産業医・渋谷雅治の事件カルテ シークレットノート (角川文庫)
- KADOKAWA (2021年4月23日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041108956
作品紹介・あらすじ
産業医として電機設備製造大手と契約していた渋谷雅治は、営業部社員が自殺したことを受け再発防止のために実態調査を頼まれる。関係部署を回り、その社員について情報を集めていく渋谷。すると当初感じていた自殺者の人物像が変わっていき、原因がわからなかったその死が、ひとつの真実を導き出していく。やがて背後にリコールすべき重大案件が隠されていることがわかり……。彼はなぜ死んだのか? 産業医探偵が謎に迫る!
感想・レビュー・書評
-
産業医として、電機部品関係の会社と契約していた渋谷は、さがみ野駅で電車に飛び込んで自殺した営業部員の自殺の理由について、会社から調べるように依頼される。いわゆる上司によるパワハラ、違法な残業などの有無を調べるだけかと思いきや、自殺した営業部員にはパワハラもなく、残業もなく、自殺した理由が分からないでいた。
しかし、会社は遺族に早々に見舞金を支払うことを決定し、さらに真実を探ろうとする渋谷との契約を突然打ち切ることに。
自殺した社員の直属の上司と、副社長との対立の中に自殺の真実があると探る渋谷。
契約を打ち切られた後も、個人的に死の真実に向き合おうとする。
もう少し軽いノリのお仕事小説ぐらいの気持ちで、手に取った作品だったが、真相に迫っていく渋谷の様子は警察小説にも引けを取らない。
背景には、日本製品の品質過剰、安かろう悪かろうの海外拠点で生産される模倣品の引き起こす見えない事故の可能性が描かれる。
真相の描かれる様子は、まるで相場英雄作品のよう。
最期まで、自分の会社を守ろうとしたけど、その重責に耐えられず、命を失ってしまった長田の苦悩が心を揺さぶる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
設定は面白いけど物語に意外性はないかなあ。地の文が親切すぎるのかも。
-
産業医探偵とは新しいなあ。こんな産業医はいないと思うけれど。
電子機器の会社で起こる品質問題なんてよくありそうながら現実にはここまでのリスク案件をあまり聞いたことがないのは、日本企業の良心がまだ健在だからかな。
本職は精神科医のくせに感情のコントロールが下手な渋谷と、まさにじゃじゃ馬という感じの友紀な良いコンビネーションですが、友紀の魅力は組織の中でこそ発揮させるタイプなので、続編にはならないかも。 -
最後の役員会乗り込みは、まさに半沢直樹!
読みながら、頭の中で半沢のテーマ曲がずっと流れていた。 -
主人公が産業医というのは、初めて読みました。現実でも起こり得ると思えて怖くなってしまいましたね。 しかし、渋谷雅治先生と補佐役の筒塩友紀さんのやりとりが好きなので続編読んでみたいです。
-
あきらかに産業医の職務範囲を逸脱しているW
-
ある社員の自殺を産業医が原因調査し、会社の闇に迫っていく。上層部の逆鱗に触れて解雇されるが…。作品とはいえ産業医の奥の深さに触れた気がした。
著者プロフィール
梶永正史の作品





