地雷グリコ

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  • / ISBN・EAN: 9784041111659

作品紹介・あらすじ

頬白(ほおじろ)高校に通う射守矢真兎(いもりや・まと)は勝負事に強い女子高生。文化祭の屋上使用権を賭けて、罠の仕掛けられた階段を上ったり(「地雷グリコ」)、かるた部の窮地を救うため、百人一首の札を用いる神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。風変わりなゲームに巻き込まれ続ける彼女の運命と勝負の行方は――? ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇!

感想・レビュー・書評

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  • バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ・・・・

    あのお馴染みのゲームに新要素を加えて闘う!
    イカサマ、ハメコミ、グル、何でもありの頭脳心理戦!

    (作品を作品で評するのは恐縮だが)漫画でいえば『カイジ』『嘘喰い』『賭ケグルイ』という感じ。あと『ジョジョ』の心理戦。
    「敵が勝ちを確信してからの大逆転」が好きなひとにはたまらない!

    ふだんは「ゆるだら系女子高生」の射守矢真兎(いもりや・まと)。しかし、彼女はなぜか「勝負ごと」にめっぽう強い。

    ひょんなことから彼女は、自校の生徒会委員たちとバトルすることに。そこから自分の過去の因縁に繋がっていく連作短篇形式。

    『地雷グリコ』『坊主衰弱』『自由律ジャンケン』『だるまさんがかぞえた』『フォールーム・ポーカー』。
    お馴染みのゲームに新要素を加えることで、難易度がグッと上がり、純粋にゲームとして面白い。
    『フォールーム・ポーカー』以外は実際にやれそう(でも、イカサマ攻略法が書かれてるからダメか。笑)

    相手が仕掛けたゲームにも、イカサマにも動じない強メンタルの真兎にしびれる。(むしろ真兎もガンガンにイカサマを仕掛けるのだが。笑)。

    マンガ原作にもピッタリの、エキサイティングなエンタメ小説でした!

    • yukimisakeさん
      tomoyukiさんも読まれてる♪
      イカサマじゃあねえんだぜ?
      とか腕組んで言ってみたい笑
      あとカリ梅食べたいです(´﹃`)
      tomoyukiさんも読まれてる♪
      イカサマじゃあねえんだぜ?
      とか腕組んで言ってみたい笑
      あとカリ梅食べたいです(´﹃`)
      2024/03/24
    • Tomoyukiさん
      どんどんエスカレートするイカサマ最高でした!笑 あと、冷静すぎる塗辺くんにも。笑
      どんどんエスカレートするイカサマ最高でした!笑 あと、冷静すぎる塗辺くんにも。笑
      2024/03/24
  • 日付変わっちゃいましたが、昨日久々にいつものツタバに行って来ました♪

    本当は別の本を読みたかったんですが、無かったんですよね...

    でも、かわりにず~っと気になっていた本書が入荷されてました!
    多くのブク友さんが大絶賛してるじゃないですか。
    図書館でも予約したんですよ。
    でも、確か450人待ち位だった気が...
    待てるかーぃ!
    で、ツタバで読むか!って思って、予約取り消ししたんですが、ずっとツタバに無かったんです(´;ω;`)

    でも昨日行ったらいっぱい入ってました(*^^*)

    ということで、青崎有吾さん、はじめまして(・ω・)ノ*。.・°*
    やっと読めたよ♪

    家で「海蝶 鎮魂のダイブ」(吉川英梨著)を読み始めていたので、今回は本書だけ読んでさっさと帰って来ました(*`・ω・)ゞ

    あっ、でも時間も早かったので久々に帰りに地区センターに寄ってみたんですよ。
    そしたら、今回ツタバで読もうと思ってた本(ツタバには無かった)を地区センターで発見(☆∀☆)

    図書館で借りてる分厚い本もあるのに、まとめて3冊も借りてきてしまいました^^;

    なんか脱線してる(笑)

    (´ρ`*)コホン
    え~っと、本書の感想ですよね^^;

    グリコ、坊主めくり、じゃんけん、だるまさんがころんだ、ポーカー。

    みんな経験してますよね。
    でも、違うんだなぁ…

    ってか、天才だよね(σ•̀ᴗ•́)σ
    図解付きで説明もしてくれるんですが、元々文系の思考しか持ち合わせていないσ(・ω・`)

    ポーカーなんて解説されても分かりません( ˘•ω•˘ ).。oஇ

    でも、いいんです( ` -´ )bイイネッ✨
    いいって思える位に面白い(=^▽^=)

    時間かかりましたが、やはり手にして大正解の一冊でした!

    物語は、勝負事に強い女子高生、射守矢真兎(いもりや・まと)を中心に展開されます。
    彼女は平穏な日常を望んでいますが、次々と風変わりなゲームに巻き込まれていきます。

    物語の中で、真兎は「地雷グリコ」や「坊主衰弱」などのゲームに挑戦します。
    「地雷グリコ」では、罠の位置を読み合いながら階段を上るというスリリングな展開が描かれます。
    また、「坊主衰弱」では、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑みます。これらのゲームを通じて、真兎は次々と強者を打ち破っていきます。

    物語は全5篇から成り立っており、それぞれのエピソードで真兎が異なるゲームに挑戦します。
    彼女の勝負の先に待ち受けるものとは何か、そして彼女がどのようにして平穏を取り戻すのかが見どころです。

    この小説は、ミステリ界の旗手である青崎有吾が仕掛ける本格頭脳バトル小説として、多くの読者に支持されています。
    真兎のキャラクターやゲームのルール、そして緻密に描かれたストーリー展開が魅力です。

    ぜひ本を手に取って読んでみてください。きっと楽しめると思います!


    <あらすじ>
    本格頭脳バトル小説です。物語の中心は、女子高生の射守矢真兎(いもりや・まと)で、彼女は勝負事に非常に強いキャラクターです。真兎は平穏な日常を望んでいますが、次々と風変わりなゲームに巻き込まれていきます。

    例えば、「地雷グリコ」では罠の位置を読み合いながら階段を上るゲームや、「坊主衰弱」では百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑戦します。真兎はこれらのゲームで強者を次々と打ち破り、勝負の先に待ち受けるものとは何かを探ります。


    本の概要
    ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!

    射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
    平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。

    著者について

    ●青崎 有吾:1991年神奈川県生まれ。明治大学卒。在学中の2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。24年に『地雷グリコ』で、第24回本格ミステリ大賞(小説部門)、第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、第37回山本周五郎賞をトリプル受賞。著作は他に、〈裏染天馬〉シリーズの『水族館の殺人』『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』『図書館の殺人』、〈アンデッドガール・マーダーファルス〉シリーズ、〈ノッキンオン・ロックドドア〉シリーズ、『早朝始発の殺風景』『11文字の檻 青崎有吾短編集成』がある。

    • bmakiさん
      うわぁ。
      田舎にはツタバ無かったので、大変勉強になりましたm(_ _)m
      ありがとうございますm(_ _)m
      うわぁ。
      田舎にはツタバ無かったので、大変勉強になりましたm(_ _)m
      ありがとうございますm(_ _)m
      2024/07/16
    • どんぐりさん
      ツタバいいなーといつも思ってました♪

      ちなみにうちの市にはスタバもありません♡

      私はスタバにいる間に一冊多分読みきれないです_| ̄|○
      ツタバいいなーといつも思ってました♪

      ちなみにうちの市にはスタバもありません♡

      私はスタバにいる間に一冊多分読みきれないです_| ̄|○
      2024/07/17
    • ヒボさん
      どんぐりさん、こんばんは♪

      読み終わるまで帰らないだけですよ^^;
      お店からしたらほんと迷惑な客だと思いますσ(・ω・`)
      どんぐりさん、こんばんは♪

      読み終わるまで帰らないだけですよ^^;
      お店からしたらほんと迷惑な客だと思いますσ(・ω・`)
      2024/07/17
  • 「成瀬〜」と同じく、随分前からフォロワーさんの感想を読んで、気になっていた作品。
    階段ジャンケン、坊主めくり、カードジャンケン、だるまさんがころんだ、ポーカーと、誰しもが知る遊びに、特殊ルールを加えた1対1の心理戦を描く。とにかくクセの強い主人公の女子高生・真兎(まと)が繰り広げる頭脳戦に、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」となること請け合い。
    といいつつ、初戦は読めたし、反則ギリギリのものもあったが、それなりに刺激好きな方には手放しでお勧めできる作品。 ★4.0

  • す、、すごいーー!!!
    めちゃくちゃ面白い!!!


    ライヤーゲームやカイジに似た
    頭脳バトル小説です



    初読みの作家さんでしたが、天才ですか??
    ゲームのルールを考え、攻略法を考え、さらにその裏をかく心理戦を考え…
    すごすぎる!!


    グリコやじゃんけんなど
    誰もが知ってるゲームをアレンジしてるのもいいですね!
    馴染みやすいし、なのに全然知らないゲームになってるし!


    ゲームごとに章がわかれていたので
    ガッツリとは読書時間が取れない今の私にぴったりでした。


    どのゲームでもハラハラドキドキ、
    最後はスッキリ!!
    なにー!って驚かされます!
    この爽快感がたまらない!!

    射守矢真兎、かっこいいよ!!!
    (みんな名前が難しい)
    めちゃくちゃ頭いいな!
    いつから考えてた??ってな!


    ゲーム中は考えても全然わからないけど
    でも置いてきぼりにならない!
    ちゃんと面白い!
    いい読書時間を過ごせましたー(^^)


    ブクログの皆さんが高評価だったので手に取りましたが大正解でした♪
    他の作品も読んでみたいなあ(^^)

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      どんぐりさ〜ん、こちらにもこんにちは♪
      レビューで読後の興奮が伝わってきます
      ヽ(=´▽`=)ノ☆面白かったですよねっ!!♡
      どんぐりさ〜ん、こちらにもこんにちは♪
      レビューで読後の興奮が伝わってきます
      ヽ(=´▽`=)ノ☆面白かったですよねっ!!♡
      2024/03/26
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      どんぐりさ〜ん、こちらにもこんにちは♪
      レビューで読後の興奮が伝わってきます
      ヽ(=´▽`=)ノ☆面白かったですよねっ!!♡
      どんぐりさ〜ん、こちらにもこんにちは♪
      レビューで読後の興奮が伝わってきます
      ヽ(=´▽`=)ノ☆面白かったですよねっ!!♡
      2024/03/26
    • どんぐりさん
      チーニャさん

      コメントありがとうございます♪
      ホントに面白かったです〜!!

      スカッとした読了感も最高でした(*´꒳`*)
      チーニャさん

      コメントありがとうございます♪
      ホントに面白かったです〜!!

      スカッとした読了感も最高でした(*´꒳`*)
      2024/03/27
  • ブクトモの皆様の評価がとても高かったので、本屋さんで探していた本。
    なかなか売っておらず、数軒探し歩き、浜松ではない本屋さんでやっと一冊だけ売っていたのを購入。
    こんなに高評価なのに、浜松の本屋さん売らなくていいの??
    私なら平積みで売るのに。


    まぁ、まずは登場人物の名前。
    漫画のようなヘンテコな名前の人がたくさん。
    中でも主役の名前は、射守矢真兎 いもりや
    まと。
    個性的な名前だなぁ。

    そして題名の地雷グリコ。
    めっちゃ興味をそそるワードだわ。
    気になって仕方がない。


    射守矢が、ゲームで対戦していく物語なのだが、誰もが子供の頃に体験したことがあるゲームのルールを少しアレンジしており、どれも頭を使う(笑)
    相手の一手を読み合うゲーム展開となるのだが、これがまた面白い。
    そして突拍子もない展開が( ̄▽ ̄)


    さすがはミステリの物書きさんだけあって、最終章では伏線が回収されてスッキリ(*^▽^*)

    こんな小説が書けてしまう青崎先生も、やっぱり天才だなぁ。。。

    アニメ化されたら人気出そうだな(*^▽^*)

    • bmakiさん
      アールグレイさん

      アールグレイさんのご近所でも本屋さん減りましたかぁ。。。
      私の近所も本屋さんがなかなか無くて(ToT)
      私もAm...
      アールグレイさん

      アールグレイさんのご近所でも本屋さん減りましたかぁ。。。
      私の近所も本屋さんがなかなか無くて(ToT)
      私もAmazonで購入しちゃうことが多いんですけどね(^◇^;)

      でも面白そうな新しい単行本の本は、できるだけ本屋さんで購入したして、カバーをつけてもらいたいんですよね。

      Amazonだとカバーが付いてこないので、なんだか損した気分になっちゃうんです。
      Amazonもカバーつけてくれるといいのになぁ。。。
      2024/04/20
    • yanruyuさん
      えぇ!そんなに面白いんですね!?
      仕事が忙しいのもあって4週間借りたのに
      2話目までしか読めず。。。
      気分が乗らず返却してしまいました。
      続...
      えぇ!そんなに面白いんですね!?
      仕事が忙しいのもあって4週間借りたのに
      2話目までしか読めず。。。
      気分が乗らず返却してしまいました。
      続きはもう良いかなって思ってたけど
      どんな展開が待ってるんだろう?
      気になります笑
      2024/04/20
    • bmakiさん
      yanruyuさん

      この物語は、ハマる人には凄くハマるし、ハマらない人には一つもハマらないのかも??って思います。

      2話まで読ん...
      yanruyuさん

      この物語は、ハマる人には凄くハマるし、ハマらない人には一つもハマらないのかも??って思います。

      2話まで読んで違ったのなら、多分最後まで読んでも違うような気がします(^◇^;)
      2024/04/20
  • 第77回日本推理作家協会賞。
    第24回本格ミステリ大賞。
    同時受賞。


    とても面白いというレビューが多かったので期待値が上がり過ぎました。
    本格ミステリが好きな方向けだと思います。
    私はどちらかというと人間関係や動機重視の社会派ミステリの方が好きで、本格のような頭を使わないと読めないミステリは疲れるのでちょっと苦手です。

    「地雷グリコ」
    高校一年生女子の射守矢真兎(いもりやまと)が生徒会の三年生椚生迅人(くぬぎはやと)と文化祭の屋上の場所取りのために愚煙試合をします。

    「坊主衰弱」
    真兎がかるた部のためにカフェの店主の旗野さんと勝負します。真兎は「百対0で勝つ」と言いますが。

    「自由律ジャンケン」
    佐分利生徒会長が真兎を生徒会にリクルートするために勝負します

    「だるまさんがかぞえた」
    真兎は雨季田絵空と戦うための軍資金を得るため絵空の通う私立星越高校でSチップを賭けたゲーム<実践向上>(キャリアアップ)でSチップ三百枚の軍資金を稼ぐために勝負します。

    「フォールーム・ポーカー」
    真兎対絵空。
    一対一でSチップを賭けた<実践向上>を行う。
    真兎が絵空に勝って「謝らせたいこと」とは何なのか…?



    以下ネタバレの感想です。





    真兎は毎回、最後には勝つのだろうなという展開なんですが、全部、最初は凄く不利な展開で逆転勝ちするというパターンがわかってきます。
    最後の方になると「今度はいったいどんな逆転をみせてくれるのか」という期待するのが面白かったです。

    • bmakiさん
      まことさん、こんばんは(^^)

      私もこの作品、とっても楽しく読ませて頂きました。
      確かに理解しようとすると、難しくて疲れてしまうとい...
      まことさん、こんばんは(^^)

      私もこの作品、とっても楽しく読ませて頂きました。
      確かに理解しようとすると、難しくて疲れてしまうというところもあるのかもです。
      私はそもそも理解しようとせずに、あー面白かったーって感じで読むので疲れないのかもしれません(笑)
      理解出来ていないので、きっと直ぐに忘れてしまうんでしょうね(^◇^;)

      主人公の圧倒的な強さが、読者にはスッキリするのかもしれませんね(*^▽^*)
      2024/05/17
    • まことさん
      bmakiさん、こんばんは♪

      今、もう一回、bmakiさんのレビュー拝見してきました。
      確かにこれは、アニメ向きかもしれないですね!

      私...
      bmakiさん、こんばんは♪

      今、もう一回、bmakiさんのレビュー拝見してきました。
      確かにこれは、アニメ向きかもしれないですね!

      私は、この作品、ちゃんと、理解しながら、読んでいたのは、「地雷グリコ」「坊主衰弱」あたりまでで、「自由律ジャンケン」あたりからは、ゲームの進行は、訳わかんなくなってきて、ストーリー進行だけを追っていました。
      皆さん、頭脳明晰ですね。
      私みたいに、跳ばして読んだ人はいないのかな~。
      真兎の、圧倒的な強さには、安心して、読めましたよね。
      2024/05/17
  • 青崎有吾さん「地雷グリコ」
    結構前から書店で目にしてきた作品だが、ゲームを主体としている学園物との書籍説明で先入観から自分には合わないだろうと手にしてこなかった作品。
    そうしたら本格ミステリー大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞の三冠達成し、直木賞にもノミネートされているではないか。
    これは読んでみないとと思い立ち購読。

    物語は書籍説明の通り高校生の学園物ストーリー。全5篇からなる連作短編集で高校生の射守矢真兎(いもりやまと)という女の子が5篇とも違う独自ルールのゲームで各々の対戦相手と戦うという物語。
    主人公真兎には凄くカジュアルな今風の女子高生をイメージさせられる。途中から歌手でタレントの「あのちゃん」を真兎に重ねて想像して読んでいた。
    その真兎の洞察力と天才的な勝利への道筋を立てる閃きと勝負運の強さが引き立つ物語だった。

    この作品の面白い所が誰もが幼少期に遊んだ大衆的なゲームに知的な独自ルールを追加する事で、複雑かつ才略の富んだ別物のゲームに変わるという所。
    特に「自由律ジャンケン」のルールは秀逸で無限の可能性と複雑さが加わり推測力を試されるゲームへと変貌する。この作品を読んだ誰かと対戦してみたいと素直に思った。

    とても面白い作品だったし、知的興奮を刺激される物ばかりだった。
    しかしやはり自分は学園物のライトノベル風の作風があまり好みではないと改めて感じてしまった。凄く個人的意見だが生徒会長のジェンダー描写やSチップの設定等がどうも馴染めなかった。物語として大金や人生や生死等を賭ける重たい設定ではなく、軽く仕上げる為に重要で必要な設定だったのは理解できるのだが自分には凄く引っ掛かかってしまい最後まで違和感をぬぐえなかった。

    続編を望む声が多いとの事。もし執筆されるのならばやはり読んでみたい。それほど作者の描く独自ルールには奥深さがあった。

  • 鬼★5 愛嬌MAXの高校生が頭脳バトル、誰もが経験している遊びが超難解知的ゲームに! #地雷グリコ

    ■きっと読みたくなるレビュー
    早くも来年度2024年度のミステリー注目作が出た、もはや年間トップレベル。

    カイジやライアーゲームのような、既存にあるゲームを改良して勝負する頭脳バトルものです。誰しもが幼い頃にやったことがある遊びを基にしているところが興味深いですね~。でも勝負の内容や攻略は、想像していた以上に緻密でロジカルで、しかも公平公正なんです。

    ほんとシンプルに面白い頭脳バトルで、どう攻略するかが気になる気になる。読書が止まらねぇよ。攻略法を見つけてみようなんて思う方は、細部の細部まで考慮しないと解明できませんので、覚悟して挑んでくださいね。

    また例によって心情描写、セリフ回しが超絶カッコ良く、エグすぎレベちですよ。以下あまりにクールで、ぶっ倒れそうになったシーンの数々です。

    ・第一話:最後の心情描写
    ・第二話:最後の一行
    ・第三話:勝負が決まった瞬間のセリフ
    ・第四話:最後の物体描写
    ・第五話:勝負がついた後、主人公が敵に言ったセリフ。そしてラスト五行(奇麗!)

    愛嬌MAXのキャラクターたちが可愛くて尊いんです。主人公はもちろん、敵キャラ、学園の仲間や審判など、行動やセリフひとつひとつが洗練されてる。とろけるほど彼女らに心奪われちゃって、読み始めてすぐに、いちごオレを買ってきちゃったくらい(読めばわかる)。

    本作は青崎先生の強みが思いっきり出てる一冊です。まぁ控え目に言って「必読」ですので、ミステリー好きは秒で本屋に行きましょう。

    ■各短編ひとことレビュー
    〇地雷グリコ【おすすめ】
    おもろい…この発想力はエグイ。
    子ども時代に誰しもやったことのある遊びなのに、改良ひとつでここまで奥が深くなるとは恐ろしすぎる。勝負の内容はもちろん、勝負で得られる権利もセンス抜群だし、後半からの展開はドギモを抜くし、一話目からもう100点満点です。

    〇坊主衰弱
    主人公の機転と狡猾具合が爆発、カッコ良すぎ。そして登場人物みんなの仲間意識が高くて、もう泣いちゃう。

    〇自由律じゃんけん【鬼おすすめ】
    正直、もうこれ今年の短編1位。凄い。

    楽しみを奪っちゃうので何も語りたくないのですが少しだけ。勝負の経過による情報や、その他様々な手がかりが提示されているんですが、おそらくは真相は見抜けない。シンプルかつ巧妙で、真相はリアルに膝を打つほど納得性が高い。ミステリーファンが嗚咽して悦ぶ短編です。

    ※完全に惚れたイチ推しシーン
    勝負が決まった瞬間に主人公が言い放つセリフは、同作者の短編『恋澤姉妹』の最後の一文レベルに強烈でした。

    〇だるまさんがかぞえた【おすすめ】
    わなわなわな…主人公の強さに打ち震えました。
    私もキラー側でどうするのがベストか考えてみたのですが、自分の発想力ではまったく太刀打ちできませんでした。あと主人公が憎たらしいくらい可愛い。

    〇フォールーム・ポーカー【超おすすめ】
    ラストは強烈ドエンタメ頭脳バトルですね。審判の塗辺くんの段取り力に惚れた、忘年会の幹事やって欲しい。勝負の内容も想像の斜め上を行く展開で、アゴが外れそうになりましたよ。

    決着後からの会話、エピローグも大好きです。ぜひ皆さんに大切な何かを感じて欲しいエンディングでした。

    ■ぜっさん推しポイント
    エンタメ度抜群の頭脳バトルが素晴らしいのですが、実は私が本書で一番推したいのはそこではありません。

    彼女はなぜ戦っているのか、そして背景にある想いとは何か…

    青崎先生は若い世代の絆を描くのが、すっごく上手なんです。そこには様々な関係性や熱い想いがあるのですが、読む作品ごとにアプローチも味わいも感動も違います。

    派手な二人に挟まれて目立たない友人… 実は彼女が最も光りを放っている。張り詰めた緊張感の中、弱弱しさと素直さと安堵が見え隠れする… この距離感と胸のうちが素晴らしく絶妙で、あぁもう感嘆の声を上げるしかない。

    人生は難しいゲームのようなものですが、きっと彼女たちならどんな困難な課題でも乗り越えられるに違いない。若者たちに明るい未来が見えたようで、優しい気持ちになれたのでした。

    • autumn522akiさん
      月詠さん、こんちわです。
      Xもnoteもフォローいただきまして、ありがとうございました。
      こちらこそどうぞよろしくお願いします。

      ...
      月詠さん、こんちわです。
      Xもnoteもフォローいただきまして、ありがとうございました。
      こちらこそどうぞよろしくお願いします。

      強烈におもろい作品ですので、ぜひ読んでみて下さいね~
      2023/12/15
    • mysnaviさん
      読みました。個人的にも鬼★5レベルで面白かったです(^^)
      第五話のラスト5行、素晴らしいクロージングですよね。読後感も最高でした。
      読みました。個人的にも鬼★5レベルで面白かったです(^^)
      第五話のラスト5行、素晴らしいクロージングですよね。読後感も最高でした。
      2024/01/14
    • autumn522akiさん
      mysnaviさん、こんちわです^^
      コメントありがとうございます、面白かったですよね。

      > 第五話のラスト5行、素晴らしいクロージ...
      mysnaviさん、こんちわです^^
      コメントありがとうございます、面白かったですよね。

      > 第五話のラスト5行、素晴らしいクロージングですよね。
      そうなの、若い時代における人との距離感って、ほんとこんな感じ。
      弱々しくて、不安で、でも生命力がある。
      2024/01/14
  • “地雷”なんていうから、登場人物がガンガン死んじゃって、ざわざわ‥ざわざわ‥って感じの話だと思い込んで読み始めました。
    そうしたら、なんと、キレ者の高校生たちの爽やかなお話ではないですか!
    ゲームを考える人も、相手の心理を読み合ってゲームに挑む人も、なんて頭がいいのだろう!こんなに頭のいい高校生いるのか?と恐れ慄いてしまいますが、最後のゲームで主人公の少女が望んだものとは?
    そして、その少女が中学時代に仲良しだった二人の友だちの心の中が分かった時、あー青春だなー、やっぱり数ヶ月前まで中学生だったんだなぁと、ヒリヒリした中にも、ほのぼのを感じました。
    このほのぼので、私の中で★4から★5へ!
    この3人の少女で続編も期待できるし、ライバルの少女の中学時代のスピンオフなんかも期待できるなぁ、なんて思ってます。
    確実にアニメ化やドラマ化はあると信じている!

    • こっとんさん
      bmakiさん、こんばんは♪
      ですよねー(≧∀≦)
      かなりの確率でアニメ化される予感(*'▽'*)
      アニメ化された時のキャラとか声とかすでに...
      bmakiさん、こんばんは♪
      ですよねー(≧∀≦)
      かなりの確率でアニメ化される予感(*'▽'*)
      アニメ化された時のキャラとか声とかすでに想像できちゃってるし(*´∇`*)
      今から楽しみー♪
      2024/07/04
    • しずくさん
      きゃっ、記念すべき100番目のイイねを押せて嬉しい!

      読む気をはなから失せさせてしまう『地雷グリコ』というタイトル、爽やか系なのね~。...
      きゃっ、記念すべき100番目のイイねを押せて嬉しい!

      読む気をはなから失せさせてしまう『地雷グリコ』というタイトル、爽やか系なのね~。私の年齢では手を出したくないのだけど、若者にはざわざわ感ではなく、ワクワクに通じるのかな(´^д^`)ワロタ
      2024/07/20
    • こっとんさん
      しずくさん、100番目のいいね!をありがとう♪
      ブクログをやっていなかったら私も絶対に読まなかったであろうタイトルw
      でも皆さんの評価があま...
      しずくさん、100番目のいいね!をありがとう♪
      ブクログをやっていなかったら私も絶対に読まなかったであろうタイトルw
      でも皆さんの評価があまりにも高いのでちょっと若者文化を体験しようと正直ミーハーな(これも死語か?)気分で読んでみたら、何これ?面白いじゃないの!ミーハーおばさんでも楽しめるじゃないの!と掘り出し物でした(≧∀≦)
      ざわざわではなくワクワクでしたよー(^。^)
      2024/07/20
  • 凄い作品でした。正直言って話の内容にはついていけてない笑。ムリ。想像の遥かに上の上をいってる笑
    自分頭悪ってなりながらも、ストーリーは軽快。登場してくるキャラが皆独特で、なんだか可愛くて、楽しく読み進められる。ジャンルとしてはミステリーになるのかな?既存のゲーム、遊びに変化を持たせて、ギャンブル要素の高いものにしていく。これ、構想段階で凄まじく疲れそうで、よく考えたなぁと感心すると共に、いくら頭の良い高校生とは言ってもムリがあるんじゃない??って思ってしまう現実的な読み方をしたので⭐︎4つ。でも、読んでいる時間はあっという間。面白いのよ。シリーズ化も出来そうな作品でしたので、この先も注目ですね!

    • にゃごさんさん
      マメムさん
      初コメントありがとうございます!
      初読みの作家さんだったのですが、良い感じでしたー
      他もこれから色々と漁ってみようと思います!
      マメムさん
      初コメントありがとうございます!
      初読みの作家さんだったのですが、良い感じでしたー
      他もこれから色々と漁ってみようと思います!
      2024/09/25
    • マメムさん
      にゃごさんさん、お返事ありがとうございます。
      青崎有吾さんだと裏染天馬シリーズがオススメです♪『体育館の殺人』が1作目です!!
      にゃごさんさん、お返事ありがとうございます。
      青崎有吾さんだと裏染天馬シリーズがオススメです♪『体育館の殺人』が1作目です!!
      2024/09/25
    • にゃごさんさん
      マメムさん
      ご教示ありがとうございます!
      探しに行ってみます!!
      マメムさん
      ご教示ありがとうございます!
      探しに行ってみます!!
      2024/09/26
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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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