特等添乗員αの難事件 (VI) (角川文庫)

  • KADOKAWA
3.53
  • (13)
  • (30)
  • (31)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 375
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041111574

作品紹介・あらすじ

閃きのヒロイン、浅倉絢奈が訪れたのは韓国はソウル。同僚の妃華莉、美波と共に韓流ツアーを率いるが、到着早々に思いもよらぬ事態に見舞われる。日韓が抱える“ある問題”が影を落とす微妙な時期だけに、失態は許されない。ラテラル・シンキングを武器に、今回も難局を乗り越えられるか!? 読むだけで水平思考が身について賢くなる、人の死なない“K-POP”ミステリ。この巻からでも楽しめるシリーズ完全新作第6弾!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 特等添乗員シリーズの最新作。
    前回からかなり後になって出版された本であるが、前回からは年数は経っておらず変に年を取らせないようにしているところが続けて読んでいる人間からするととても読みやすくて嬉しかったです。
    今回は韓国で巻き起こるK-POPを軸にしたストーリーで一癖も二癖もあるツアー客達が韓国芸能界の闇に巻き込まれていく様子が描かれている。ツアー客はほぼ全員が何かを抱えた人物として描かれていて、誰がどんな風に裏切ったり波風を立てたりするのかという展開の波を楽しみに読むのがとても面白かった。ツアー客達は最初こそ、テンションが低く争っていたものの、ツアーのハプニングを通じて状況を打破しようと奮闘していくところが漫画のような展開でとても胸が熱くなりました。また、能登がスピードを限界まで上げて運転するシーンは劇場版コナンのクライマックスシーンを彷彿とさせられました(笑)。
    また、今回は解説が最後についておりこの作品がどんな作品なのかがわかりやすく載っているので、読んで欲しいです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    浅倉絢奈:花澤香菜
    壱条那沖:小野賢章
    能登廈人:銀河万丈
    浅倉乃愛:悠木碧
    泉谷:若本規夫
    榎本妃華莉:伊瀬茉莉也
    松永美波:潘めぐみ
    川添隆朗:利根健太郎
    菊間亜弓:伊藤美来
    福田瑞帆:三瓶由布子
    福田優里菜:豊田萌絵
    隅駒璋:豊永利行
    鶴原鞠華:紡木吏佐
    仲村尚美:直田姫菜
    池嶋範子:名塚佳織
    井関博幸:田中正彦
    ソン・ユジョン:大塚紗英
    キム・シニル:成田剣
    シン・ソッキュ:ボルケーノ太田
    ペ・サンウ:金光宣明
    コシン・タムサチャナン:宮本充
    チョン社長:島田敏
    イ・ジェンミン:池田秀一

  • すでに完結していると思っていたシリーズの7年ぶりの新作。
    自由に旅行も出来ない今の世の中へ、希望の意味を込めて書いたそう。扉にも「夜明け間近の旅行業と宿泊業の皆さまへ」とある。業界の人間としては、この一文で涙が出てきそうになる…
    が、しかし。
    待望の新作のメインはK-POPでのアイドル育成事業の闇を暴く内容で、全然添乗員の話ではないのが、とても残念。
    K-POPに全く関心がないし、添乗員がK-POPアイドルの格好をして、添乗に行くなんて、とてもあり得ない話。
    突拍子もないし、ツアー客が9人しかいないのに、みんながみんな犯罪者紛いで、何なの?この内容…
    毎回絢奈のラテラルシンキングで旅のトラブルを回避するこのシリーズは、実際の添乗にも役立つこともあり、とても好きだったのに、今作はあまりにも内容が添乗員と言う仕事をバカにしていて、悲し過ぎる。
    まして、添乗員の業界は絢奈のような若い人はほぼいない。辛く、厳しい仕事で若い人は憧れても、現状から逃げてしまう人がほとんど。
    お客様の旅をエスコートするのに、どれだけ添乗員が身を削っているのか、作者はちゃんと理解しているのだろうか?
    7年ぶりなのに、絢奈が22歳のままなのに違和感もあるし、このシリーズを描くのならば、希望を入れてもいいけど、現実から離れすぎた内容で誤解を招くようなことは避けて欲しかった。
    今、添乗員を本業にしている人たちは本当に仕事がなく、困っている。コロナが終息したとしても、以前のように戻るには、まだまだ時間がかかる。
    個人的には夜明け間近と信じたいけど、現実はそんなに甘くない。
    観光業全体を盛り上げるために書いたのか?NiziUなどの話題に乗りたかっただけなのか?日韓問題に切り込みたかったのか?
    どんな気持ちでこの作品を書いたのか、とても気になるし、読んで、ここまで不快な気持ちになったのは久しぶり。
    好きなシリーズだっただけに、とっても残念。

  • 2021年2月角川文庫刊。書下ろし。シリーズ6作目。韓国へのK-POPツアーを率いる添乗員の縦横無尽の活躍が描かれます。7年ぶりの新作だそうですが、K-POP世界の蘊蓄が多く、興味を惹かれませんでした。ありえないようなずさんな手口やご都合主義で、これはコメディなのかとも思います。

  • この作品こそ「特等添乗員αの難事件」シリーズ最高傑作。これほど満足し感動したのは1作目以来。
    「世界に一つだけの花」が色んなグループにカヴァーされる話が浮かんでは消えた韓国。これは本当の話で「らいおんハート」とかはカヴァーされてるのに「オンリーワン」を謳うあの名曲はカヴァーされてない。そこの洞察こそ、本作をシリーズの中で特別な物にしてる。
    ソウル市内の地理、K-POPのペンの特徴、番組観覧と、およそ生半可な知識では書けない徹底した内容。未成年のまま練習生としてソウルに送り込まれる日本人が増えている現状への危惧、何もかも現代を反映している。
    なおK-POP嫌いの中高年が爪弾きにされたと感じて酷評する傾向があるが、これは22歳が主人公の話だ。本当の添乗員がババアしかいないと主張したところで、シリーズ第1巻から若い添乗員しか出てこない。今更そこに文句を言うとは読者とも思えない。
    この絢奈ら3人がツアー客のために奔走する姿は美しい。こんなに温かい添乗員は他にいない。
    シリーズでは絢奈は「閃きの小悪魔」であって、ずるい思考を遺憾なく発揮する。1巻から敵を嵌めていたし、2巻でもツアーを抜け出してマカオのカジノでヤクザと渡り合っている。もともと現実を超越した添乗員なのだから特等添乗員なのであり、ババアばかりの現実の添乗員と一緒にされても(しかも6巻でかよ)困る。
    なお莉子もQシリーズが連続刊行してた6年間は、四季が何度巡ってもずっと23歳。αシリーズも4年間ずっと22歳だった。しかもすべての作品は刊行年の設定。7年経って22歳はおかしい?そんな人はシリーズに向いてない。

  • コロナ禍の今、このシリーズを出すことに意義を感じたのかもしれない。カーチェイスはちょっとやり過ぎかもね。彼の国の印象もまさにその通りだな。

  • 久しぶりで記憶を呼び起こすのが大変でした。キーワードのラテラル・シンキングってなんだったっけ?という有り様でした。添乗員が国際犯罪を解決するというのもキツかった。

  • 同シリーズ久しぶりの続刊。忘れた頃に刊行されたので、最近になって刊行されているのを知った。

    テーマは昨今、世間を賑わし続けるK-pop、舞台は韓国。

    とある諸事情により、大規模韓国ツアーに添乗する事となった絢奈。しかし、ツアーに集まったのはたったの9人。
    波瀾万丈なツアーが幕を開け、観光中にツアー客の1人が突然倒れてしまう。だが、そのツアー客はいつの間にか韓国人少女と入れ替わっていて…。

    と、この入れ替わりもタネを明かすと割と単純な事なのだが、うまくミステリアスに描かれており、この辺りから一気に物語に引き込まれて行った。

    伏線も至る所に張られており、些細な事が後々に生きてくる。序盤に出てくる名札の裏のボールペンも「ああ、ここでか。」と感嘆した。

    この作者にはありがちな、少し強引だったり、ご都合主義的な展開も随所にはあるが、早く先を読みたい。早くページを繰りたいと思わせる展開構成や文章であっという間に一気に読み終えてしまった。
    能登さん、今回おいしいとこ持ってきすぎでは?(笑)

  • 別人のような表紙の理由は読んだらわかった。K-POPに興味ないので、捲し立てられる小ネタはこれまでで一番ピンとこなかった。

  • 閃きのヒロイン、浅倉絢奈が訪れたのは韓国はソウル。ラテラル・シンキングを武器に、今回も難局を乗り越えられるか!?読むだけで水平思考が身について賢くなる、人の死なない“K‐POP”ミステリ。(e-honより)

  • K-POPどうも自分には合わない事が原因か、文章が入ってきにくかった。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松岡圭祐の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×