- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784041111123
作品紹介・あらすじ
【第13回 新井賞受賞決定!】
切ない事情を持ち寄って、不器用な四人が始めた同居生活。
ギャンブルに溺れる父と働きづめの母から離れ、日々をなんとなく生きる二十歳の章介。北国のキャバレーで働きながら一人暮らしをする彼は、新しいショーの出演者と同居することになった。「世界的有名マジシャン」「シャンソン界の大御所」「今世紀最大級の踊り子」……店に現れたのは、売り文句とは程遠いどん底タレント三人。だが、彼らと言い合いをしながらも笑いに満ちた一か月が、章介の生き方を変えていく。『ホテルローヤル』『家族じまい』著者が放つ圧巻の人間ドラマ! このラストシーンは、きっとあなたの希望になる。
感想・レビュー・書評
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ずっと気になっていた桜木紫乃さん
レビューを参考に選んだのは、この作品です
もう面白過ぎて、何度も不適な笑みを浮かべてしまいました笑
まずは、この場末感満載、昭和臭がプンプン漂うカバー絵、更に金ピカの帯
そして何と言っても、このタイトルに照れてしまいます(^^;;
『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』
俺・・・章介
師匠・・・自称世界的有名マジシャン
ブルーボーイ・・・自称シャンソン界の大御所
ストリッパー・・・自称今世紀最大級の踊り子
北海道釧路にあるキャバレー「パラダイス」で働く章介
そこに新しいショー参加のマジシャンと歌手とダンサーがやって来て、一ヶ月期間限定の4人の奇妙な共同生活が始まります
一見、バケモノの集まりか?仮装大会か?と目をひん剥いてしまいそうな3人ですが、中身は苦労して来ただけあって大人で、温かいんです
極東の凍える様な寒い地を背景に、どん底を味わって来た4人の笑いに満ちた濃厚な一ヶ月間が、章介の生き方を変えようとします
もう、4人とも好き!
友達になってくーださいっ
桜木紫乃さんの他の作品も、独特の世界観なのでしょうか?
また踏み込んでみようかな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桜木さんはオール讀物等の連載で読んでいるが、単行本でのブクログは初登録。
作者を調べると、主婦の後に作家となり、趣味がストリップを観ることとあった。釧路のラブホテルが実家の家業で高校時代に手伝っていたとも。
この作品は昭和の時代の釧路のキャバレーを舞台にしたもので、12月に巡業に来た3人の表題のタレント達と主人公の心温まる交流を描いたもの。
厳冬期にキャバレーのボロボロの寮で4人が肩を寄せ合い生活する。皆んな訳ありの人達。
主人公は20才でアルバイト暮らし。世間知らずであり、親との縁も薄い。濃厚な4人での生活で徐々に人生がわかって来る。巡業のため、4人の生活も一月ほど。やがて、別れがやって来る。
最後に主人公のその後が描かれているが、ほんのりと明るいエピソードが描かれ、心を癒される。 -
父母と離れ、北国のキャバレーでアルバイトをして日々を無益に過ごす20歳の主人公・章介。そんな中に現れた、どん底タレント3人との1ヵ月の共同生活の模様が描かれた作品。
アルバイトでありながら急遽照明係に命じられた名倉章介、『師匠』と慕うマジシャン・チャーリー片西、シャンソン歌手の『ブルーボーイ』ソコ・シャネル、踊り子『ストリッパー』フラワーひとみ、の4人の物語がとても面白く、でも少し物悲しかった。 -
釧路のキャバレーで働く二十歳の章介。
ある日、寮の部屋の前に父親の骨壷が置かれていた。置いていったのは母親‥‥出だしからインパクトが凄すぎる!
キャバレーの下働きをしながら淡々と日々を過ごしてきた章介。目覚まし代わりにラジオをセットする。誰とも喋らない毎日だから、人間の声を聞くためにラジオを聴いている。
物語の序盤は、昭和の場末のキャバレー‥‥北海道の厳しすぎる寒さ‥‥と、なんだか寂れた物哀しいお話なのかと思っていました。なんとも言えないこの懐かしい感じ、あ!昔よく観た角川映画みたいなんだ!なんて思って確認してみるとやっぱり角川書店‥‥て、関係あるのかな?(歳がバレる 汗)
しかし!ある日キャバレーにやってきたマジシャンとシャンソン歌手と踊り子のお陰で章介の毎日が変わる。同じ寮に住み込むのだけれど、いつの間にか章介の部屋でみんなで暖を取り食事をするのが当たり前になっていて、毎日どんちゃん騒ぎ。もう角川映画の雰囲気はまるでなし。
章介も「笑い声が響く部屋で、なにやら幼い頃に過ごしたアパートの数少ない親子らしいひとときを思い出し」たりして。
でも、マジシャンたちの契約の期間は決まっていて、いつかこの生活に終わりがくることを章介同様読者も心の片隅では気付いていて、楽しければ楽しいほどなんだか切ない。
みんなで暮らしたのはほんのひと月のことだけれど、この間の章介の心の成長ぶりが文章にも現れているような気がしました。
酸いも甘いもの噛み分けた人たちのあったかいお話でした。 -
桜木紫乃さん4作目
昭和の北海道、場末の夜書かせたら抜群ですね♪
ラブホテル、ドサ回り、ゲイボーイ…
そして今作はキャバレー‼︎
あのシャンデリアのある昭和のゴージャス感笑
タイトル良いですね〜♪
部屋とYシャツと私 みたいな笑
俺(主人公)
師匠(自称ラスベガス帰りのマジシャン)
ブルーボーイ(ゲイのシャンソン歌手)
ストリッパー(実は50歳)
キャバレーに出演する為に地方からやって来た3人と20歳の俺との短いけれど最高の同居生活がはじまった。メチャクチャだけど最高の3人と過ごした時間が俺をちょっとだけ変えてくれた…
ラストの再会に感動‼︎
笑って泣ける良い作品でした\(//∇//)
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ミヒロさんおはよ〜\(//∇//)
本当にこの人の作品ってジワ〜っとくる♪
師匠は小日向さんかな笑ミヒロさんおはよ〜\(//∇//)
本当にこの人の作品ってジワ〜っとくる♪
師匠は小日向さんかな笑2023/04/14 -
2023/04/14
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しずくさん♪おはようございます(^^)
桜木さんの作品は読むと子供の頃からの事を思い出して懐かしさでグッと来ます。
ストリッパーの作品も読み...しずくさん♪おはようございます(^^)
桜木さんの作品は読むと子供の頃からの事を思い出して懐かしさでグッと来ます。
ストリッパーの作品も読みたい♪2023/04/14
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北国のキャバレーが舞台って、めちゃくちゃ昭和っぽいなと思って読んでいたら、まさにその時代の物語だった。
タイトルにもなっている4人の暮らしはたった1ヶ月間なのに、とにかく濃密。
やってること、出来事はなかなかぶっ飛んでいて笑えるものばかりだけど、なぜだか物悲しさがつきまとう。
それぞれが抱えているものがチラチラ見えてしまうからだろうな。
ラストの数ページは個人的にはなくてもよかった気がしたけど、その後どんな話をしたのか知りたい。 -
愛おしさがつのる一冊。
好きだ。
このタイトルをリフレインするたびにこの物語へのこの四人への愛おしさがつのる。
マジシャンと歌手とダンサー。この三人と俺とのわずか一か月の共同生活。
真冬の厳しい寒さと人生に哀愁を感じながらも絶え間なく笑いと人の温もりが心に降り積もる。
何度シャネルたちの掛け合いに和んだだろう。何度、気付きと温かい言葉と涙をもらっただろう。
それこそが何よりの暖、温もり。
俺と一緒にそれを感じるたびに心の奥が幸せ感で満たされた。
出会いがあれば別れもある。
一期一会、かけがえのない出会いと時間は人生の宝。 -
桜木紫乃さんは初読みの作家さん!
『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』
釧路のキャバレー「パラダイス」を舞台に
二十歳で下働きをしている主人公の名倉章介と、
師走の1ヶ月間巡業でやって来た
「世界的マジシャン」ことチャーリー片西
「シャンソン界の大御所」ことブルーボーイのソコ・シャネル
「今世紀最大級の踊り子」ことフラワーひとみ
の四人が縁あって共同生活を始める。
あぁ〜なんだろう、この昭和感。
何とも落ち着く〜笑
そして、北海道の場末のキャバレーの臨場感ある描写が堪らない。なるほど、桜木紫乃さんは北海道出身なのか。厳しい寒さの中で生きる道民の人生観が節々に出て来るのも納得だ。
展開が穏やかな中に、濃くて甘くて哀愁誘う雰囲気が独特の存在感を放つ作品だった。
時々、何故か『ザ・ノンフィクション』が頭にチラついた。
あぁ、サンサーラ♪がぐるぐる流れてくる〜
私だけ?笑
主人公の章介が出会った三人の様に、若い時に一回りも二回りも年上の方と接する機会って、その時は気付けなくても、凄く貴重で、時に生き方すら変えてしまうのかもしれない。振り返ってみれば、私も立ち止まって悩んだり迷った時に、印象に残っている声はいつも年長者のものだった。こういう方とのご縁は、ずっと大切に胸に抱いて生きていきたいと思う。
読者が主人公の章介に感情移入してしまう構成で、出会いと別れの切なさや愛おしさが、ギュッと詰まった作品だった。
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ギャンブルに溺れる父と働きづめの母から離れ、日々をなんとなく生きる二十歳の章介。北国のキャバレーで働きながら一人暮らしをする彼は、新しいショーの出演者と同居することになった。自称「世界的有名マジシャン」師匠と「シャンソン界の大御所」のシャネルに「今世紀最大級の踊り子」50台と思われるひとみ。売り文句とは程遠いどん底タレント三人。だが、彼らと言い合いをしながらも笑いに満ちた一か月が、章介の生き方を変えていく。
☆―☆―☆―☆―☆
今年ベスト3に挙げたい本なのに、読んでから10日以上も経ってしまった。私の場合、良い本に出合ったら「よっしゃあ!」と意気込むあまり、感想がのびのびになり、非公開のままになることが多い。気付くとお気に入り30冊ぐらいの本や映画が棚上げにされたままになっている。今回はそうならないように気を取り直し、読みかけの本を閉じパソコンに向かった。取り急ぎ最低限の感想だけは残しておこう。
彼ら3人が章介の働くキャバレーを去り次の巡業地へ行くのが寂しくて、彼らを引き留めて欲しい思いでページを繰り続けた。章介がそこに留まってちゃいけないと私自身だって分っているのに・・・。若い章介は前に踏み出させてやらなければならないのだ。3人を含む周囲の大人たちがそれぞれ手を変え品を変え、決心がつかずに留まっている章介を引っ張りだそうとしている姿が微笑ましかった。彼らに年長者としての自負を感じさせる。
『住む親も兄弟も、何ひとつない持たない今の章介をうらやましがる人間もいるのだった。だからこそ、出ていくのなら今なのだと言われてもさしあたってどうすればいいのかがわからない。期限はせいぜい長くて2カ月。そのあいだに、できるだけ前向きな進退を示さなくてはいけない』と悩む章介に、師匠は『名倉君(章介)の若さは、この先何度も立ち上がることの出来る強みですからね。住むところもしらがみもない人間のつよさは、本人に自覚がないぶん周りがうらやむことなんでしょうねえ』と言葉を続ける。”住むところもしらがみもない人間のつよさ”にハッとさせられた。住むところやしがらみを求めている人も居る一方で、それは若さだけに与えられた特権なのだろうか? 年を取った者には許されないのだろうか?
章介は上京して小さなプロダクションで5年働いている。社長は章介を同じ釧路出身という理由で採用を決めた。社長は20年もの間故郷の釧路に帰っていない。冠婚葬祭も同窓会にも出ず故郷とのつながりをもとめていない。捨てた街の人間関係で悩む暇があるのならもっと面白いことを考えようぜという。『この感じ、なかなか分かってもらえなくてなぁ』という決め台詞で自身の境遇や仕事、人間関係のぼやきを毎回終える。そんな社長を見て、人間どこに暮らしても多少の消化不良を抱えるものらしいと章介は考えるのだが、私には社長の気持ちが手に取る様に分かる。故郷で暮らさなかった者のやるせない心情が含まれていると思った。
終章で描かれた師匠との再会に、やっぱりねと相槌を打った。バックで流れる”オリーブの首飾り”の曲も懐かしい!
☆彡北海道の土地柄を、みんな親兄弟を捨ててきた人の末裔で来る者は拒まず去る者は追わずの土地だと説明されている箇所に、とても興味を覚えた。いつか訪れたいものだ。
著者プロフィール
桜木紫乃の作品





