- KADOKAWA (2021年5月21日発売)
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感想 : 89件
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784041112410
作品紹介・あらすじ
ある日、上空に現れた異次元の存在、<未知なるもの>。
それに呼応して、白く有害な不定形生物<プーニー>が出現、無尽蔵に増殖して地球を呑み込もうとする。
少女、相川聖子は、着実に滅亡へと近づく世界を見つめながら、特異体質を活かして人命救助を続けていた。
だが、最大規模の危機に直面し、人々を救うため、最後の賭けに出ることを決意する。
世界の終わりを巡り、いくつもの思いが交錯する。壮大で美しい幻想群像劇。
みんなの感想まとめ
異次元の存在とそれに呼応する生物が引き起こす危機的状況を背景に、深いテーマが織り交ぜられた物語が展開されます。主人公の少女、相川聖子は、滅亡へと向かう世界で人命救助に尽力しながら、自身の人生と他者の人...
感想・レビュー・書評
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恒川先生初読み。
異世界や異生物が登場するSF小説。時に前置きなく世界観が提示されるため、すぐ物語に引きこまれた。
個人的に世界観の説明や理屈がないのは読みやすくて嬉しい点でしたが、気になる人もいるかな?
物語の命題は自分の人生と自分以外の人生、どちらを優先すべきか、というなかなかシビアなもので、最後までどちらになるのか、ハラハラしながらの読書。面白い小説でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある日サラリーマンの鈴上誠一は不思議な世界に迷い込む。魔女や魔法使いがいるけども平和な世界に。過去の現実のことは朧気になっていた。
一方現実の地球では謎のプーニーという生き物が全てを食いつくそうとしていた。
なんともいえない読後感。因果応報だなあと思った。 -
壮大で美しい幻想群像劇と言う通り、素晴らしい作品。SFファンタジー要素もあり面白かった。わたしの絶望は、誰かの希望。色々考えさせられた。
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感想の前にひと言。
「不意に手にとり購入したけど、読んでたらすでに読んでたことに気がつく。」
うっかりというか、間抜けでした…。
まあこんな間抜けなわたしですが、こういう本とのずれた出会いも、読後の心境が過去と違うという発見(過去より成長してたらいいなぁ)があったのでこれもアリだったと思いたい笑。
長々と個人事情をすみません。
感想は本当に簡潔に。
『自分ならばどうしたら正解なのかわからなかった、正解なんてなさそう…』
人を狂わし異物に変化させる、突如として地上に現れた「プーニー」。
ことの発端で一章の主人公、鈴上誠一。
二章の相川聖子。
三章、野夏旋。
四章が大鹿理剣。
未曾有のプーニー災害の中で、渦中の人物が変わり、視点ももちろん変わる。
タイトルの滅びの園も、紙一重だと思った。
「もし」なんて言葉、生きてる中でカケラも意味ないと思う反面、それが全てで考えるという価値はそこしかないかもとも思う。
ちょい書いててわからんくなってきた(^^;
とても気持ちが揺らいだ作品でした。 -
今まで読んだことのない世界観でした。第1章で脱落しかけたものの、第2章から急激に目が離せない展開に。
地球外生物プーニーが世界中に出現。増殖して人類存続を脅かす恐怖、大気圏上の未知なるものとの決死の戦い、SF小説が好きな方にはお勧めの一冊です。 -
【解説:池澤春菜】思弁SFの系譜に連なる、新たな名作――『滅びの園』恒川光太郎著【文庫巻末解説】 | カドブン
https://kadobun.jp/reviews/entry-41591.html
滅びの園 恒川 光太郎:文庫 | KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/322012000508/ -
しばらくぼうっと空を見上げてしまった。
残酷なディストピアなのに、こんなに美しく描けるのは恒川先生の文章力なのだろう。
「わたしの絶望は、誰かの希望。」という言葉の重みが突き刺さる傑作。 -
『秋の牢獄』以来、恒川作品五作目。なんとなーく惹かれて購入。基本ファンタジーは読まないのだが、恒川さんの世界観は特別。ただのファンタジーではなく[+α]の世界観が多いからかも…。この作品(+SFっぽいかな?)はタイトルからは恐ろしい感じを受けたが、実際読んでみると——その"異界"は理想郷だと感じた。嫌な人間はいないし、不幸なことも起きない。それが……。
なんとも言えぬ読後感。彼は最後、どうなってしまったのか?とても良い作品でした。星四つ半。
P.S.某ゲームのキャラクター、プリニーを思い浮かべたのはわたしだけじゃないはず…笑。 -
こういうSFファンタジー好き。立場によって善と悪は違うといった類の話はおもしろい。著者の文体も不思議な世界観にとてもあっていて読んでいて楽しい。おもしろかったのでブログで紹介してます。https://chobidoku.com/horobinosono/
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スタープレイヤーのようながっつりファンタジーと思いきや、そこにそこはかとないSF要素。
ユートピアとディストピアが交互に描かれてそれぞれの世界の人物に共感するものの、やはり意図せず放り込まれただけなのに見知らぬ大勢のためにと絶望に突き落とされる鈴上に幸せに過ごしてほしいと思ってしまう。
プーニーの語感の可愛さと存在の気持ち悪さを思いつき同居させるのは流石。 -
善と悪、希望と絶望、ユートピアとディストピア、喜劇と悲劇……そうした正反対なものは、隣り合い、混ざり合い、ただ単に人の立場で変わってしまうことを思わされた、SF(少し不思議)作品です。
ブラックな職場と妻とのすれ違いで、心がすり減ったサラリーマンの鈴上誠一。彼はある日、ふと降り立った駅のホームで、現実世界とはどこかズレた世界に迷い込む。居心地のいい世界に徐々に馴染んでいく鈴上。そんな彼の元に、ある日地球からやってきたという男が尋ねてくる。そして男は鈴上に地球の危機的な状況を伝え……
個人的な読みどころは二つの世界の対比。鈴上が迷い込んだ、穏やかで平和で幸せな、何不自由ない世界と、一方で謎の生物の襲来によって多数の犠牲者が出続ける地球。
地球での主な語り手となる二人の人生も、それぞれに友人や家族の死であったり、境遇であったりとこの地球だからこその悲劇や波乱に満ちている。一方で鈴上は地球のことを認識しつつも、自分の世界で生き続ける。
こう書くと、鈴上が怠惰だったり卑怯だったりと思えるけど、話を読んでいくとそうとはなかなか割り切れない。地球の人たちも鈴上も理不尽な事態に陥ったことは変わりなくて、でも決定的に超えられない立場がある。精一杯正しく生きようとしても、それがある人にとっては、悪でしかない。
第六章は読んでいて、バットマンシリーズの映画『JOKER』をなぜだか思い出しました。本人が悪いわけではないのに、理不尽に転がり落ちていく様子。そして彼の心理の変遷や悟った時の哀しさと可笑しさが、なんとなく身につまされました。 -
他人の不幸の上に成り立つ幸福は否定されざる得ないものなのか?
人類に破滅をもたらす物に取り込まれた唯一の人間は夢のような世界で新たな家族と幸せを育みながら暮らす。
一方、破滅へ向かう人類は起死回生の一手を模索する。
破滅へ向かう人類の中で耐性を持つ人間達
其々の立場から生まれる葛藤
其々の正義の下に物語は進んでいきます。
個人的には夜市以上スタープレイヤー未満と言ったところでしょうか! -
恒川さんの不思議な小説が好きで、文庫が出たら買うようにしてる。
しばらく目につく所に置いていつでも読めるようにしていたのだけど、読書から少し遠ざかっていて放っていた。
東京に行く時鞄にいれて、3泊のあいだに読むことができた。
恒川さんのお話は不思議で繊細で優しい世界観があって、ほかのSF小説にない穏やかな気持ちで読めるのがいい。
そしてやりきれない、答えがでないもやもやしたものが残る。けれど、それも心地よく感じるから不思議。
滅びの園は何人もの目線で描かれていて、それぞれの正解があってそれぞれが信念をもっている。
それでいいんだろうな。お互いのことなんて理解なんてしなくていいんじゃないかなって思う。
とても面白かった。
たくさんの人に読んでほしいと思う。 -
ブラック企業に勤める鈴上はある日楽園のような世界に飛ばされるが、戸惑いながらもその地に根付いていく。
一方、鈴上のいなくなった地球にはある異変が――
自分にとっての正義は他人にとっての悪かもしれない。
正しいってなんだろう。もし家族を守るためなら私は正しい選択できるのだろうか。
誰にとって正しいかなんて、誰にも分かるはずがないのに。
物凄いファンタジーなのに、哲学書を読んだ気分だった。 -
誰が主人公なのかと聞かれたら分からないくらい、色んな人の視点で描かれています。
そして、それぞれの想いが次第に交錯していく感じ。
特に大きな展開がある訳ではないですが、先の見えない展開にスラスラと読み進めてしまいました。
ある人にとっては善でも、ある人にとっては悪になる。
読み終えた後は「結局何だったんだろう」という気持ちになりましたが、解説にあったトロッコ問題でまさにそれだとなりました。概念の世界とかプーニーは結局分からないです。でも、あなたならどうする?を問いかけられているようなお話でした。
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相変わらずの恒川ワールド
世界観が好きすぎる。
今回はSF色強めです。
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恒川作品長編。
地球外生命体がクラゲのように地球についてそこから地球の破滅へと向かう物語。
SFなんだけど、地球の混乱とか一人一人の物語がリアルすぎてSFっぽくない。
特に相川目線の中学生の頃のお話とか懐かしさを覚えた。難しいお年頃のバランスの取りづらい感情の変化とか物語全体ってよりはそこに存在しているキャラクター設定が緻密。プーマーとよばれる生物が街を、人を呑み込んでいき、最後は栄養素になるとか上手くできすぎ。
読んでてちょっと伊坂幸太郎らしさがあるな、とか感じたりした。
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著者プロフィール
恒川光太郎の作品
