- 本 ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041110188
作品紹介・あらすじ
赤穂の田舎侍が――。元禄十四年、赤穂藩主・浅野内匠頭は江戸城・松の廊下で吉良上野介に対し刃傷沙汰を起こし、即日切腹の裁定が下される。赤穂藩士は堀部安兵衛ら急進派が目論む吉良への仇討ちとお家再興の間で揺れ動く。双方の志と痛みを受け止めた家老・大石良雄は全てを擲つ覚悟で、訪れるであろう復讐の時を待っていた。そして明らかになる良雄の周到な計画と、時代を超えた復讐の狙い。良雄の計画を影で支える四十八番目の志士の正体とは? 日本史上最も有名な復讐劇を独自の視点で描き切った時代長篇、完結!
感想・レビュー・書評
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うわー。
大石内蔵助すごいな。
犬公方と柳沢に対してはどんなことをするのかと思ったらなるほど。
すごいなぁ。
なんと用意周到な。
切腹になるのはわかってるのに、なんだか違う結末になるのではと思ってしまうほどの、赤穂浪士の人気というか忠義がすごかった。
悲しいお話なのに、読了感は爽やか。 -
誰もが知っている『忠臣蔵』を、
大石内蔵助という1人の家老の生涯を、
とても丁寧に、
最後の最後まで丁寧に描かれた作品でした。
起こることが分かっているのに、
凄く興味深く読み進めていました。
そして、
なんて深く、なんて綺麗に、
なんて素晴らしく描かれているんだろうと、
著者の伊集院静さんに、感動しました。
***ネタバレ***
討ち入りをはたし、
内蔵助をはじめとする赤穂義士たちが、
切腹すると分かっているのに、
いや、分かっているからか、
切腹の日の早朝、
内蔵助と家臣の吉田忠左衛門が、
預けられていた細川家の屋敷の庭で、
「ようやく、我らも赤穂へ帰ることができます」
「誠に、さようでございますな。我らの殿がお待ちになっておられる赤穂へ・・・・・」
と汐の香りを感じながら言葉を交わす場面、
そして、
別のお屋敷で内蔵助の嫡男・主税が、
切腹のため名を呼ばれ、
傍らに座していた堀部安兵衛が、
「主税殿、私もすぐに参ります故」
と微かに笑って声を掛ける場面、
大野九朗兵衛が、雪深い米沢で、
介錯なしで切腹したと知った場面は、
たまらず涙がでてきて、
余韻に残る、暫く忘れる事のできない、
印象深い場面となりました。 -
大石良雄の人望の厚さと討ち入りに向けて着々と準備が進む様子が見事に描かれ、読後は清々しさを感じました。
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下巻も読み応えありました。江戸時代の武士道精神を堪能しました。大石内蔵助が最期に描いた想いが、今に残るのは、文楽や歌舞伎の仮名手本忠臣蔵の元になった近松門左衛門作の碁盤太平記。その成立が面白い。
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海外の書棚にあり、読みたいと思った
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足軽に次席家老が手をついて礼を言う。
そこがクライマックスかな。 -
ご存知、忠臣蔵。大石内蔵助中心のストーリーながら、副家老の大野さんが泣かせる。用意周到な準備と覚悟。泣かせどころ満載。
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大石内蔵助の幼少期から若くして筆頭家老になり、討ち入りに至るまでの生き様凄みを改めて知った。「生きるは束の間、死ぬはしばしのいとま」良き言葉なり。
著者プロフィール
伊集院静の作品





