紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆 (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.85
  • (18)
  • (24)
  • (22)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 320
感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109687

作品紹介・あらすじ

ふじさき記念館にインクメーカーとガラスペン作家によるコラボ企画が持ち込まれる。館長の一成は百花に協力を頼むが、「インク沼」と言われるほど人気のカラーインクに百花自身すっかり魅了されてしまう。商品のネーミングに悩む百花。ある夜、母の冬海から百花の父親の遺品である万年筆を渡される。作家だった父との会話を懐かしく思い出した百花は、自分の名前の由来が童謡「春の小川」だと知らされる。そして、企画会議で百花の出した童謡のタイトル案が採用され、カラーインク単独でも商品化され発売されることに! しかし、製造数が上がったことで藤崎の本社の営業部、一成の従兄弟浩介からの横やりがまたしても入り、企画が本社案件になってしまい……!? 紙に書く、思いを書く。そして、伝わる優しい絆。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリーズ3作目。
    今作は百花たちがお正月を母の生家のある長野県飯田市で過ごす様子から描かれる。
    母の実家に帰った百花は、祖母がかつて水引の職人であったことを知る。
    おせち料理をせっせと作る母たちの輪に入れずにいた百花は、祖母が作っていた水引の箸置きを作る手伝いをすることにしたが、いざ水引を結っていくと、その奥深さにはまっていく百花。お正月休みが明ける頃にはみんなで吊るし雛ではなく「吊るし水引」を作成してしまうほど。
    一方、年が明けた記念館では、新たに「物語ペーパー」を作成する準備に追われていた。
    その準備に集まった関係者から、記念館の使っていないスペースを利用し、ワークショップを開くことを提案され、水引のワークショップを開催することに。
    ここでも百花の祖母が活躍し、水引を通じて、いろんな人の心が結ばれていく様子が描かれる。
    「結」とはまさしくこういうことを言うんだなぁ、と感じさせられる。
    最終章では新たにインクの包装箱のアイディアを任された百花たち。ガラスペン、万年筆、既定概念に捕らわれない様々な色のインクに夢中になっていく…
    他の方のレビューにもあったが、一言でいうと、この作品を読むと出てくるものが欲しくなるし、作りたくなる。まさしく「沼」にはまる人の心境そのもの。
    次はどんなものを取り上げるのか、続きが楽しみなシリーズ。

  • いかん、この本を読むと書いてある物が欲しくなる。
    水引にチャレンジしよ。

  • 何の遠慮もなく2人の小姑が子ども連れで盆暮れに帰省してくる習慣が、自分の子どもが社会人になって小姑の子どもが大学生になっても脈々と続いていてお嫁さんが気の毒になりました。
    小姑達は実家に帰省しているのに、お嫁さんが盆暮れに実家に帰らず小姑達のおもてなしの準備をしなければならいことに何の疑問も言及もなかったことにうんざりです。今は令和だよ?
    お嫁さんが用意してくれたお料理を“〇〇家の味になった”と地雷ワードまで飛び出す始末でした。
    実家の建て替えに小姑やその子どもが内心とはいえ不服に思うのにも嫌悪感でした。そこで生活しない人間が介入するなよ、その不服な気持ちは口に出さずともお嫁さんは感じているハズだよ。
    ついお嫁さんの視点になってしまって、話の筋とは関係ないのにげんなりしてしまいました。
    1章がこの内容だったので、1章以降から登場人物達への見る目が変わってしまいました。
    紙やインク等々自分の“すき”をくすぐられる内容なのに、まったくたのしむことができませんでした。
    物語が悪いのではなくて、自分の変化の問題が大きいですが、物語とは関係ないとはいえ当たり前のように“嫁”の役割を強いる描写に令和の時代一考がほしかったです。
    自分の変化によって映画『サマーウォーズ』がたのしめなくなってしまったのと同じ現象なので、問題なくたのしめる人も多いと思います。
    自分はダメでした。本当に残念です。

  • 【収録作品】第一話 結の里/第二話 水引の雛飾り/第三話 カラーインクと万年筆

  • 沼、恐ろし

  • 沼が……ここに……ある!文房具にはまるひとたちの気持ちがわかってしまうシリーズです。おばあちゃんが楽しくすごせてよかったー。

  • 今作もほっこり。今回のキーワードは「結」。人も物も、様々な結びつきがあって初めて生かされる。文字から作品を想像するのも楽しい。このシリーズは中学生くらいで娘たちに読んで欲しいので子ども本棚に並べる。

  • 小説仕立てで和紙や和紙を使った小物、文具等を紹介していく作品。
    若い人にはなかなか馴染みが薄い和紙などの日本文化や工芸を分かりやすく、また楽しく物語にしている。
    今回は水引などの歴史や現代での使われ方やこれからの可能性を描いていたり、ガラスペンとそれに使うインクの話など、今の文具の「流行り」を知ることもでき興味深かった。

  • サブタイトルのカラーインクがメインだと思ったら、ほぼ水引の話で、カラーインクの方は完結せずに終わった。水引も好きだけど、ちょっと長くてもたついたかなぁ…
    ガラスペンとインクなんてステキなセット、私も欲しい。

  • クリエイティブな人たちの話。ものを見て美しいと感じられる心は素晴らしいなぁと思う。生真面目な兄嫁さんに共感。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『銀塩写真探偵 一九八五年の光』がある。

「2021年 『紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ほしおさなえの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
瀬尾まいこ
辻村 深月
砥上 裕將
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×