断罪のネバーモア

著者 :
  • KADOKAWA
3.42
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本棚登録 : 501
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041110768

作品紹介・あらすじ

度重なる不祥事から警察の大改革が行われた日本。
変革後の警察にブラックIT企業から転職した新米刑事の藪内唯歩は茨城県つくば警察署の刑事課で警部補の仲城流次をパートナーとし殺人事件の捜査にあたる。
刑事課の同僚たちの隠しごとが唯歩の心を曇らせ、7年前の事件が現在の捜査に影を落とす。
ノルマに追われながらも、持ち前の粘り強さで事件を解決した先に、唯歩を待ち受ける運命は――。
リアル警察小説と本格ミステリの2重螺旋! 白黒が全反転する奇跡の終盤に瞠目せよ!!

感想・レビュー・書評

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  • 控えめにいって最高!警察小説×本格×社会派×特殊設定のコラボ&バランスが見事。超鮮やかなミステリー!

    凄い、めちゃめちゃ面白い。圧倒的に★5
    単に各ミステリー要素を組みあわせただけでなく、それぞれの相乗効果で倍々ゲームで面白くなってると思います。

    ストーリーの設計が良くできていて、中終盤からが超鮮やか。序盤での作戦にしっかりハマりましたよ。なにより、お話として”綺麗” で好き。

    また主人公の唯歩が可愛すぎて卑怯! 仲間達のハードボイルド&怠惰ぶりがリアルで怖い。キャラクターが生き生きとしているところも、本作の読みどころですね。応援したくなっちゃう。

    肝心の真相解明はいつもマリア&漣シリーズでやられっぱなしなので、なんとか推理を働かせたかったですが、本作も難易度は高かったよ…うう

    そして本作の根幹となる特殊設定ですが、まさに社会問題をえぐるテーマですね。現代に生きる我々は意識しなければならない課題で、良い問題提起だと思いました。おさえておきたいポイントです。

    終始ベタ褒めですが、感動レベルの一冊でした。警察小説がベースですが、ミステリーをこよなく愛す人にはブスリと心に刺さるはず。おすすめです!

  • 2022/12/08読了
    #市川憂人作品

    警察小説。
    民営化された警察に所属する
    ワーカホリックな新米女子唯歩と
    やる気のないベテラン男仲城のバディ。
    アルファベットを刻まれた遺体の
    連続殺人事件の謎を解く。

    市川作品では少し異色な感じがしたが
    すごい良かった。
    近未来的な要素や警察の民営化という
    アンリアルな世界線も面白い。

  • ❇︎
    ジェリーフィッシュは凍らない
    ブルーローズは眠らない
    グラスバードは還らない
    ボーンヤードは語らない

    ここで嵌った市川優人さんの新作

    結末が気になり、一気読み。
    惑わされましたが、そこもまた良かった。

    表紙の絵も素敵です。

    ーーーー
    警察が民営化された社会が舞台。

    同僚の足を引っ張っていると悩みながら、
    刑事課で必死に職務取り組む籔内唯歩(ゆいほ)。

    先輩兼監督役の仲城からの指導もなく、
    仕事が遅い唯歩は検挙数が増えず、
    署長からも散々嫌味を言われていた。

    そんな中で殺人事件が発生するが、
    捜査は瞬く間に行き詰まってしまう。

    唯歩の閃きがきっかけで捜査は思わぬ方向に
    進展してゆくが……。

    現在と過去の事件が思いがけない部分で交錯し、
    警察組織の深い深い深部に迫る。







  • 民営化された警察組織でブラック企業から転職した主人公がやる気なさげな先輩とともに事件を解決していく警察小説

    普通に事件が起きて解決していく警察小説かと思いきや民営化された警察??なんかその時点で面白そうな匂いプンプン丸やん!

    ミステリーのいろんな旨味がいっぱい味わえる4章構成の物語になっていて後半の怒涛の伏線回収が面白すぎて最高!

  • マリア&漣シリーズとは違った味わいのバディもの。舞台は2022年、パンデミック下の日本だが、現実と異なる警察組織が治安維持に努めている世の中。個々の事件は単純。これまでのような大胆なトリックもないけれど、終盤のサスペンスフルな展開と伏線回収が圧巻。〝ラスボス戦〟は息を呑んだ。今後唯歩&流次シリーズ、となるのかどうか。

  • 【収録作品】プロローグ/第一話 宴の後/第二話 真夜中の略奪者/第三話 ストーム・クロウ/第四話 断罪/エピローグ
    警察が民営化された世界での謀略もの。サイコパスの真犯人は捕まるが、後を引きそう。でもこういうのは苦手だなあ。気持ち悪くて。

  • 大どんでん返しがあると聞いていたが、そういうことか。
    警察は新人といえどミスをすると1人の人生を狂わしてしまう可能性があるのが辛いところ。
    脇役も相棒も含めて、みんないいキャラしてたので続編希望。もちろんその際はあの殺人鬼も再登場願いたい。

  • 警察を民営化したらどうなるか?という点から始まる、仮想近未来型ミステリ。
    前半は、警官バディもの。後半は、社会派エンタメど真ん中の展開。面白いですし、連作の伏線回収も「medium」のような同じ事件の解決をやり直す展開も熱くてよいのですが、政治メッセージが強すぎて辟易する。
    警察民営化として露呈する問題点が、上級国民への配慮、優遇というのは、流石に捻りがないと感じた。これは、東野圭吾さんの「プラチナデータ」のほうが上手いなと感じました。

  • 「民営化された警察組織」という設定が新しい。
    現実の警察でも、警視庁を「本店」所轄署を「支店」と呼んだりするので、最初はそういう警察用語のことかと思っていたら、本当に本店と支店だった。

    民営化、つまり一般企業なので、さまざまな前職経歴を持つ転職者がいたりする。
    主人公の藪内唯歩も転職して警察官になったうちの一人で、前職はIT系。その会社がブラック企業で心身を壊し退職した過去がある。

    全体の構成としてはそれぞれの事件発生から解決までを描く短編がいくつか入っているのかな、と思いきや……確かにところどころ、変だなと思うところがあったのよね、と読み終わってからその仕掛けに気付いた。
    創元推理文庫の〈漣&マリアシリーズ〉にも見られるように、各々のキャラクターが立ち、面白かった。そのうち映像化されそう。

  • 警察小説と本格ミステリの組み合わせ方がうまい。
    特に第三章以降の勢いがすごく、そこから面白さのギアがもう一段あがった感じ。一部、犯人の行動に納得いかないところも残ったが、全体的にロジックが端正で話の意外性も楽しめたので本格ミステリ好きの人にはおすすめ。シリーズ化するのだろうか。

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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