇
    『鏡の国の殺人』はトリックがどうなっているのかわかりづらかった。現代アート作品を用いた仕掛けだったからという面もあるだろうが、「気持ちのいい」読了感は少ないと感じた。偏光フィルターを使うという面はとても面白く、そんなことができるのかという想像だけなんとなくできた程度の理解だった。トリック解説に入る前の人間のやりとりはとても楽しいものがあったと感じた。
    『コロッサスの鉤爪』は仮説を外堀から埋める感じが真相に近づくたびにワクワクするような高揚感を覚えた。トリックは先より複雑ではなく、理解しやすいものだったが少し力づく感があったと感じた。また、勧善懲悪のストーリーだったため読み終わった後もスッキリとした後味でとても読みやすい物語だと感じた。

  • ドラマ化もされていた防犯探偵シリーズの中短編集その2。『ミステリー・クロック』よりもこちらが好みだった。「鏡の国の殺人」はトリックが専門的すぎて理解が難しいが、先にドラマで見ていたのでイメージしやすかった。表題作は謎もトリックも魅力的で、多視点で描かれていくのもスリリングで読む手がとまらない。ただ、榎本と青砥のやりとりのコメディ要素はもう少し薄い方が好み。

  • これはおもしろい!
    被害者が卑劣な奴で犯人に同情しつも、密室は解いてしまうのね。
    このまま、事故にすればいいのに

  • とてもとてもとても好きなお話。
    鏡の国のアリスをテーマにした短編と、
    深海をテーマにした短編。
    1作目はまたもや強烈なキャラクターの人が出てきて、出てきた瞬間この話はお前が主人公だ、と思った(笑)

    表題作のコロッサスの鉤爪は、榎本&純子シリーズで一番好き。
    貴志祐介はやっぱりサイコパスを書くのが上手。
    一番切なくてグッとくる謎解きと余韻だった。
    金田一少年の事件簿の殺戮のディープブルーという映画を思い出した。

    覚悟を決めた人は、凪のように穏やかで、切ない。

  • 「鏡の国の殺人」
    「コロッサスの鉤爪」

    防犯探偵・榎本シリーズ第4弾『ミステリークロック』を分冊化したもの。
    本書は、「鏡の国の殺人」と「コロッサスの鉤爪」という2つの中編の組み合わせ。
    「鏡の国の殺人」は映像化済み。というかトリックの性質上、ドラマと合わせて読むとより楽しめる。
    「コロッサスの鉤爪」は謎の深海生物がいるのではという謎が読み手を引きつける。
    こういう勧善懲悪的な物語は好きだが、欲を言えばもう少しそれぞれの人物たちの背景を描写してもらいたかった。

  •  防犯探偵・榎本径シリーズ第4弾。「ミステリークロック」との2分冊。こちらは表題作の他、「鏡の国の殺人」が収録されている。
     2編とも雰囲気が異なり、それぞれに楽しめる内容ではあったが、「コロッサスの鉤爪」はこれまでの内容からすると異色な感じがする。視覚的な密室ではなく、舞台は大海原であり、ソナーに感知されずにどう犯行に及ぶかという聴覚的な密室だからだ。また、トリックも海洋研究の知識がないと解けないものであり、その点では考えながら読み進めるという読み方は難しいかもしれない。

  • 貴志祐介。本来は4作品入りの短編集を、文庫では二つに分けたそうで、その二つめを読んだ。

    本作は、セキュリティ会社の社長?のふりをした犯罪者?の榎本という人物を探偵役とした、密室系謎解きシリーズであるらしい。今回は「鏡の国のアリス」のモチーフをふんだんに使った事件と、海で起きた事件の二つを読んだが、特に後者が秀逸だった(前者もすごいのだが、好みではない)。これはぜひ、他のシリーズも読まなくては。

  • 今回の2篇はどちらも正直面白いと感じなかった。残念。

  • 防犯探偵#5。アリスをモチーフにした「鏡の国の殺人」と海の密室「コロッサスの鉤爪」の2篇。

    コロッサスとは、ダイオウホウズキイカのこと。わりと最近、ブルーバックスで「イカはしゃべるし空も飛ぶ」を読んだ私は、イカ!ダイオウイカ!と興奮。イカやサメやダツの生物特性がキーになっているマニアックなミステリー。

    しかし、榎本はほぼ探偵業をしているな。そろそろ華麗に盗むシーンがみたい。榎本の、青砥の推理への反論がどんどん雑になっていて笑える。

  • 鑑の国の最後のところでは、明らかに盗みをしていることがわかる展開なのに、捕まるのは殺人犯だけ。
    そりゃ、犯人にとっては納得いかないわ。
    純子のポンコツ推理は、時には榎本にとってヒントになるけど、打率が低いなぁ。
    表題作品の依頼人、まさか死んだ婚約者の犯罪暴くことになるとは思わなかっただろうに。男の方は完全に財産目当てだけど、依頼人は本当に好きだったんだ。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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