地獄くらやみ花もなき 黒猫の鳴く獄舎 (陸) (角川文庫)

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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041111598

作品紹介・あらすじ

「黒猫が生き返った」という不可解なメモを遺し、ある小説家が死を遂げた。〈地獄代行業〉の西條皓と助手の青児は、真相を調査するために彼の館へ。かつて病院だった不気味な館には、小説家の親族と凛堂兄弟が待っていた。宿敵との不本意な合同捜査と、確執を抱えた親族たち。張り詰めた空気のまま迎えた夜、獣に喰い殺された死体が立て続けに見つかり――。闇に紛れて牙を剥く「黒猫」の正体は? 美少年探偵の妖怪事件簿、第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • 前巻のエピローグで合同捜査を小野篁経由で依頼、いや強制された青児と皓、凛堂兄弟は人里離れた元廃病院の洋館へ。そこには女主人と遺産相続絡みで呼び出された訳あり人物達が勢揃い。ポーの「黒猫」を彷彿とさせる過去の事件も語られ絶対何か起きる、という青児の予想通りに深夜殺人事件が発生。しかし館はクローズドサークル状態で青児の「眼」を条件に加えると犯人が存在しない事になる。さて真相は?が伏線はあったけど待てこらだったのは置いておく。雰囲気抜群の舞台で4人(いや3人か)が文句言いながらも共闘して謎に挑む過程が楽しめたので良き。青児と皓の関係の成長も嬉しい。いちいち青児に毒吐きながらも相手してきたり、荊に振り回されてたりと棘がなんか苦労人に見えてきて印象変わってきたよ。そして恒例ラストの引き。どう来る?

  • 今回は、皓・青児と、宿敵の荊・棘の合同捜査。
    依頼されたのは、とある作家の不審死事件。
    「黒猫が生き返ったのだ。」そんな書き留めを残し死んだのだ。

    そしてかつて病院だった彼の屋敷に遺産相続のため集めらたのは4人の親族。

    真夜中、罪人が妖怪の姿に見える体質の助手の青児が遭遇したのは、黒猫が共食いをする殺人現場だった。
    黒猫の正体は誰なのか?

    ‥‥

    犯人だと思った人が被害者になり?被害者が実は加担してたり?


    「2人でいるから最強」なんじゃなくて、
    2人で1人分を目指すって言葉がすごい好き。

    2024年2月18日

  • 今回は正直あまり好みではなかった。
    が、人間(?)関係には少し捨つ進展が見られてちょっとほっこりする。

  • また棘さんがボロボロになっておられる。
    それはさておき。

    ミステリで使用されるトリックがこれでもかと盛り込まれたように感じた今回の事件。
    最初は前回の続きから、どうしてこの話の流れにと戸惑いはしたが。
    ページ数に対しての盛り込まれ方のコスパがいいというか。
    一冊読んで数冊ミステリを読んだ、そんな感覚。

    今回は紅子さんが同行していないので、篁さんが便利屋な立ち位置に。
    この人の立ち位置を未だに把握しきれない……
    そして大人しすぎて逆に心配になる荊さん。
    最後にらしい見せ場はありました。
    今回は凛堂兄弟の方に軍配かな。
    皓たちは前回頑張りすぎてますし、バランスとしてはいいのかな。
    個人的には少し物足りなかったけれども。

    そして、相変わらず次回への引きがやばい。
    絵面が強烈すぎて、危うく今回の事件のことが記憶から吹っ飛ぶところだった。
    次回の話もやばそうだ。

  • 表紙の皓さんの表情・・ひょっとしてハリネズミ状態のお顔??めっちゃ可愛い。

    莫大な遺産目当てで館に集まった親戚たちが殺されていく。
    殺されたあとにその人の人生が回想されるもんだからなんだか切ない気持ちになる。
    とはいえ金の為にいとこたちを殺す手伝いするからやっぱ金は人を変える。

    自分は化け物だからと殺人を正当化しようとする者への本物の人外組からの言葉が容赦ない。
    荊さんたちから見たらどうしようもない程人間なのよね。
    お前は怪物じゃなくてただの人でなしって言葉はなかなか刺さりそう

  • エドガー・アラン・ポーの「黒猫」モチーフで楽しかったです。代行業の西條・青児バディと凛堂兄弟も揃い踏みですし小野篁さんもいる。。
    今回も事件はごたごたした血縁関係と復讐でした。篁さんと西條くんはすんなりと解決しそうにないです。凛堂兄弟はちょっと雪解け。
    溝呂木という小説家が元凶だったので、その流れで、中村明日美子「ウツボラ」も再読してしまいました。溝呂木先生。。

  • 第6巻。
    皓&青児というより、凛堂兄弟がメインな印象。

    館の見取り図がないため、空間把握能力が皆無の身としては何が起こっているのかさっぱりだったが、猫がいっぱいでかわいかった。

    警視庁での棘の相方である不破徹志の生首が凛堂探偵社に置かれていたところで、次巻へと続く。
    ということはしばらくは凛堂兄弟がメインなのかな?

    作中に出てきたエドガー・アラン・ポーの『黒猫』を読みたくなったけど、猫の首が斬られるそうなのでやっぱり無理かもしれない。

  • 付け合わせのポテトは大切ですよ。

    人に見えてた人が一瞬と言っていいぐらいの隙に猫又になる。ただただ恐怖。

    全員が貴方以外を殺すという言葉を信じてのこのことやって来て。ある意味それが最後の警告で。
    白水さんが伊都さんにとって自分達全員が断罪されるべき悪と言ったのが悲しい。

    棘さん、隠し部屋に入るの力業過ぎませんか。
    やむなく別の手段をと言ってますけどそもそも探してないのでは。

    一難去ってまた一難。落ち着く暇がない。

  • 178ページで嘘だろう?!ってなる。最終的な展開にはやはり、という感じだけど、このシリーズは独白部分が面白い。
    死なないと決意するよりも、死なせないと覚悟する方が難しいのは心底分かる。それは物理的にも、心理的にも。

  • だんだんみんななんだかんだ仲良くなっててよい

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著者プロフィール

愛知県生まれ。2017年「地獄くらやみ花も無き」で、第3回角川文庫キャラクター小説大賞〈読者賞〉を受賞。同年、「折紙堂の青目鬼 -折り紙あやかし事件帖-」で、第5回富士見ラノベ文芸大賞〈審査員特別賞〉を受賞。

「2023年 『地獄くらやみ花もなき 捌 冥がりの呪花、雨の夜語り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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