私の頭が正常であったなら (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 584
感想 : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109045

作品紹介・あらすじ

最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれを「幽霊ではないか」と考え、考察し始める。なぜ自分たちなのか、幽霊はどこにとりついているのか、理系の妻とともに謎を追い始めた主人公は、思わぬ真相に辿りつく。その真相は、おそろしく哀しい反面、子どもを失って日が浅い彼らにとって救いをもたらすものだった――「世界で一番、みじかい小説」。その他、表題作の「私の頭が正常であったなら」や、「トランシーバー」「首なし鶏、夜をゆく」「酩酊SF」など全8篇。それぞれ何かを失った主人公たちが、この世ならざるものとの出会いや交流を通じて、日常から少しずつずれていく……。そのままこちらに帰ってこられなくなる者や、新たな日常に幸せを感じる者、哀しみを受け止め乗り越えていく者など、彼らの視点を通じて様々な悲哀が描かれる、おそろしくも美しい”喪失”の物語。【解説:宮部みゆき】

感想・レビュー・書評

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  • 乙一さんに別のペンネームがあるとは全く知らなかった。
    ブグログで知ることができて本当に良かった。
    どうしてこの人の文章はハマるのだろう。
    心地よい。
    ちょっと不思議で切ない八篇の短編集。
    特に表題作が素晴らしい。
    読み終えてすぐに読み返した。

  • 物悲しさが満ちた短編集。

    やはり好きです。
    話によっては救われないのだけど、表題作は傑作ですね♪

    今回も満足(^^)

  • 面白かったけど、期待しすぎた感。
    1番最初の【世界で一番、みじかい小説】が先が気になって仕方ないくらい面白い進み方だっただけに、結末がそんなに捻りがなくてガッカリしてしまった…
    自分の中でその期待の差が温度差になってしまっただけで、切ない話も不気味な話もあって、良い1冊だと思う。
    最後に知ったまさかの著者の正体!笑
    なるほど言われてみれば。

    個人的には
    【子どもを沈める】
    【おやすみなさい子どもたち】
    が好き。


  • この方の書く文章、良いな…と思い
    読了後に「山白朝子」と調べて驚愕。
    乙一さんだったとは…!
    こちら名義の書籍を、もっと読みたいと感じた。

    言葉選び、現実に沿った言動、
    流れるようなストーリー…
    どれも自分の好みに尽く、刺さった。

    どの章も本当に良いし本当に好きだと思ったので
    1番を挙げるのは難しいけれど
    あえて選ぶとしたら「首なし鶏、夜をゆく」。

  • ホラー、ミステリー、SF的要素の混じった短編集。文章が、とても読みやすく変に文学ぶってなく、映画のように情景が目に浮かぶ。それぞれの話が、全然別のタイプながら展開が早くてひねりもあって、読み終えた後、なるほど、と納得感があった。通勤電車での暇つぶしには最高だった。

    表題作は、特に良かった。今後思い出すと思う。
    そのほか、トランシーバーや、天使や、布団もすごく印象に残った。

  • 表題作が本当によかった。少し泣いてしまった。失われた人は戻ってこないけど。主人公が頑張ってくれてよかった。
    ほかのお話も面白く色んな仕掛けがしてあって好き!何回も読み返したくなる短編集。人間の嫌なとこ、素敵なとこが見えるお話たち。

  • 山白さん名義の作品をちゃんと読むのは初めて。思ってたより怖くなかったです。面白かった。
    表題作、「酩酊SF」「布団の中の宇宙」「おやすみなさい子どもたち」が好きでした。
    表題作のタイトルは登場人物が繰り返す言葉なのですが、その気持ちを考えるとつらくなります。今度は助けられてよかった。。
    「おやすみなさい子どもたち」のどこか長閑なところも好きです。乙一さん中田永一さん山白朝子さんでは山白さんが一番好みかな、今のところ。

  • 山白朝子と乙一と中田永一は同一人物だという知識を得て、その3人のアンソロジー本で山白朝子を知ってすごく好みのタイプだと思っていた。
    そう思ってから初めて読んだ彼女(と呼んでもいいのか)の短篇集は、やはりとても好みだった。

    乙一はホラー系で中田永一は恋愛系で山白朝子はミステリ系…みたいなざっくりとしたジャンル分けのイメージだったのだけど、この短篇集は全体を通して、微ホラー+微ミステリ+人間ドラマみたいな印象。ハートフルではないけれど考えさせられたり、浮世離れした設定なのに妙に現実味があったり。
    8篇収録されているけれど、どれも同じくらい面白くて印象にも残った。

    一番ぞっとしたのは「子どもを沈める」。学生時代にいじめに加担した過去を持つ女性が主人公。同じくいじめをしていた同級生3人が次々自分の子どもを殺してしまうという事件を起こし、そのうちの1人から「殺してしまった自分の娘の顔が生田目頼子そのものだった」という手紙が主人公の元に届く。生田目頼子とは、自分達がいじめて亡くなってしまった同級生で、そしてその手紙を受け取った時、主人公は身籠っていた。
    呪いというものは本当にあるのか、それともそれぞれの中にある罪悪感が呪いを生むのか。
    表題作はとても辛くて悲しい物語だけど、主人公の生きる力も同時に感じる。

    1冊で色んな要素を感じられたし、読み物としてシンプルにとても面白くて、あっという間に読み切ってしまった。装丁も好み。

  • たまたま手に取った本だったが、読んでよかった。8つの短編集。忘れっぽい私は短編集だと気に入った話以外、内容が飛んでしまいがちだけど、この本は全て記憶に残っている。
    どの話も残酷だったり悲しい出来事からの展開が多いけど、読み終えた時には小さな光を感じる。何度も涙が出て鼻をグズグズさせながらページをめくった。大切なもの、大切な人を失った喪失感は計り知れない。苦しみながらそれでも人は強く生きていく。

  • この世の理の外にあるものがふっとこぼれ落ちてきたような場面。
    死の影の上で弾んで、影の形を少しだけ変えるような。
    自分と伴侶とまだ幼い子どもにまつわる喪失の物語。
    死は人を苦しめるけど、人の人生に寄り添っている。だから少し、優しいと感じる時がある。

    著者の正体を知り、いやーーーーー納得。
    いやはや寡聞にして知らずでした。名前は何度か目にしてたはずなんやが。
    幽霊の存在がロジックの背骨になってるミステリだと麻耶雄嵩の『名探偵 木更津悠也』が大好きなんだけど、「世界で一番、みじかい小説」にちょっと上書きされたかも。
    「トランシーバー」も良かった。

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著者プロフィール

怪談専門誌『幽』で鮮烈デビュー。著著に『死者のための音楽』『エムブリヲ奇譚』『私のサイクロプス』がある。趣味はたき火。

「2021年 『私の頭が正常であったなら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山白朝子の作品

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