いのちの初夜 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109755

作品紹介・あらすじ

慟哭したし。泣き叫びたし。この心如何せん――。若くしてハンセン病と判断された北條民雄は、絶望を抱え療養所に入る。死と隣り合わせの状況で見つめた「いのち」と「文学」。私小説の金字塔、ついに復刊!

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  • 4.54/101
    内容(「BOOK」データベースより)
    『しみじみと思う。怖しい病気に憑かれしものかな、と―。若くしてハンセン病を患った青年は、半ば強制的に収容施設に入所させられる。自分の運命を呪い、一度は自殺すら考えた青年を絶望の淵から救い出したのは、文学に対する止めどない情熱だった。差別と病魔との闘いの果て、23歳で夭折した著者が描く、力強い生命の脈動。施設入所初日のできごとを克明に綴った表題作をはじめ、魂を震わす珠玉の短編8編を収録。』

    目次
    いのちの初夜/眼帯記/癩院受胎/癩院記録/続癩院記録/癩家族/望郷歌/吹雪の産声/あとがき(川端康成)/北條民雄の人と生活(光岡良二)/解説(高山文彦)/年譜


    いのちの初夜
    (冒頭)
    『駅を出て二十分ほども雑木林の中を歩くともう病院の生垣が見え始めるが、それでもその間には谷のように低まった処や、小高い山のだらだら坂などがあって人家らしいものは一軒も見当たらなかった。東京からわずか二十マイルそこそこの処であるが、奥山へはいったような静けさと、人里離れた気配があった。』


    『いのちの初夜』
    著者 : 北條 民雄(ほうじょう たみお)
    出版社 ‏: ‎KADOKAWA
    文庫 ‏: ‎320ページ
    ISBN ‏: ‎9784041109755

  • まずは文庫化してくれた角川に感謝。

    読み始める前に多少の覚悟をしておかなければならないが、やはり標題の「いのちの初夜」は心を打つ。人間として一度滅び、そして再生する。
    標題作は勿論だが、同じく収録されている「吹雪の産声」も傑作。「いのちの初夜」で打ちひしがれた心もこの作品に一縷の望みを感じる。

    ハンセン病(癩病)が不治の病でなくなった今、この病を身近に感じた事のない全ての人々に読んで欲しい一冊。

    田村書店天下茶屋店にて購入。

  • 表題作をTwitterのフォロワーさんからのお勧めで青空文庫で読み、衝撃を受けて文庫本を買いました。表題作他、「眼帯記」「癩院受胎」「癩院記録」「続癩院記録」「癩家族」「望郷歌」「吹雪の歌声」収録。ハンセン病の凄まじい記録がここにある。迫り来る病魔の恐怖、死への渇望、深い絶望、しかしそれでも生きようとする強い、生命の意志。北條民雄が書いた文学を読むと自分が抱えている悩みなど、取るに足らない、とてもちっぽけなものに思えて恥ずかしくなります。こんなにも生きようとした、生命の生々しい姿を文学で触れたのは初めてかもしれません。読んでいると涙が出そうになります。また「癩院記録」「続癩院記録」はタイトル通り、療養所の内の生活記録であり、この小品はハンセン病の歴史的価値のある作品だと思います。繰り返し読みたい壮絶な文学です。

  • 初めて全文読み、心打たれた。いのち、そして生きるとは…

  • 自らハンセン病を患い、収容施設にて隔離され、その体験を元に書かれた短編集。

    ・いのちの初夜
    ・眼帯記
    ・癩院受胎
    ・癩院記録
    ・続癩院記録
    ・癩家族
    ・望郷歌
    ・吹雪の産声

    ・あとがき … 川端康成
    ・北条民雄の人と生活 …光岡良二
    ・解説 …髙山文彦

    とにかく壮絶です。
    『いのち』とは?『生』とは?『死』とは?
    今までの概念を覆されます。
    この本を世に出してくれた全ての人に感謝。

  • 御涙頂戴みたいな綺麗な文章ではなく全て剥き出しという表現が合ってる気がする。
    作者自身が癩病患者やから一つ一つの言葉が持つ重みが違うし絶望の中で生まれるエネルギーは正に人間を超えている。
    『吹雪の産声』がめちゃくちゃ良かった。

  • 自らもハンセン病と戦った著者が、その病院を舞台にした小説を書いたものです。
    どこまで人間でいられるのか、どこまで生きていなければならないのか考えさせられます。

  • いのちのすがたを、みた。

  • 癩病(ハンセン病)の恐ろしさや当時の世の中を少し知る。
    迫ってくる病状や死の恐怖。生きることとは。

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著者プロフィール

1914年、朝鮮京城(現ソウル)に生まれる。徳島県育ち。29年、上京。文学を志しながら職業を転々とする。23年ハンセン病を発病し、翌年より東村山村全生病院に入院。院内より川端康成に師事し、36年「いのちの初夜」を『文學界』に発表、大きな反響を呼ぶ。37年逝去。享年23歳。

「2020年 『いのちの初夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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