祈りのカルテ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.81
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本棚登録 : 1130
感想 : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109809

作品紹介・あらすじ

諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。初期臨床研修で、内科、外科、小児科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。その腕には、別れた夫の名前が火傷(やけど)で刻まれていた。
離婚して以来、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているというが、良太は女性の態度と行動に違和感を覚える。
彼女はなぜか、毎月5日に退院できるよう入院していたのだ――(「彼女が瞳を閉じる理由」)。

初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、循環器内科に入院した我が儘な女優など、驚くほど個性に満ちた5人の患者たちの謎を、新米医師、良太はどう解き明かすのか。

「彼」は、人の心を聴ける医師。こころ震える連作医療ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 研修医の主人公が救急、精神科、外科、皮膚科、小児科、循環器内科と各科を巡り、様々な事情、問題を持った患者たちと触れ合いながら、成長していく連作短編ミステリ。

    ブク友さんの本棚でお見掛けする機会が多かったことと、医療ミステリと言えば知念実希人でしょ。という謎の個人的偏見も相まって手に取った。

    医療研修に励む主人公の諏訪野が、各科で患者と出会い、病気だけでなく患者の背景も含め、しっかりと診て寄り添う姿が、読んでいて気持ちが良かった。

    また、ソフトなミステリ要素を兼ねた謎解きも物語に含まれていて、真相が明らかになっていく展開も秀逸。

    さすが医療業界に携わっている著者の作品だけあり、専門的視点や業務の実態、患者への思いがリアルに描かれていて、読み応えもある読了感だった。

    しかしながら欲を言うなれば、もう少し【黒ミステリ】の要素が欲しかった。

    分かっている。いや、分かっていた。
    そもそも本作品の帯には『5つの謎に涙が止まらない!』と記されていたのだから。

    ヒューマンドラマ好きな私は満たされた。
    ミステリ好きな私が満たされなかったのだ。

    どうやら、ここ数冊のミステリ作品連読によって、今年度の中でもミステリ欲求度がピークに達している模様。

    もっと、私にミステリを。
    ヒリヒリと胸を締め付けられるような、ミステリ作品を、与えたまえ。

    • NORAxxさん
      暗黒書物大好きマンは絶賛愉快な仲間たちを募集中です←

      akodamさんのミステリレビューで幾度となく妄想を繰り広げさせていただいております...
      暗黒書物大好きマンは絶賛愉快な仲間たちを募集中です←

      akodamさんのミステリレビューで幾度となく妄想を繰り広げさせていただいております。ありがとう、ありがとう( 人˘ω˘ )
      是非、今度遊びに来てください!!笑 私の右脳ら辺、空いてます。
      2021/10/09
    • akodamさん
      はーいはーい( ´ ▽ ` )ノ会員NO.1希望します。

      こちらこそ、いつもNORAxxさんのレビュー熱量に魅了させられています。
      せんき...
      はーいはーい( ´ ▽ ` )ノ会員NO.1希望します。

      こちらこそ、いつもNORAxxさんのレビュー熱量に魅了させられています。
      せんきゅー、せんきゅー(*´-`)

      では近々、暗黒餅持参でNORAxx右脳らへんにお邪魔します^ ^
      2021/10/09
    • NORAxxさん
      ガシッ(握手)
      ガシッ(握手)
      2021/10/09
  • 知念実希人『祈りのカルテ』角川文庫。

    エピローグを含む6編収録の連作医療ミステリー。珍しく地元の本屋に置いてあった著者のサイン本。

    新型コロナウイルス感染禍で誰もが経済的にも精神的にも疲弊する世知辛い世の中。そんな世の中にあっても、自らの使命を全うしようと日夜努力を続ける医療関係者には頭が下がる思いだ。そんな医療の現場で働く一人の研修医を主人公にした物語である。純正会医科大学附属病院の研修医として、内科、外科、小児科など様々な科で経験を積む諏訪野良太は患者たちが心の中に抱える闇を解き明かしていく感動の医療ミステリー。

    『彼女が瞳を閉じる理由』。周期的に自殺未遂を繰り返し、救急搬送されてくる離婚歴のある若い女性。ある夜に睡眠薬を飲み、救急搬送されて来るが、良太は女性の態度と右腕の火傷の痕に違和感を覚える。女性が抱える心の闇の正体は……

    『悪性の境界線』。急に初期の胃癌の内視鏡手術を拒否し、開腹手術を希望する老人が心の中に抱える闇とは。結末は倫理的にはかなりグレーだが、老人とその家族が幸せになるならば目を瞑ろう。

    『冷めない傷痕』。足のふくらはぎの火傷で入院して来た女性。何故か入院中に火傷が大きくなり……良太は女性の抱える心の中の闇を炙り出し、解決へと導く。

    『シンデレラの吐息』。喘息の発作で入院して来た女の子。薬を投与したはずなのに、何故か再び喘息の発作を起こす。大人の我が儘の犠牲になるのはいつも子供なのだ。

    『胸に嘘を秘めて』。重い心臓病で極秘裏に入院する傲慢な女優。助かるためには心臓移植しか方法は無いのだが……

    『エピローグ』。そして、研修医の諏訪野良太は自らの進むべき医療分野を決める。

    本体価格640円
    ★★★★★

  • 問題を抱えた患者を救うべく奮闘する、研修医の諏訪野良太。現実にはここまで患者の事情に振り回される病院はないと思うし、医師がそこまで介入することもないと思う。
    けれど、現役医師である著者が書かれているということは、「患者に寄り添う理想」として訴えかけられてる気がして温かい気持ちになれた。
    また、医師としての問題だけでなく、自分の目の前にある本分に、熱意を持って真摯に向き合ってますか、と問われているようでもあった。
    短編で一話があっと言う間に解決してゆく感じは、ドラマを見ているようだった。

  • 研修医の先生が患者の不可解な行動の謎を解いていく、連作短編集。

    難しい医療用語もなくてとても読みやすい。
    時々ウルッときて、人間っていいなぁと思える物語ばかりだった。
    ただもっと難解なものを想像して読み始めたので、少し拍子抜けしたかな。


  • さらーっと読める。
    医療ミステリということで重い内容を想像していたが、各章が1話完結のお仕事エンタメという感じ。
    あまり読書をしない方でも読みやすいと思う。

  • 見取りのカルテと神様のカルテなど本の名前は似ていたが、患者に向き合いかたも全く違う形だった。研修医とは思えない洞察力も諏訪野良太の魅力に感じる。続編が出るのを期待したい。

  • 5編の短編集から織り成される物語
    様々な科で巻き起こる5人の患者とそして謎
    色んな患者がいるなぁと
    私は5つ目の『胸に嘘を秘めて』が好きかな
    病と闘い、周囲と闘い、そして他者の命の為に
    とても素敵な女優さん

    主人公の諏訪野君、お医者様よりも探偵業が向いてそうと思ってしまう笑
    色んな科の様子も覗けたりして面白い
    とても読みやすくてあっという間に読了してしまった
    涙は…出なかったかなぁ苦笑

  • 科によって関わる病気は様々ですが、人の心もその数だけ違う。
    患者さんの不可解な言動に向き合い、その隠された心を読み取る研修医。
    こんな素敵な医者が現実にもいればいいのにと思ってしまいます。

    医師であり作家である知念さんの作品だけあって、医療現場がとてもリアル。
    臨場感があって引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。
    ミステリとしてもとてもおもしろかったです。

  • 主人公の勘がいい笑
    すごく読みやすいです。
    医療ミステリー?なのかな?
    難しくもなくサラッと読めました。

  • ここまで患者のことを考えて下さるお医者さん、なかなかいないと思うし、実際、申し訳なくてそこまでは…って気もするけれど。

    極端なドラマばかりではあるが、丁寧に描かれていて心に響いた。

    諏訪野先生の今後に期待します。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』など著書多数。今もっとも多くの読者に支持される、最注目のミステリー作家。

「2021年 『硝子の塔の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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