異端の祝祭 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.26
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本棚登録 : 572
感想 : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041112304

作品紹介・あらすじ

失敗続きの就職浪人生・島本笑美。
原因は分かっている。彼女は物心ついた時から生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。
街に溢れ返った異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かるや否や、笑美に纏わり付いてくる……。

ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、笑美はヤンと名乗る青年社長と出会う。
出会ったその瞬間から、何故か自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はそのままモリヤに就職することを決める。
しかし「研修」という名のもと、ヤンに伴われて笑美が見たのは、「ケエエェェェエコオオォォオオ」と奇声をあげながら這い回る人々だった――。

一方、笑美の様子を心配した兄・陽太は、心霊案件を専門とする佐々木事務所へ相談に訪れ……。

ページを開いた瞬間、あなたももう「取り込まれて」いる。
カクヨム発の「ほねがらみ」がTwitterでバズり大反響! ネット民を恐怖の底に叩き落とした驚異の新人作家が放つ、民俗学カルトホラー!

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったのは確かですが、表現がかなりグロテスクかもしれないですね。

    シリーズ化しそうですが、次はどうしようかなぁ?

  • 宗教ホラーだった。結局、ヤンの不思議な力には触れず終わってしまった。施設の中で何が行われていたのかもいまいち分からなかった。
    しかし、別の信仰だと思っていたのがキリスト教信仰(正確には違うけど)だったと分かるところなどはおもしろかった。カルト集団は怖いなあ。


  • 宗教的な考え方や信仰ほ歴史に、ホラーと
    ミステリーの要素が加わった物語。

    謎を解決するため、より謎な人物が登場したり、
    核になる人物の過去が思いもよらぬ歪んだもの
    だったりする。

    目に見えるのもは真実とはかけ離れていて、
    表に出ない見えないモノは更なる深淵を持つ。

    人間の業は暴いて、暴いて、暴き尽くそうと
    しても、尽きることはないんだと感じさせられた。


    〜〜〜〜

    特異な能力をもって生まれた島本笑美は、
    その能力故に人との関わりが苦手。
    また、周囲から悪意の言葉を向けられてきた
    環境もあって極端に自己評価が低かった。

    そんな笑美は大学卒業後、就職浪人になるが
    思いがけず大手企業の面接で採用になる。

    なぜ自分が採用されたのか全く分からない笑美は
    合格通知に戸惑うが、面接で会ったヤンという
    男性の不思議な声色、醸す穏やかな雰囲気に
    笑美は癒される。

    自分は価値のない人間だと思い、周りの人の
    顔色を伺い、隠れるように生きてきた笑美は、
    ヤンから大事で価値ある存在と言われ、
    自己認識が変わっていく。

    笑美が失いたくないと信じて思ったものは、
    善か悪か、ただの虚構か。

    異端として生まれた人の歪められた認識が
    巻き起こした物語。

  • 本当にぞわぞわした小説。内藤了が永遠の一位だと思っていたけれど、鞍替えあるかもなあ。しかも小手先の怖さじゃなくて、後引く怖さ。アイデンティティとか、自我とか、信仰について考えさせられた。一風変わったホラーを求めている方へ。

    あらすじ

    心霊案件を扱うルミと青山が働く佐々木事務所へ、ある日やってきたのは島本陽太。ルミと青山は彼から最近おかしくなってしまった妹を連れ戻す依頼を受ける。

    陽太の話によると妹の笑美は、友達が昔からいない、自分に自信がない根暗なタイプだそう。そんな笑美だが、兄の陽太とは毎日連絡をしていたがそれがある日途絶える。

    陽太はそれを不審に思い、独自に調査したところ、妹はタチの悪い信仰宗教に目をつけられているそう。自身もその宗教団体に潜入したが、そこで行われていたのは怪しいことばかり。蛙と七日間過ごさせられた陽太は、ヤンという教祖のような人に恐怖を覚え、ルミに依頼を頼んだということらしい。

    2人は協力して笑美を連れ戻そうとするが、ヤンは強い力を持っていて…。



    あらすじを書いてはみたが、どうにもコレジャナイ感が強い。とにかく読んでほしい。怖くなるし、自分が信じているもの(宗教じゃなくても、親だったり、教師だったり)が全て本当なのか疑ってかかりたくなるような気分になる。

    わたしは自分のことを中立的な人間と考えている。思想的にも宗教的にも何も染められたことがないように感じている。日本人として生きる現代の我々にはそういう感覚を持った人が多いような気がする。だが、本当にそうだろうか。宗教じゃなくても、何より身近な親は、信じられる友人は、わたしが今見つめているまんまであるのだろうか。

    そんな気分になる話でした。この作者の本は全て読むつもりです。


  • 和製版ミッドサマーという情報をどこかで見かけたけど、それを期待して読むのはオススメしない……。
    民俗学感も薄めで、どちらかというと特異能力者達の戦いみたいな印象のほうが強くて、思ってたのと違うなっていうのが正直な感想だった。
    ただ、何箇所も「え!?そうなの!?」と驚く仕掛けもあるし、キャラクターも魅力的だったので話の続きはすごく気になってページをめくるのは止まらなかった。あと登場人物達はみんなちょっと狂ってる。そこは好き。

  • 和製ミッドサマー。心霊的な恐怖を煽りつつ、生理的嫌悪感も湧き上がってくる。読んでいて怖いし気持ち悪いし本当に嫌な作品(とても褒めてる)。
    カルトの異常さや恐ろしいまでの広がりの速さが描写されているけど、「ぼくのかんがえた最強の宗教」みたいにならないのは、宗教二世や毒家庭、貧困と虐待など社会的側面も丁寧に書かれているからだと思う。この人の世界にはこれしかなかったんだろうという哀れさと諦観も恐怖を助長する。
    笑美はヤンを育てたいようだけど、彼女にあれが理解できるとも思えないし、押し入れから出て来なさそうだし、るみさんをイイススと認識してしまっている(つまりるみ>>>笑美になるのでは?)ためあんまり上手くいくとも思えない。恐怖はまだ続く…というよりは別の破綻を迎えるのだろうなあと暗澹たる気持ちになる。そもそも「私のかみさま」って言ったけど彼は神ではなく預言者だったはずで、もうこの時点で勘違いで、るみさんですらずっと思い違いをしていて、柏木春樹の理解者はどこにもいない。
    るみさんの押し入れも物部さんのことも気になるので是非シリーズ化を。

  • 心理的な怖さと、これからどうなるのかという推進力でグイグイ読ませる小説。おもしろかった。眼窩女こわいし塔が不気味。
    民俗宗教的なところから引っ張ってきたのかと思えばキリスト教からだったり、カルトが絡んでいたりして、飽きさせない。異能力バトル展開も、細かいところで妙に説得力があって個人的に好きだ。
    笑美の兄のくだりで、腑に落ちると同時に怖くなった。そしてラストが切ない……なんたるメリバ……。

  • 独特な世界観で他のミステリー作品とは違った印象を受けた。洗脳の怖さがホラーになっているけど、どこかで実際に起きてそうなそんなストーリーだった。漫画とか映像になったら映えそうな作品だろうな

  • ほねがらみのような怖さはないがその分カルト的趣きが濃く、和風「ミッドソマー」といった作風。相変わらず作者の神話、民俗学、宗教への造詣の深さに驚かされる。

  • 話自体は面白かったのだが、宗教や呪術に関してはもう少し突っ込んで、それなりの“解釈”を展開して欲しかった。
    諏訪大社の神事がユダヤ教の経典に語られる物語に類似しているなど、よく知られた話ではあるので、もうちょっとヒネっても良かったかな。

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著者プロフィール

東京都生まれ。2020年、カクヨムにて発表した中編「ほねがらみ‐某所怪談レポートー」がTwitterで話題となり、書籍化決定。21年、同作を改題した『ほねがらみ』でデビュー。古今東西のホラー映画・ホラー小説を偏愛する。

「2022年 『漆黒の慕情』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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