竜とそばかすの姫 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.46
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  • (3)
本棚登録 : 645
感想 : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041110560

作品紹介・あらすじ

高知の田舎町で父と暮らす17歳の高校生・すずは、幼い頃に母を事故で亡くし、現実世界では心を閉ざしていた。ある日、親友に誘われたことをきっかけに“もうひとつの現実”と呼ばれるインターネット上の超巨大仮想空間〈U〉に「ベル」というアバターで参加することに。ずっと秘めてきた比類なき歌声で瞬く間に世界中から注目される歌姫となったすず(ベル)は、〈U〉の中で「竜」と呼ばれ恐れられている謎の存在に出逢う。凶暴ながらもどこか孤独な竜との出逢いをきっかけに、すずは自分の中にある迷いや弱さと向き合っていく――。歌が導く奇跡の出会いと成長の物語!

感想・レビュー・書評

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  • さすが細田作品
    【夏休み!!】って感じ
    サマーウォーズと同じ様にネット社会がテーマ

    凄い大事な事、今の人間に足りてない事を描いていて良かったです

    でも、終わり方や 話の片付けかたが個人的には
    気持ち悪かったです
    【竜のその後どうなったか】
    【ネット社会で正体を晒した鈴(ベル)はどうなる?】
    【そのネット社会にその後変化はあったのか?】
    ここら辺が解決してないので…んん…となった

    細田作品ではサマーウォーズ、時をかける少女が自分は好きですが
    それを越えなかったかなぁ…って感じです

  • 小説よりもやはり映像で見たほうが良さそうな作品。
    映画は見に行ける予定がなく本を手に取ったが、歌唱シーンなどはやっぱり映像のほうが勝るだろうなあと。
    小説では、現実では地味で静かな女の子が、急にUの世界で歌いだして(どういう歌声、曲調なのかは描かれていない)、いきなりフォロワーが爆増して有名になるような描写なので、これは映像ありきな作品だなと感じた。

    誹謗中傷と応援メッセージでまみれるUの世界。
    インターネットのSNSと同じだ。
    少しでも有名になれば、フォロワーが増えれば、それだけアンチも増える。
    みんな匿名で、本当の姿かたちは画面上ではわからない。
    「私刑」、そして、自分本位の誤った「正義」とやらを振りかざす人々。
    ただ他人を屈服させたいという「正義」。

    そんな被害者を「救う」には、やはりリアルでの手段が必要になる。

    サマーウォーズの仮想空間はそう考えると平和な世界だったなあ。
    竜とそばかすの姫は、社会派で現代の問題を題材にしていた。

    「あの人」はなぜ、ベルが鈴だとすぐにわかったんだろう。
    「50億分の1」とはいえ、案外近くにいるものだなと(遠すぎたらお話にならないもんね…笑)

    そして細田守監督作品、ほんっとにクジラがよくでるなあ…

  • 「アンリアレイジ」22年春夏パリコレは「竜とそばかすの姫」の世界で発表 初のNFTコレクションも | WWDJAPAN
    https://www.wwdjapan.com/articles/1266974

    「竜とそばかすの姫」 細田 守[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322010000441/

    「商品のパッケージ変更に伴い、掲載画像とは異なったデザインの商品が届く場合がございます。あらかじめご了承ください。」ですって、、、

  • 「U」はもう1つの現実
    「As」はもう1人の自分
    現実はやり直せない
    でも「U」ならやり直せる
    このフレーズが好き。

    歌う場面が多いから、映画で見た方がより楽しめるかも。サマーウォーズと似てる気がする。

  • 普段は映画より本で読む方が好きだけれど、この竜とそばかすの姫は映像がきれいで歌もあるので映画で見るほうがいいと思う。

  • ラストに向けて涙がこぼれっぱなしだった。
    独りの女の子が、泣きじゃくっていた女の子が立ち上がり拳を握りしめ涙を拭って顔をあげ、再び歌い始めるまでの物語。
    新しい自分に翻弄されながらも「自分」を取り戻してゆく。
    インターネットの世界は、今や現実と地続きと言っても過言ではないと感じている。
    わたしはどこにも顔を出していない。
    素顔をインターネットの世界に流すなど怖くて出来ない。
    それは自分の手を離れてどこへ流されてしまうのかわからない、どれほどの大きさになってしまうのかわからないからだ。
    その中で素顔を明らかにしてひとりの人の元へ走ることを決めた鈴はすごい。
    「すごい」なんて言葉では相応しくないほどに。
    全ては最初にこめられていたのだ。
    あの、『U』からのメッセージに。

  • 細田守監督映画『竜とそばかすの姫』の小説版。

    高知の田舎町に住む鈴は、平凡で内気な女子高生。容姿にも自信はなく、顔のそばかすを気にしている。
    昔は歌を歌うのが大好きだったが、子供の頃、母親を亡くして以来、心を閉じてしまい、人前で歌うことができずにいる。
    そんな鈴だが、友達のヒロちゃんに「U(ユー)」というインターネット空間を教えてもらう。そこでは「As(アズ)」という分身(アバター)を作り、別の自分として存在することができる。
    鈴は自らのIDを「ベル」とする。
    アップロードした写真から、「U」のAIが自動作成した画像は、同じ学校のアイドル的存在、ルカちゃんに似ていた。ルカちゃんと一緒に写った写真を使ったからかもしれなかった。でも顔にはちゃんとそばかすがあった。
    鈴は、いやベルは、「U」の中でなら歌うことができた。個性的で魅力的な歌に、「U」に集う「As」たちは夢中になった。
    「U」はボディシェアリング技術を使って、ユーザーの隠された能力を引き出すことができるプラットフォームだった。歌いたいけれど歌えずにいた鈴の望みと才能を見事に花開かせてみせたのだ。
    ヒロちゃんのプロデュースの力も借り、ベルは瞬く間にフォロワーを増やしていった。
    最初は、鈴=ベル(Bell)の意味でつけた名前だったが、いつとはなしに、他の「As」たちからは、フランス語の美しい(Belle)の綴りがふさわしいと言われるようになった。
    世界中でファンが増えるにつれて、疑問も膨らんだ。
    「Who is Belle?」-ベルって誰?

    ベルの大規模なライブが行われた時、闖入者が現れた。
    「竜」と呼ばれる「As」。「U」の武術館に現れては、汚いやり方で勝ち続けているモンスター型「As」だった。荒々しく粗暴で、嫌われ者。「U」の平和を守るジャスティスたちに追われている。
    ベルのライブがめちゃくちゃにされたのは、ジャスティスに追われた竜が転げ込んだためだった。
    竜の正体が何なのかも「U」の大きな関心を集めていた。
    ジャスティスは正体を暴く「Unveil」の技術を使って、竜を丸裸にすると息巻いている。これを行うと、現実世界の姿がさらされ、もう「U」に存在することはできなくなるというのだ。

    ベル(鈴)は、竜が単に悪いやつだとはどうしても思えない。それは自分もまた現実とはまったく異なる仮想を生きているからかもしれなかった。
    ベルは竜の城を探して「U」の中をさまよう。
    やっと見つけた竜と鈴の間に通うものは。
    そして彼の現実での正体とは。

    ・・・いや、これはなかなかすごい。
    細田の過去作品『サマーウォーズ』も思い出させるような仮想空間がとにかく魅力的。小説でこうであれば、映像作品ならさぞかしと思わせる。
    美しい(歌)姫とケダモノという取り合わせは、(ベルという名からしても)まるっきり「美女と野獣」なのだが、さて、それぞれには別の現実の姿があって、というのがミソ。
    ただ、鈴は確かにつらい経験もしていて、父との仲もぎくしゃくしているのだが、実際には頼りになる友人もいて、初恋の男の子もいて、鈴に密かに思いを寄せる別の子もいて、さらには母の旧友たちが鈴を見守ってくれていて、と、とにかく「恵まれて」いる。この甘さには、ちょっと都合が良すぎると感じなくはない。

    とはいえ、仮想空間と現実がまったく切り離されるのではなく、仮想の世界のつながりが現実の苦悩も救うのだ、というストーリー展開には希望も感じるし、著者の願いも込められているように思う。
    誹謗中傷があったり、無責任な噂が飛び交ったり、仮想空間にはさまざま問題がある。けれども、便利なことには間違いないし、使いようによっては、実際に現実を支えるものにもなるはずだ。

    ミュージシャンの中村佳穂が声優を務めることでも話題を呼んだ。
    本作はいずれ、映画を見たい。

  • 207冊目読了。
    映画はまだ観てないけど音楽は聞いてるのでここかぁって思いながら読み進めた。
    今のSNS時代にもあてはまる状況で、リアルが見えないことで変われるもの、隠れ蓑に覆われることで傲慢・誹謗に走るもの、正義を振りかざすもの、さも自分の考えが正しいと心ない発言をするもの。
    それでも読んでて後半鈴の行動にジーンときた。
    映画観たくなってきた!

  • 今までの細田作品の感想と同じになってしまいますが、物語としての出来は別として小説としてはいまいち。もっと小説なりのエピソードがあったり、映画とは違う視点があってもいいと思うんだけどね。でもだんだん上手くなってるかな。
    「竜とそばかすの姫」は映画は公開日に観ました。世間が求める細田作品だと思いますが、ベルが竜に入れ込んでいくきっかけが、もう一段描かれてもいいかなと思いました。

  • 富山出身の細田監督の高知県の話だった。
    母を失い、歌声を失ってしまった少女。けれど、バーチャルの世界では、自分でも意識しない瞬く間に歌姫になっている。
    「サマーウォーズ」と比較されてしまうのかもしれない。あの「オズ」の世界と。サマーウォーズも、ヴァーチャルがインフラをも制御しているような世界で、なお、最後はリアルな対面のつながりが世界を救う物語だった。本作でも、一番の見せ場は”アンヴェール”する場面だろう。匿名性を剝がされてもなお、ただの一般人が注目を浴びるということが、本当に起こるかはさておき、鈴は確かに最初から最後まで、歌をたくさんの人に聞いてもらいたいとは思っていなかった。最後に救われるのも、世界ではない。それに、家族でもない。
    最後の対決?の場面も、あえて、シンプルな人と人とのやり取りにしたのではないかとも思う。ネット空間で不特定多数を巻き込んでの大団円を意図的に避けているようにも思える。そのことを、盛り上がりに欠けると指摘することもできる。でも、竜をアンヴェールし、かつ救う(救えたと思いたい)ことが出来たのは、関係ない多数ではなくて関係のない無名の1人だったということなのか。
    現実の自分の潜在的な心の痛みとか、内にある能力みたいなものをアバター化してくれる機能があるのは面白かった。また、「U」では誹謗中傷に負けずに真価が正しく評価される…ような描写もあった。ほんとにそんな理想的な機能なんてできるはずないとも思ったが。。
    リアルでは負け組で、バーチャルでは無双に活躍するなんてこと、あまり素直には信じられない。私はリアルで人と話すのは苦手だし、ネットで人と仲良くなるほうがたぶんその1万倍は難しいと思っている。
    けれど、この物語は、サマーウォーズのような派手さがない分、鈴の等身大の物語という気がして、身近に感じることができた。
    これからも同郷の細田さんの作品にはずっと触れていきたいと思った。

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著者プロフィール

1967年富山県生まれ。91年東映動画(現・東映アニメーション)入社。アニメーターおよび演出として活躍後、フリーに。『時をかける少女』(2006年)、『サマーウォーズ』(09年)を監督し、国内外で注目を集める。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。監督・脚本・原作を務めた『おおかみこどもの雨と雪』(12年)、『バケモノの子』(15年)はいずれも大ヒットとなり、『未来のミライ』(18年)ではアニー賞を受賞、米国アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされ世界中で注目を集めた

「2021年 『角川アニメ絵本 竜とそばかすの姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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