ブレイブ・ストーリー 下 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.26
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本棚登録 : 327
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041111727

作品紹介・あらすじ

冒険のゴールである「運命の塔」に迫りつつあるワタルは、あと一歩のところで異世界滅亡の危機に巻き込まれてしまう。仲間たちの幸福と自分の願い、究極の選択を迫られた少年が導き出した答えとは?

感想・レビュー・書評

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  • やっとたどり着いた感じ。宮部みゆきの描くファンタジー小説というのは、現実世界との関わりを軸に描かれているのだと思った。10年以上前に書かれたものだけれども、このコロナ禍に生きている私たちに刺さる物語だと思う。きっと、いつの世にも通じる勇気を与えてくれる物語なのだ。

  • 冒険が終わりました。
    色んなことがあったけど、キ・キーマやミーナ、カッツに支えられながら闘ってきたワタルはやっぱり魅力的な人物だったんだろうなと思います。
    ワタルは女神に叶えてもらう願いを幻界を救うことにしたけど、それは同時に自分を救うことにもなっていて、それをワタル自身がわかって、なおかつ強くなっている姿に感動しました
    またどこかでワタルが仲間と出会えてたらいいなぁ。

  • 細かなストーリーの展開にとやかく言いたくない気もするが、最後の場面では、ミツルとワタルの直接対決(対話)がぜひみたかった気もする。
    ミツルは、そんなに悪いことをしたのだろうか。確かに、ワタルのように、目の前にいる人たちのことを気にかけ、悩んで結論を出す方が、読者にとっては感情移入しやすいのかもしれない。でも、ミツルの苛酷な経験のことを考えると、彼の意志の強さは相当なものがあったとも思うし、また、むしろワタルのような「旅」の仕方が悠長にも思えてしまう気もした。
    もちろん、ワタルも父の幻影?を惨殺した場面など、精神的にハードな「旅」をこなしてきて、最後には父を憎んでいる自分自身とも戦い自覚を得た。
    それも必要な過程だったと思うが、ミツルの姿勢もやっぱりもう一つの対等な正解なのではないかと自分には思えてしまった。だからこそ、ミツルは自滅するというより、ワタルと最後は互角に戦ったり対話してほしかった気もする。ただ、そういう場面があったとして、ミツルを論破してほしい、という意味ではないのだけれど。
    また、オンバ様もかなり初期からの伏線の割には、対決にやや物足りなさも感じる。オンバ様の正体の抽象度が高かったからだろうか…。
    (あと、なぜ大松香織は魂を抜かれてしまっていたのか?)
    ワタルの最後の答えは、実のところ中巻で既にワタルが口にしている。決して安易な答えにはなっていないと思うが、千年に一度の機会でなかったら、ワタルがこんなに悩むことはなかった。ハルネラでなかったらどんな答えだったのか。
    親の離婚から始まって、2つの世界の危機、人柱になる可能性など、選択の構造そのものはわかりやすい図式なのかもしれないけれど、大人でも答えを出すのは難しい。でも、これから死ぬまでずっと人生の中で繰り返し難問に出会うのだと思う。悩んで、苦労して答えを出していく過程自体が貴重なのだ、というメッセージ。むしろ、シビアで大人な「答え」のようにも思うけれど、読んで良かったと思う。

  • 読了

  • 上巻では、小学生の亘にはあまりにも辛すぎる試練に読んでいても辛くなり、ファンタジーの部分が始まっても現世が気になって仕方ありませんでした。
    しかし中巻になるとファンタジーの世界にのめり込み、スケールの大きな大冒険を、映像を想像しながら楽しく読み進めました。
    そして下巻になると、仲間の生死に関わる事件が次々と起こり、最初に現世で起こった事なんてちっぽけに感じる程になりました。
    自分では世界がひっくり返るような辛い出来事だと思っていても、世の中にはもっともっと辛い事がたくさんあり、それに比べると自分に起こった出来事なんてちっぽけに感じることがあります。
    生きていれば、辛いことを全て避けて通るのは難しい。
    乗り越えるには、自分が強くなるしかない。
    それを改めて実感しました。
    読んでいる途中は辛く感じる事もありましたが、読み終わってみるとどこかスッキリとした気分になれました。

  • なるほど,2003年の作品なのか.アニメ化されたそうなので,観てみたいかな.

  • 宮部みゆきさんの作品で一番好き

  • ファンタジー小説であるが子供向けではなく、大人向けの物語だと感じた。主人公の亘は小学生であるが、直面する現実は大人が読んでも重く、胸が痛くなる。もし自分がこんな現実に直面したら、乗り越えられるだろうか。そう思う程に。それは亘がいい子だから余計に感じた。読んでいて嫌味など全く感じさせない主人公。小学生らしい純粋な視線で情景や心情が描かれている。終始応援したくなった。
    亘は幻界の旅を通して出会いや別れを経験し、精神的に強く成長していく。幻界で出会うキ・キーマやミーナなどのキャラクターも魅力的で、彼らとの友情や絆を強く感じられた。
    最終的に亘は、不運な自分の運命を変えるのではなく、幻界の世界を救うことを選ぶ。自分の運命を都合良く変えても、自分が変わらなければまた悲しいことや辛いことが起きても乗り越えられないから。
    この物語は現実と向き合い、そっと背中を押してくれる勇気の話。ブレイブストーリーというタイトルの通りに。
    長いストーリーだったが、この本に出会えて
    良かった。読んで良かった。そう思える。

  • 現世に影響されるという幻界。ワタルが旅し、成長させた幻界が、崩壊しようとしている。ワタルは、自分の運命を変えることと幻界を救うことのどちらを選択するのか?小学5年生には重すぎるとも思える。憎しみを越えた先に未来がある。
    一気読み必至ですが、SNSなどで拡大した、現在の分離対立をも表しているようで、考えさせられる。

  • 深い作品に出会えた。
    ただの冒険ファンタジーではなく、しっかりとしたテーマが私に次々に突き刺さってきた。
    (自己啓発.哲学?)

    自分の命、他人の命、自分一人の人生、多勢(他人)の人生、運命という旅をしながら成長していく主人公、自分が変わる事で周りが変わる、自分が強くなる事で周りが幸せになる。亘少年はそれを実感しながら旅を続ける!
    しっかりとした世界観に登場人物の個性や感情 壮大なストーリーに大きな勇気と優しさが伝わってくる、3冊に渡る長編であるがあっというまに読み終え余韻にひたる「本を読むっていいな〜!」とつい口にする自分がいた。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール読物新人賞を受賞。『龍は眠る』(日本推理作家協会賞)、『本所深川ふしぎ草子』(吉川英治文学新人賞)、『火車』(山本周五郎賞)、『理由』(直木賞)ほか著書、受賞歴多数。

「2021年 『ブレイブ・ストーリー 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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