准教授・高槻彰良の推察EX (角川文庫)

  • KADOKAWA (2021年7月16日発売)
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感想 : 81
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041111536

作品紹介・あらすじ

高槻の研究室に、市松人形を抱いた日本史の三谷教授が訪ねてきた。
蚤の市で手に入れたその人形の写真をブログにアップしたところ、元の持ち主の孫を名乗る人物から連絡があった。
曰く、その人形は勝手に髪がのびたり動き回ったりするので、母親が気味悪がって捨ててしまったという。
怪異の匂いを嗅ぎつけた高槻は、気乗りしない尚哉を引っ張って嬉々として調査に乗り出し……。(――「お人形あそびしましょ」)

高槻の研究室に足しげく通うようになり、ついに自分専用のマグカップを置くようになった尚哉。
そのマグカップにプリントされている犬の絵を見た研究室の院生・瑠衣子や唯から、尚哉は「わんこくん」と呼ばれるように。
これは、そんな「わんこくん」が昔飼っていたゴールデンレトリーバーと、彼の家族のちょっぴり切ないお話。(――「わんこくんのわんこの話」)

ほか、尚哉の数少ない友人・難波からみた尚哉のお話や佐々倉の休日など、全4編収録!
シリーズファンの方はもちろん、ここから読んでも楽しめること間違いなし、キャラクターの魅力満載でお届けする番外編!


イラスト/鈴木次郎

感想・レビュー・書評

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  • 先日、わたしがシリーズ1巻から常に気にしていた謎の人物「怪異事件専門の係の頭」がこちらのシリーズEXに登場してるかも……との情報を入手し、急いで本書を図書館から取り寄せた。

    わたしが想像する彼は、長身細身、切れ長の目にメガネの似合うクールな20代エリートって感じなんだけど、さてどうかしらん。
    健ちゃんが「絶対借りを作りたくない」というその人物らしき若者が現れたのは、本書の最終章だった。
    仕事帰りの健ちゃんを飲みに誘った若い刑事。この人懐こい林原くんが「怪異事件専門の係の頭」なのか?
    林原くんは、体格的には健ちゃんとほとんど変わらなのだけど、目鼻立ちのはっきりした顔に愛嬌があって、どこぞの企業の営業職のような雰囲気を醸し出す。
    ふーむ、ちょっぴり彰良先生と似ている気もする……が、それよりも問題なのは、わたしが1巻からずーっと心に温めてきた謎の彼のイメージと真逆やんかぁー!
    あぁ、ちょっぴり、いや、だいぶん心は落ち込みながら読みすすめる……と、うん?……おっ?
    なんと!林原くんは謎の彼とは違ったぁ!
    林原くんは「怪異事件専門の係の頭」である彼の部下だったんです。
    ふぅ……、フフフ。まだ謎の彼がお気に入りキャラとなりそうな望みがあるわ。

    健ちゃんと林原くんの会話から、わたしの気になるそのお方は警視庁捜査一課異質事件捜査係の係長「山路」なる人物と判明する。
    “警視庁捜査一課異質事件捜査係”、略して“異捜”は係長と林原くんの2人体制で、「人ならざるものが起こした事件」を担当するらしい。
    健ちゃんは異捜のことは彰良先生には内緒にしてるのね。
    その異捜の頭が山路係長。裏では警視庁一やばい男と言われてるらしい。
    ええっ、やばいってなにー!?
    やばい男ってどういうこと!?
    健ちゃんによると山路係長は、「腹の中でなにを考えてるかわからない男」で、「彰良にたまにちょっかいをかけてくる父親の秘書に少し似ているが、あれよりはるかにやばいにおいのする奴」らしい。

    異捜は彰良先生を「警戒対象」にしていて、なんと人魚の沙絵さんのこともかなり深くまで知っているよう。彰良先生が沙絵さんと江ノ島や長野で会ったことも把握済みって、なんかこわいよ。
    異捜って彰良先生のこと、どこまで知ってるの?
    異捜が彰良先生の秘密を知っちゃったら、どうなるの?
    ああ、山路係長のビジュアルも最大限に気になるところだけど、これから異捜が彰良先生や尚哉の過去にどんな風に迫ってくるのか、ハラハラだ。

    〈第1章 お人形あそびしましょ〉
    お人形にまつわる怪異って怖いよね。
    小学生のころ、「小公女セーラ」のエミリー人形に憧れて、お年玉で同じように見える人形を買ったのだけど、夜じっとこちらを見てる人形が怖くて、すぐに後悔した思い出が。あー、ドラえもんのぬいぐるみにしとけばよかったって。

    〈第2章 わんこくんのわんこの話〉
    幼い頃の尚哉と飼い犬ゴールデンレトリバーのレオのお話。

    〈第3章 俺の友達の地味メガネくん〉
    このお話がいちばん好き。
    尚哉の男前な行動が、犯罪に巻き込まれそうだった亜沙子ちゃんを助けるの。亜沙子ちゃんが尚哉を好きになったのわかる。
    でも今回いちばん男前だと思ったのは難波くんだ。難波くんっていい奴だな。
    もう亜沙子ちゃんは登場しないのかな。

    〈第4章 休日は本棚を買いに〉
    「怪異事件専門の係の頭」についてばかり語っちゃったけど、健ちゃんの彰良先生を守りたい気持ちが溢れてるお話だよ。

    • 地球っこさん
      マリモさん

      コメントありがとうございます(*^^*)

      EXだけ先に届きました。
      わたし3巻で止まってると思ってたけど、5巻まで読んでまし...
      マリモさん

      コメントありがとうございます(*^^*)

      EXだけ先に届きました。
      わたし3巻で止まってると思ってたけど、5巻まで読んでました。感想も書いてるのに大ボケ〰️
      6,7巻、早く読みたいなぁ。

      そうなんです。最初林原くんだと思ってガーン(←失礼やな!)としてたんですけど、あ、違うとわかったときは、まだ理想のキャラへと望みアリで嬉しかったです(←林原くんごめんっ)。

      別シリーズは図書館になかったのですか、内容説明を読むと、作家さんが吸血鬼のようです。
      えーっ、彰良先生、近くに本物の異形さんがいるやん 笑

      亜沙子ちゃん、再登場するのですね。
      早く読みたいな~
      2022/05/28
    • 地球っこさん
      すみません、
      「図書館になかったのですが」です。
      最近、誤字脱字多しなのです……
      すみません、
      「図書館になかったのですが」です。
      最近、誤字脱字多しなのです……
      2022/05/28
    • マリモさん
      地球っこさん

      異捜ってだいぶ前から伏線張られてますし、そろそろ本格的に絡んでくるのでしょうね〜。山路さんの登場も楽しみですー。キリッとした...
      地球っこさん

      異捜ってだいぶ前から伏線張られてますし、そろそろ本格的に絡んでくるのでしょうね〜。山路さんの登場も楽しみですー。キリッとした知的眼鏡だといいな♡(←)
      そして吸血鬼という作家さんも、高槻彰良シリーズに出てきそうなお方ですね。吸血鬼も民俗学の範疇なのかは謎ですが(笑)
      本当に高槻先生、めっちゃアンテナ張ってるはずなのに気付いてー。沙絵さんにも逃げられてばかりで少し不憫。

      誤字脱字、私こそ多くて、レビューでもこっそり直してばかりなので気にしないでください!(というか、ご指摘部分は全然気付きませんでした笑)
      2022/05/28
  • ほっこりタイムの一冊。
    本編とはまた違う味わい。
    強いて言えばおやつを食べているようなほっこりタイム。それはまさに幸せタイム。

    一話目はどストライクな市松人形の怪異。
    アキラ先生と一緒に目がキラキラしてしまった。

    やっぱり人形には魂が宿るのかな、この微妙な終わり方が最高。

    わんこくんのわんこの思い出には涙。
    あぁ、やっぱりペットって良い。かけがえのない時間と幸せをくれる、そこを涙ながらに噛み締めた。

    難波くんの魅力も増し増し、健ちゃんの警察事情にはちょっと不安感を植え付けられてますます今後の展開に楽しみが膨らむ。

  • 1話目は本編に入っていても違和感ない話です。
    人形絡みって尚哉じゃなくてもゾクゾクします。

    尚哉の過去の切ないエピソードだったり、難波君視点の尚哉の男気あるエピソード、佐々倉視点の捜一の今後の物語に影響してきそうな秘密だったり、と全般的には安心して読めます。

    まだまだ世界観を広げていくのかと思うと、続きが気になります。

  • 6巻まで読んでいると、キャラへの愛着が深くなりすぎていて、本編よりこういう番外編のほうが楽しめちゃったりします(^^)
    大好きなキャラクターたちの裏話が見られて嬉しかったです。

    第1章では、新キャラの高槻先生の同僚の教授が登場しました。日本人形大好きな一風変わっていて、高槻先生と仲良しのユニークな先生でした。日本人形にまつわる話は怪談では定番ですが、昼間はかわいいのに夜はなんだか不気味に見えちゃいますよね...。

    第3章が特にお気に入りで、ついに尚哉に恋バナ展開が!?わざと地味キャラを装っているだけで、本人は外見も中身も申し分ない人ですし、もう少し社交の場に顔を出せばモテそう...。難波くんとの絡みもいつも好きなので、大満足のお話でした(^-^)

  • 市松人形は怖かったけど、ググってしまった。市松人形に興味もったけど…。やっぱり怖かった。三谷教授みたいな人がいたら、すごい!人形に囲まれてるなんて!

    難波くんとの飲み会はリアルな会話で面白かった。少年漫画の話、納得する。実際その場にいるような感覚で、引き込まれた。

    健ちゃんも大好きなキャラ。難波くんと健ちゃん、友達想いで優しい。

  • 2021年7月角川文庫刊。書下ろし。シリーズ番外編。通算7作目。お人形あそびしましょ、わんこくんのわんこの話、俺の友達の地味メガネくん、休日は本棚を買いに、の4つの連作短編。それぞれ、高槻、尚哉、尚哉の友人の難波、高槻の幼なじみの佐々倉を主人公にした内容。刑事の佐々倉の同僚が所属する異捜という部署のことがチラッと出たが、本編で関わってくるのだろうか。そうだとするとかなり楽しみ。

  • シリーズ番外編。このシリーズに登場する人物は皆それぞれの息遣いを感じられてよいと思う。人間の喜怒哀楽が伝わってくるというか。そして警視庁捜査一課に存在する、ある係が今後関わってくるかもしれないことをにおわせているのも楽しみだが、まだまだ引っ張る予定であることを知り、最後までついていけるか不安がよぎったのも確かだ。

  • 【収録作品】
    第一章 お人形遊びしましょ
    第二章 わんこくんのわんこの話
    第三章 俺の友達の地味メガネくん
    第四章 休日は本棚を買いに

    息抜きの一冊。

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    番外編。楽しかった。

  • シリーズ番外編 4編を収録
    「お人形あそびしましょ」「わんこくんのわんこの話」
    「俺の友達の地味メガネくん」「休日は本棚を買いに」
    どの話も濃いぃ~話で面白かったです。

    けれど、仰天したのが、休日は本棚を・・・。
    「憧れの作家は人間じゃありませんでした」に出ていた
    林原夏樹!
    林原と聞いて(; ̄ー ̄)...ン?と思ったけど
    異捜(異質事件捜査係)じゃないですかぁ!!
    そして、名前だけだけど係長でありながら
    権力を持っているという男。
    佐々倉が苦手としている係長が気になっていたけど
    やはり山路だったかぁ~
    佐々倉の心配事が爆上がり!
    嫌な予感がヒシヒシと!今後の夏樹をチェックだわ!

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著者プロフィール

神奈川県横浜市出身、在住。2016年に『憧れの作家は人間じゃありませんでした』で第2回角川文庫キャラクター小説大賞《大賞》を満場一致で受賞し、デビュー。同作はシリーズ化され1~3巻を数える。21年夏、「准教授・高槻彰良の推察」シリーズが実写ドラマ化され話題に。キャラクター文芸界再注目の作家。

「2023年 『憧れの作家は人間じゃありませんでした4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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