祈りのカルテ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.78
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本棚登録 : 2762
感想 : 189
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109809

作品紹介・あらすじ

諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷(やけど)で刻まれていた。
離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているというが、良太は女性の態度と行動に違和感を覚える。
彼女はなぜか、毎月5日に退院できるよう入院していたのだ――(「彼女が瞳を閉じる理由」)。

初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、循環器内科に入院した我が儘な女優など、驚くほど個性に満ちた5人の患者たちの謎を、新米医師、良太はどう解き明かすのか。

「彼」は、人の心を聴ける医師。こころ震える連作医療ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 研修医の主人公が救急、精神科、外科、皮膚科、小児科、循環器内科と各科を巡り、様々な事情、問題を持った患者たちと触れ合いながら、成長していく連作短編ミステリ。

    ブク友さんの本棚でお見掛けする機会が多かったことと、医療ミステリと言えば知念実希人でしょ。という謎の個人的偏見も相まって手に取った。

    医療研修に励む主人公の諏訪野が、各科で患者と出会い、病気だけでなく患者の背景も含め、しっかりと診て寄り添う姿が、読んでいて気持ちが良かった。

    また、ソフトなミステリ要素を兼ねた謎解きも物語に含まれていて、真相が明らかになっていく展開も秀逸。

    さすが医療業界に携わっている著者の作品だけあり、専門的視点や業務の実態、患者への思いがリアルに描かれていて、読み応えもある読了感だった。

    しかしながら欲を言うなれば、もう少し【黒ミステリ】の要素が欲しかった。

    分かっている。いや、分かっていた。
    そもそも本作品の帯には『5つの謎に涙が止まらない!』と記されていたのだから。

    ヒューマンドラマ好きな私は満たされた。
    ミステリ好きな私が満たされなかったのだ。

    どうやら、ここ数冊のミステリ作品連読によって、今年度の中でもミステリ欲求度がピークに達している模様。

    もっと、私にミステリを。
    ヒリヒリと胸を締め付けられるような、ミステリ作品を、与えたまえ。

    • NORAxxさん
      暗黒書物大好きマンは絶賛愉快な仲間たちを募集中です←

      akodamさんのミステリレビューで幾度となく妄想を繰り広げさせていただいております...
      暗黒書物大好きマンは絶賛愉快な仲間たちを募集中です←

      akodamさんのミステリレビューで幾度となく妄想を繰り広げさせていただいております。ありがとう、ありがとう( 人˘ω˘ )
      是非、今度遊びに来てください!!笑 私の右脳ら辺、空いてます。
      2021/10/09
    • akodamさん
      はーいはーい( ´ ▽ ` )ノ会員NO.1希望します。

      こちらこそ、いつもNORAxxさんのレビュー熱量に魅了させられています。
      せんき...
      はーいはーい( ´ ▽ ` )ノ会員NO.1希望します。

      こちらこそ、いつもNORAxxさんのレビュー熱量に魅了させられています。
      せんきゅー、せんきゅー(*´-`)

      では近々、暗黒餅持参でNORAxx右脳らへんにお邪魔します^ ^
      2021/10/09
    • NORAxxさん
      ガシッ(握手)
      ガシッ(握手)
      2021/10/09
  • 作者が、お医者さんだけあって、医療現場はリアル!
    新米研修医 諏訪野さんの活躍劇になるんかな?
    まだ、研修医なんで、何科に決めるか決めてない。各科での研修が、短編集になっている。
    各科での評価は高いが、ひとりの患者に入り過ぎるのが、欠点でもあり、利点でもある。
    でも、この人の一番必要性とされる科は、医療やなくて、探偵とか刑事やったりして…^_^

    大病院だと、患者一人一人に真摯に向き合ってたら、自分が壊れてしまうんやろな…
    でも、患者側からしたら、そんなお医者さんが良いし…悩ましいところ。

    最後、○○科に決めるんやけど、彼女の担当医という約束を果たした〜!って感じで終わって欲しかったな〜!
    まぁ、充分面白かったし、泣けました〜(T . T)
    この作家さんの本も手元に増えそうな気が…(^◇^;)

  • 心震えた!
    裏表紙の内容紹介どおり、「心を震わす連作医療ミステリ!」
    単なる謎解きではなく、短編連作ながらも自分の好きなヒューマンドラマミステリとなっています。

    本作はエピローグ含む6編からなる短編連作の物語。
    研修医の諏訪野が、それぞれの研修先で患者の謎(患者の想い)を解き明かすハートフルな物語。

    ■彼女が瞳を閉じる理由
    定期的に睡眠薬を大量服薬して、自ら119番して運ばれてくる女性。
    その理由は?いったい何が起きているのか?

    ■悪性の境界線
    80歳の老人に初期の胃がん。内視鏡手術で容易に治療できるはずが、急遽、開腹手術にこだわり続ける老人。
    その理由は?
    そして、医師たちのとった行動とは..

    これ、ちょっとぐっと来ましたけど、倫理的に大丈夫?

    ■冷めない傷痕
    足に大やけどを負った母親。入院後、火傷の範囲が広がっている?
    火傷を負った原因。その想い..

    ■シンデレラの吐息
    喘息発作を再発し、運び込まれた8歳の少女。しかし、管理されている院内でも喘息発作が再発。
    その原因とは?家族の想いとは?

    ■胸に嘘を秘めて
    心臓移植が必要な女優。海外での移植のため渡航費用を集めますが...
    そこには彼女の秘めたる想いが
    これもよかった。
    こんなにうまくいくとは思いませんが...

    ということで、ハートフルな物語。
    お勧めです!

  • 知念実希人『祈りのカルテ』角川文庫。

    エピローグを含む6編収録の連作医療ミステリー。珍しく地元の本屋に置いてあった著者のサイン本。

    新型コロナウイルス感染禍で誰もが経済的にも精神的にも疲弊する世知辛い世の中。そんな世の中にあっても、自らの使命を全うしようと日夜努力を続ける医療関係者には頭が下がる思いだ。そんな医療の現場で働く一人の研修医を主人公にした物語である。純正会医科大学附属病院の研修医として、内科、外科、小児科など様々な科で経験を積む諏訪野良太は患者たちが心の中に抱える闇を解き明かしていく感動の医療ミステリー。

    『彼女が瞳を閉じる理由』。周期的に自殺未遂を繰り返し、救急搬送されてくる離婚歴のある若い女性。ある夜に睡眠薬を飲み、救急搬送されて来るが、良太は女性の態度と右腕の火傷の痕に違和感を覚える。女性が抱える心の闇の正体は……

    『悪性の境界線』。急に初期の胃癌の内視鏡手術を拒否し、開腹手術を希望する老人が心の中に抱える闇とは。結末は倫理的にはかなりグレーだが、老人とその家族が幸せになるならば目を瞑ろう。

    『冷めない傷痕』。足のふくらはぎの火傷で入院して来た女性。何故か入院中に火傷が大きくなり……良太は女性の抱える心の中の闇を炙り出し、解決へと導く。

    『シンデレラの吐息』。喘息の発作で入院して来た女の子。薬を投与したはずなのに、何故か再び喘息の発作を起こす。大人の我が儘の犠牲になるのはいつも子供なのだ。

    『胸に嘘を秘めて』。重い心臓病で極秘裏に入院する傲慢な女優。助かるためには心臓移植しか方法は無いのだが……

    『エピローグ』。そして、研修医の諏訪野良太は自らの進むべき医療分野を決める。

    本体価格640円
    ★★★★★

  • 問題を抱えた患者を救うべく奮闘する、研修医の諏訪野良太。現実にはここまで患者の事情に振り回される病院はないと思うし、医師がそこまで介入することもないと思う。
    けれど、現役医師である著者が書かれているということは、「患者に寄り添う理想」として訴えかけられてる気がして温かい気持ちになれた。
    また、医師としての問題だけでなく、自分の目の前にある本分に、熱意を持って真摯に向き合ってますか、と問われているようでもあった。
    短編で一話があっと言う間に解決してゆく感じは、ドラマを見ているようだった。

  • 知念実希人さんの作品。
    医療系ミステリーでしょうか?

    研修医・諏訪野 良太は、研修医として様々な診療科を巡りながら、患者たちに寄り添いその謎に迫っていく?

    ・彼女が瞳を閉じる理由
    ・悪性の境界線
    ・冷めない傷痕
    ・シンデレラの吐息
    ・胸に嘘を秘めて

    どれも味わい深い作品です。
    特に、彼が診療科を決めるきっかけとなった最後の作品は、決して明かさない胸に秘めた女性の秘密にウルウルです。

    臓器移植という重いテーマであり、最後のシーンに涙が止まりませんでした。

  • 今秋のドラマ化を知り、手に取りました。気になっていた作家さん・知念実希人さんの本を今回初めて手に取らせていただきましたが、すごく読みやすいのと続きが気になるのとで、一気に読み終わりました。続編の『祈りのカルテ 再会のセラピー』も読み始めたいと思います!

  • さらーっと読める。
    医療ミステリということで重い内容を想像していたが、各章が1話完結のお仕事エンタメという感じ。
    あまり読書をしない方でも読みやすいと思う。

  • 舞台は純正会医科大学の附属病院。
    研修医である諏訪野が主人公、カルテを通じて疑問に感じたことを患者の気持ちに寄り添い、見逃しがちな点に気づき真因を解明していく。登場人物は「螺旋の手術室」に出てくる人物も登場する。

    心温かくなる医療ミステリーだった。研修医として様々な科を経験する中で、患者の気持ちを理解しようとする考えや行動は好意的に読める。
    その分、淡々と進んで行くので単調に感じてしまう。過去の作品で同じような内容もあり、目新しさは感じなかった。

    彼女が瞳を閉じる理由は精神科、悪性の境界線は外科
    だが、ムゲンのiの中に出てきたシチュエーションに似ている。
    冷めない傷痕は皮膚科、シンデレラの吐息は小児科だか、病名は天久鷹央の推理カルテのオーダーメイドの毒薬に出てきて初めて知った病名だった。
    胸に嘘を秘めては循環器内科と、諏訪野は経験を積み上げていく。

    最終的に諏訪野は何科を希望するのだろうか?エピローグでわかるが、天久鷹央シリーズで天久と小鳥遊の間でも同じようなやりとりがあるので、それほど興味を駆り立てられなかった。

  • 研修医の先生が患者の不可解な行動の謎を解いていく、連作短編集。

    難しい医療用語もなくてとても読みやすい。
    時々ウルッときて、人間っていいなぁと思える物語ばかりだった。
    ただもっと難解なものを想像して読み始めたので、少し拍子抜けしたかな。


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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『ブラッドライン』、『優しい死神の飼い方』、『天久鷹央の推理カルテ』などがある。

「2022年 『祈りのカルテ 再会のセラピー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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