消えない月 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.61
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本棚登録 : 283
感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109731

作品紹介・あらすじ

彼らは出会って恋人になり、やがて別れた。ありふれた恋のはずだった、彼が”ストーカー”になるまでは。――被害者の恐怖と、加害者の執着。ストーカーの闇を両側の視点から抉る畑野智美流傑作イヤミス!

感想・レビュー・書評

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  • 畑野智美『消えない月』角川文庫。

    ストーカー事件の被害者と加害者の双方をリアルに描いたサスペンス小説。

    典型的なストーカー事件の被害者と加害者。全く救いの無い結末に厭な気分のままに読み終えた。

    主人公の河口さくらは一度地元の松本にある信用金庫に務めるが、顧客の老人男性によるストーカー被害に遭い、退職。上京し、専門学校に通い、マッサージ師となる。さくらは何度かマッサージの客となった大手出版社に勤務する松原と恋人の関係となるが、松原の態度の豹変に別れを決意する。次第にエスカレートしていく松原の行動。

    さくらが密かに都内のアパートを引き払い、松本の実家に戻るも、執拗に追い掛けて来る松原。

    男性の気持ちに流され、自己を余り強く主張しないさくらと自身の異常な性格と執着に気付かず、相手を傷付けることに無頓着な産まれながらのストーカー・松原……

    本体価格840円
    ★★★★

  • 今日購入して読み終えました。
    加害者と被害者の心情をリアルに描かれていて良かった。ストーリーとしても、どんでん返しを期待していたけど予測通りのものでした。ただ、この小説において、どんでん返しを期待したのはわたしの勝手な願望です。どんでん返しがない予測通りの展開だからこそ、リアルだった。

    ストーカーは努力します。警察よりも被害者よりも、努力します。そして運は平等に、努力する者の味方をします。(p358) の一文がとても怖い。
    間違った努力なのに、それでも。事実こういった事件は起きている。
    やるせない、許せない。

  • 良く考えて行動、発言しないと思わぬ事態が起こると思った。文章になると恐怖が伝わる。
    ストーカーの心理を感じる事が出来ます。

  • こ、こわすぎる…
    トラウマになったし、恋愛関係になるかも?ってときに絶対思い出す

  • 畑野智美さんの本作はストーカーがテーマ。
    怖すぎでした。

    被害者の女性、さくらと、ストーカーである加害者、松原、それぞれの観点から物語は進行して行きます。

    女性である私の立場から考えて、一度別れた松原と、周りに迷惑を掛けない為に自分さえ我慢すれば良いと思い再び交際を決意するさくらに違和感
    「いやいや、それをする事で周りにも迷惑が降りかかるでしょ」と突っ込まずにはいられませんでした。

    昔と違いストーカー規制も厳しくなっている昨今でありながら、さくらの毅然としない態度や優柔不断な行動には終始歯がゆい気持ちになりましたが、実際同じ立場になった時、あの松原と言うとんでもない男にどう対処出来るのか、そこはやはり自信が持てないかも知れない。

    人とのコミニュケーションが上手く取れず、家庭環境も決して良いとは言えず、しかしながら常軌を逸する思い込みと妄想、自己中な松原と言う人物は本当にどんなホラーよりも怖かったです。

    読んでいる途中ずっと息苦しく、読み終わった後もどんよりとする後味の悪い読後感となりましたが、インパクトは大で、語弊はあるけれど面白いと思える作品でした。

  • 怖かった。淡々と話が進んでいく。割と序盤から出会い付き合い展開していくので、終わりがどうかなと思ったけど飽きることなくずっとドキドキしながら読んだ。
    淡々と話が進むまま、淡々と書き綴られたラストは、
    こんなに読み流して良いのか!という反面書かれた事実はまさに衝撃で絶望的。
    被害者と加害者の視線で交互に物語が展開されていくのでとてもわかりやすく、一方からの視点では分からなかった意図が補足され紐解かれていく。だけど私は全くもって加害者側の気持ちや視点が理解できなかったし、
    サイコパスとしか捉えようがなかった。
    だけどそのサイコパスを作り上げた背景には納得できたし、それが作者の手によってとても緻密に書かれており読み手からして分かりやすかった。こういうことが本当に起きているんだと思う今、被害者たちをもっと
    守れるべき何かが無いものか、と考える…

  • 衝撃のラスト。

  • 怖い、気持ち悪い…
    何を言ってもわかってもらえず
    自分の考えだけで決めつけられ
    想像?妄想?だけで一方的に話が進んでいく

    愛情を知らず育ったから愛情がわからず
    歪んだ愛情を押し付けられる

    精神的に追い詰められる感じで、物理的な暴力被害は無かったから
    結末は予想外だったけど…

    ただ、さくらにもストーカーにつけ入れられる隙はあったよね
    って思ってしまうかな

  • 怖いわ。
    幸いにもストーカーされたことがないので、何故にもう一回付き合うことになったのか、わからん。
    周りの人たちに迷惑かけるから自分だけが我慢すればいい、ってそんなに強く思うんだ……。
    だって一生モノだよ?

    警察が人によって対応が違うのは、どこでも言えることではあるけど、人命にかかわることだもん、それは困るよ。

    結末が悲惨。
    こんなのイヤ。

  • こわかった。少し長い。

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著者プロフィール

1979年東京都生まれ。2010年、地元の複雑な人間関係のなかで生きる若者たちの姿をいきいきと描いた『国道沿いのファミレス』で第23回小説すばる新人賞を受賞。『海の見える街』では、繊細な筆致でみずみずしい恋愛を描ききり、大きな話題を呼ぶ。新人お笑いコンビの奮闘を描いた「南部芸能事務所」シリーズはいままでにない新鮮な成長小説として人気を博している。他の著作に17歳の女子高生を主人公に揺れ動く気持ちを軽やかに活写した『水槽の中』、若年女性の貧困をテーマにして大きな共感を呼んだ『神さまを待っている』などがある。

「2021年 『消えない月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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