つながりの蔵 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2021年8月24日発売)
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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784041111567

作品紹介・あらすじ

小学5年生だったあの夏、幽霊屋敷と噂される屋敷には、庭園に隠居部屋や縁側、裏には祠、そして古い蔵があった。初恋に友情にファッションに忙しい少女たちは、それぞれに“哀しみ”を秘めていて――。

感想・レビュー・書評

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  • こんな素敵な物語を大きな大人になっても読めるのが倖せだよ。出だしも終わり方も凄く良いから、入って来るから、不思議な四葉ちゃんは不思議なオーラだけで実際には常識ある人間味ある痛みの解る女の子、3人の友情に小学5年生に、とても大切な時間だと思う。美音が実はずーっと心に悩みを抱えていて、思わぬ形で解決できる。蔵の出来事は不思議だけど、信じたいし、正しい事を言っているし、気持ちのいい場所に居ると言えた弟は幸せで美音も救われた。四葉の家をキチンと描く、役目を終えた蔵、5年3組の同窓会が出来る絆が非常に羨ましい

  • 『消えてなくなっても』とはまた少し趣を変えたプチファンタジー。遼子、美音、四葉の日常の遣り取りから、どこか懐かしい場所に連れて行ってもらったような読後感。御詠歌「地蔵和賛」からの後半の流れで、一気にもっていかれました! ラストも好みでした。

  • サラサラと進む物語。終わり方がとても素敵。

  • 椰月美智子さん3作目
    後半めちゃめちゃファンタジーだけど気づいたら読み終わっていた

    大人の感じ方で子供時代を振り返っていて、クラスの様子の描写などが秀逸だった

  • 不思議な雰囲気の同級生と彼女が住む不思議なお家。家族のことを思う気持ちが溢れるお話だった。おもしろかった。
    初めて電子書籍で読んだ。読めるのは嬉しいけれど質感が違う。紙の本で読みたかった。

  • 二児の母親が小学5年生の頃に友達と体験した楽しい事や不思議な出来事を思い起こす話。子供の頃の自分が教えてくれる事ってあるよね。

  • 同窓会の誘いをきっかけに、小学校時代の不思議な体験を追想する。優しい物語だった。

  • 思いがけず感動作品でした。

  • 個人的な話を書きます。

    私は今日、誕生日です。25を過ぎてからは歳をとることが嬉しくないし、特にここ数日間で仕事や恋愛で良くないことが重なり、自分は大した存在でないなあと落ち込んでいたのもあって、私は自分が生まれた日を素直に祝福できませんでした。

    私のように、誕生日に憂鬱な気分になる人はよくいるそうで、バースデーブルーと言うそうです。私も今年はバースデーブルーだったので、もうケーキも食べず何もせず、今日は好きな本を読む日にしようと思いました。

    積読の中から選んだのが、つながりの蔵でした。椰月美智子さんの本は何冊か読んだことがあって、いつも読み終わると優しい気持ち、心が温まったような気持ちになれるので、今日の日にぴったりだと思い、あっという間に読みました。

    本の中で、5歳で天国に行ってしまった莉央斗くんが、僕は長くは生きられないとわかっていても、みんなに会うために生まれてきたんだよ。と言う場面が一番印象に残りました。

    みんなに会うために生まれてきたんだよ。この言葉は、自分が生まれた日を喜べない私の心に響きました。私は、大人になった自分を大した存在でないと言って、生まれてきて良かったんだろうかと誕生日を喜べないでいたけれど、周りを見渡せば、沢山の愛情をかけて育ててくれた両親や、祖父母、兄弟、楽しい友人、恋人、沢山の人に囲まれているんだな。25年前の今日に生まれていなければ、私の大好きな人たちにも、出会うことはできなかったんだな。わたし、生まれてきて良かったのかも。そう思えました。

    この本を読んでもっと他に受け取るべき教訓はありますが、今日の私はこの言葉に出会えたことが一番嬉しかったです。椰月美智子さんから、自分の生まれた日を祝福していいんだよ。という言葉のプレゼント貰った気がしました。

  • 良かった。こんなファンタジーなのも書ける。椰月美智子さん凄い。
    同世代ってのもあるけど、時代背景も何み深くて読みやすい。
    この作品なら作家さんの死後も残れるだろうか。
    この間図書館においてある本を眺めてて存命の方の作品がほとんどだったのに気づいて、今読んでいる作家さんいつまで図書館に置かれるのだろうと思ったことから...

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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