滅びの園 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.13
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本棚登録 : 486
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041112410

作品紹介・あらすじ

ある日、上空に現れた異次元の存在、<未知なるもの>。
それに呼応して、白く有害な不定形生物<プーニー>が出現、無尽蔵に増殖して地球を呑み込もうとする。
少女、相川聖子は、着実に滅亡へと近づく世界を見つめながら、特異体質を活かして人命救助を続けていた。
だが、最大規模の危機に直面し、人々を救うため、最後の賭けに出ることを決意する。
世界の終わりを巡り、いくつもの思いが交錯する。壮大で美しい幻想群像劇。

感想・レビュー・書評

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  • 壮大で美しい幻想群像劇と言う通り、素晴らしい作品。SFファンタジー要素もあり面白かった。わたしの絶望は、誰かの希望。色々考えさせられた。

  • 感想の前にひと言。

    「不意に手にとり購入したけど、読んでたらすでに読んでたことに気がつく。」

    うっかりというか、間抜けでした…。

    まあこんな間抜けなわたしですが、こういう本とのずれた出会いも、読後の心境が過去と違うという発見(過去より成長してたらいいなぁ)があったのでこれもアリだったと思いたい笑。

    長々と個人事情をすみません。
    感想は本当に簡潔に。

    『自分ならばどうしたら正解なのかわからなかった、正解なんてなさそう…』

    人を狂わし異物に変化させる、突如として地上に現れた「プーニー」。

    ことの発端で一章の主人公、鈴上誠一。
    二章の相川聖子。
    三章、野夏旋。
    四章が大鹿理剣。

    未曾有のプーニー災害の中で、渦中の人物が変わり、視点ももちろん変わる。

    タイトルの滅びの園も、紙一重だと思った。

    「もし」なんて言葉、生きてる中でカケラも意味ないと思う反面、それが全てで考えるという価値はそこしかないかもとも思う。

    ちょい書いててわからんくなってきた(^^;



    とても気持ちが揺らいだ作品でした。

  • 【解説:池澤春菜】思弁SFの系譜に連なる、新たな名作――『滅びの園』恒川光太郎著【文庫巻末解説】 | カドブン
    https://kadobun.jp/reviews/entry-41591.html

    滅びの園 恒川 光太郎:文庫 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000508/

  •  ある日突然、上空に表れたい未知の存在。
     
     その日から白いぷにぷにとしたものが地球を吞み込もうとしている。

     その未曾有の危機に立ち向かうもの。逃げるもの。思いがけずにその核になってしまったもの。

     その様々な人間模様がとてもよかったです。

  • 善と悪、希望と絶望、ユートピアとディストピア、喜劇と悲劇……そうした正反対なものは、隣り合い、混ざり合い、ただ単に人の立場で変わってしまうことを思わされた、SF(少し不思議)作品です。

    ブラックな職場と妻とのすれ違いで、心がすり減ったサラリーマンの鈴上誠一。彼はある日、ふと降り立った駅のホームで、現実世界とはどこかズレた世界に迷い込む。居心地のいい世界に徐々に馴染んでいく鈴上。そんな彼の元に、ある日地球からやってきたという男が尋ねてくる。そして男は鈴上に地球の危機的な状況を伝え……

    個人的な読みどころは二つの世界の対比。鈴上が迷い込んだ、穏やかで平和で幸せな、何不自由ない世界と、一方で謎の生物の襲来によって多数の犠牲者が出続ける地球。
    地球での主な語り手となる二人の人生も、それぞれに友人や家族の死であったり、境遇であったりとこの地球だからこその悲劇や波乱に満ちている。一方で鈴上は地球のことを認識しつつも、自分の世界で生き続ける。

    こう書くと、鈴上が怠惰だったり卑怯だったりと思えるけど、話を読んでいくとそうとはなかなか割り切れない。地球の人たちも鈴上も理不尽な事態に陥ったことは変わりなくて、でも決定的に超えられない立場がある。精一杯正しく生きようとしても、それがある人にとっては、悪でしかない。

    第六章は読んでいて、バットマンシリーズの映画『JOKER』をなぜだか思い出しました。本人が悪いわけではないのに、理不尽に転がり落ちていく様子。そして彼の心理の変遷や悟った時の哀しさと可笑しさが、なんとなく身につまされました。

  • 他人の不幸の上に成り立つ幸福は否定されざる得ないものなのか?

    人類に破滅をもたらす物に取り込まれた唯一の人間は夢のような世界で新たな家族と幸せを育みながら暮らす。

    一方、破滅へ向かう人類は起死回生の一手を模索する。

    破滅へ向かう人類の中で耐性を持つ人間達

    其々の立場から生まれる葛藤
    其々の正義の下に物語は進んでいきます。

    個人的には夜市以上スタープレイヤー未満と言ったところでしょうか!

  • 恒川さんの不思議な小説が好きで、文庫が出たら買うようにしてる。
    しばらく目につく所に置いていつでも読めるようにしていたのだけど、読書から少し遠ざかっていて放っていた。
    東京に行く時鞄にいれて、3泊のあいだに読むことができた。

    恒川さんのお話は不思議で繊細で優しい世界観があって、ほかのSF小説にない穏やかな気持ちで読めるのがいい。
    そしてやりきれない、答えがでないもやもやしたものが残る。けれど、それも心地よく感じるから不思議。

    滅びの園は何人もの目線で描かれていて、それぞれの正解があってそれぞれが信念をもっている。
    それでいいんだろうな。お互いのことなんて理解なんてしなくていいんじゃないかなって思う。
    とても面白かった。
    たくさんの人に読んでほしいと思う。

  • ブラック企業に勤める鈴上はある日楽園のような世界に飛ばされるが、戸惑いながらもその地に根付いていく。
    一方、鈴上のいなくなった地球にはある異変が――
    自分にとっての正義は他人にとっての悪かもしれない。
    正しいってなんだろう。もし家族を守るためなら私は正しい選択できるのだろうか。
    誰にとって正しいかなんて、誰にも分かるはずがないのに。

    物凄いファンタジーなのに、哲学書を読んだ気分だった。

  • すごく良かった。人にはそれぞれ見えている世界があって、良いも悪いも逆になり得て、、という多面性がこのプーニー災害という、現実離れした世界観で描かれているのにまず痺れる。
    そんな設定なのに、野夏旋への世論の反応などは、あり得るなぁ〜と思わせられる現実味があって、そこら辺のディテールも好き。
    突入者となった理剣と舞が突入の日を知って、「ギリギリ桜は見れないね」って話すシーンなど、地球規模の話と日常感が隣合わさっている雰囲気も良かった。

  • 相変わらずの恒川ワールド
    世界観が好きすぎる。
    今回はSF色強めです。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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