- 本 ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041109052
作品紹介・あらすじ
中学生の娘・沙耶香を病院に見舞った警視庁捜査一課の犬養隼人は、沙耶香の友人の庄野祐樹という少年を知る。長い闘病生活を送っていた祐樹だったが、突如自宅療養に切り替え、退院することに。1カ月後、祐樹は急死。犬養は告別式に参列するが、そこで奇妙な痣があることに気が付く。同時期に同じ痣を持った女性の自殺遺体が見つかり、本格的に捜査が始まる。やがて〈ナチュラリー〉という民間医療団体に行き当たるが――。主宰の謎の男の正体と、団体設立に隠された真の狙い。民間療法の闇を描き、予想外の結末が待つシリーズ待望の最新作!
感想・レビュー・書評
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警視庁捜査一課の犬養隼人には、別れた妻との間に出来た、沙耶香と言う娘がいる。
沙耶香は、腎臓を患っていて、長い闘病生活を送っている。
ある日、沙耶香の病院での友人・庄野祐樹が退院すると聞かされた。
祐樹は、原因不明の難病、慢性糸球体腎炎を罹患していた。
そして、自宅療養後一ヶ月、祐樹が亡くなったと知らされた。葬儀に参列した、犬養父娘が、祐樹の身体に付けられた痣を見つけた。
同じ頃、祐樹と同じ痣を持つ、中年女性の自殺遺体が見つかった。
死因は、病死と自殺。
事件性無しと判断されたが、犬養は、2件の共通点が気になり、捜査する事に。
お決まりのどんでん返し。
後半に「ヒートアップ」の、マトリの七尾究一郎が登場。
他シリーズの主人公が、こういう風にに、ちょい出するのが、好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中山七里
刑事犬養隼人シリーズ第6弾
今回は、民間医療と呼ばれる医学的根拠の無い治療法をテーマに物語が綴られる。
慢性糸球体腎炎を患い、大学病院の治療から自宅療養に切り替えた少年の自殺、
すい臓癌を患い自宅療養に切り替えた女性の自殺、
この2つの自殺者の意外な共通点からある民間医療団体の存在が明らかになる。
更に、
この民間医療団体の代表が殺害、
この治療法で癌が完治したアイドル、
この治療法を受けているという政治家、
いろんな登場人物のいろんな思惑が絡み合い渾然とする事件に犬養はどう挑むのか?
実は、オープニングというか、プロローグというか、第一章を注意深く読み、後から出てくる登場人物の名前に注意を払ってさえいれば、中山先生のミスリードと伏線が理解出来たのでは無いか!と思ってしまいます。
何度もレビューや感想で書いてますが、登場人物の名前覚えるの苦手で・・・
最後になって、なーんだ!そーだよね!となる愚か者です。
とにかく、今回もやられました! -
しまった!
ラスプーチンをググってしまった。
まあ、そこを読めば
自ずから今回の作品の概要がわかってしまった。
が、
そう簡単に読者に悟らせないのが
中山七里の中山七里たる所以。
新興宗教、高額医療、コカインなど薬麻薬問題
せっかくの犬飼隼人刑事お出ましだけど〜
もう一つスッキリしない代わりに
この作品では、犬塚隼人、闘病中の娘沙耶香とのやりとりは辛いがコミュニケーション取れただけ
一歩前進というところ。
病気の子供を持つ親というのはたまらない。
変われるものなら変わってあげたいというのが本心だし
できることはなんでもしたいというのも本音である。
まさか〜が〜されるとは!
最初に登場した汲田姉妹という付箋が引かれてた。
後からどう関係するのかなとは思っていた。
ふーんこうなるんだ。
テーマがテーマだけに
動的なワクワク感と高揚感はなかった。
久しびりの、マトリの「麻薬捜査官」七尾究一郎がお出まし
ここが中山七里作品の面白いところ〜
扱う社会問題はちょっとやそっとでは解決できないがいよいよ世の中は複雑でもっと問題山積みである。やはり意外な方向に行ってしまった。
あまりドキドキ、ワクワクする高揚感はなかったが
こうきたかというところかな。 -
犬養隼人シリーズ。
序盤の幼い姉妹の不幸な境遇から物語は始まり。
少年と女性の不可解な死から浮かび上がった民間医療団体。
そこにおける様々な不審死の謎と影に隠された目的。といった流れ。
序盤から終盤までドラマティック。
どういう結末を向かえるのかと思ったら。
少し唐突で強引な終わり方だったかな。
個人的に同じシリーズと比べて少し消化不良感の残った作品でした。 -
犬養シリーズももう6弾なんですね。
民間医療と標準医療。難しい問題ですね。
テンポとしては読みやすく、最後の展開は早すぎる感じでした。
前作ほどの社会問題を孕んでいるわけではないですが、スッキリとまではいかないのはこのシリーズでは仕方ないのかなぁと思います。 -
標準診療の範囲で厚生労働省が認可した薬剤を使用した場合、社会保険の適用があり、概ね三割負担となるのは周知のとおりです。しかし、厚労省が許認可されていない医療行為については、自由診療となり高額になります。医療と薬学の進歩は、日進月歩で目覚ましい進化だと聞きます。知己のドクターは、常に学会に出席し技術を磨くため日々研鑽に勤しんでいます。
日本が難病指定している病気は、多くの研究者によって病巣を治すため、悪化を遅らせる新薬や外科手術によって、一般の人にも受診できるように認可されつつあると言われています。先端医療といえども、今のところ標準診療に限界があるのは否めませんが、自由診療の中に、いずれ許認可されるものもあるようです。一方民間療法で、末期の患者が治ったという紛らわしい症例もあるようです。
人間には、ある程度自然治癒力があるのは、理解できます。しかし自然治癒力を謳い文句に現状の医化学を攻撃し、何の根拠もない民間診療に、眉唾ものの治療方法があたかも全能だとは思いません。そういう民間療法の妄信者が、巻き起こす騒動が書かれています。
標準診療で治らなかった患者が、藁をも縋る思いで自由診療を受けたくても、支払うお金がないため『あなたが貧乏だから、先端医療が受けられない。貧乏を恨みなさい』って言われたら絶望しかない。
この作品は、謎を隠しているところに気付けば、過程は別にして容易にミステリが解けると思います。それでも納得作品でした。
更なる標準診療のレベルアップを望みます。
主人公犬養と明日香のコンビは板についてきました。中山七里さんの犬養隼人シリーズがおもしろい。
読書は楽しい -
犬養シリーズ第6弾は、「標準治療 VS 自由診療(代替医療、民間療法)」がテーマ。
腎臓疾患で長期入院中の犬養の愛娘(沙耶香)の患者仲間(佑樹)が、大学病院での治療を諦めて退院していった。自宅で別の治療を施すとのことだったが、時を置かずして佑樹は亡くなってしまう。佑樹の遺体には、全身に無数の痣がついていたが、死因とは無関係なものだった。
事件性は乏しいが、娘の言葉に動かされて暴走気味に真相究明に走る犬養。
本作、後半失速気味というか、ドラマが描かれずにあっさりと終わってしまったので、一応のどんでん返しはあるものの、物足りない感のある作品だった。
「ヒートアップ」で活躍したマトリの七尾がチラッと登場したのはちょっと嬉しかった。 -
※
先進医療を信じたことで両親を失った
幼い姉妹の苦しみと悲しみ、心の底に深く
染みついた医療への不信感がラスプーチン
という稀代の怪僧を現代に作り上げ、
復讐を成し遂げようと画策する物語。
姉妹の生い立ちから犬養刑事が奮闘する
時間軸まで空白があって、どんな風に話が
繋がっていくのか読んでいて戸惑いましたが、
最後に一気に畳み掛けるように姉妹の関係と
事件が集約されていく急展開のラストでした。
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もし癌になったら
代替療法でなく
しっかりした病院に頼ったほうがいいと
決意新た。
著者プロフィール
中山七里の作品





