警視庁アウトサイダー (2) (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041112458

作品紹介・あらすじ

■連続テレビドラマ化! 話題沸騰の人気シリーズ■

桜町中央署管区のアパート建設予定地で、白骨化した男性の射殺体が発見された。
刑事課のエース・蓮見と元マル暴刑事・架川も臨場するが、遺体の所持品には2人の上司である矢上の名刺が。
男はやくざだったが、足を洗いたいと矢上に相談していたという。
蓮見と架川の凸凹コンビに堅実派の矢上も加わるが捜査は難航、さらに蓮見が追い続ける父親の冤罪事件も、意外
な真相が明らかになり……。

感動と驚きのシリーズ第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 父親の冤罪を晴らすために別人になりすましている桜町中央署のホープ刑事・蓮見光輔。本庁組織犯罪対策第四課へ返り咲くために手柄を立てたい架川英児。奇妙なコンビが様々な事件に挑みながら光輔の父親の事件の真相に迫るシリーズ第二作。

    前作では光輔の秘密が明らかになり、同時にその核心である彼の父親の冤罪事件が架川の左遷にも繋がって面白くなってきたところで終わった。
    今回は二人の関係が単なる利害の一致ではなく一歩深まるところへ進む。

    第一話では架川の娘・愛理が登場。離婚により架川とは別居しているが、その愛理が友人の母親の転落事件について調べて欲しいという。
    愛理は見た目こそ普通の女子高生だが、架川の娘らしく押しの強さで光輔と架川を調査協力に引き込んでいく。そして愛理は母親(架川の元妻)同様『男の趣味が悪い』ようだ。

    第二話では発見された白骨化遺体の所持品から二人の上司である矢上課長の古い名刺が出てきたことから、光輔と架川コンビに矢上も加わってのトリオでの捜査となる。
    ここで繰り広げられるのは矢上のモットーである『基本に忠実に』だ。『八何(はつか)の原則』や現場観察の基本など、警察学校で習うことらしいのだが興味深い。
    ここでは矢上の家族を大切にしているところや涙もろさなど人の好さが全開だ。

    一方、光輔の父親の冤罪事件の調査も進んでいる。前作では多くの警察内部の人間が関わっていることが分かっていて、その関係者たちが遣わせた監察係の若井に架川と光輔は監視されていたし、今回も別の人間が遣わされている。
    光輔は良い情報源が見つかったと喜んでいるようだが、読者としてはハラハラし通しだ。
    この第二作での光輔は前作のような注意深さが身を潜め、冤罪事件の捜査に前のめりになりすぎているようだ。そこを架川も心配し注意するが、逆にそのことで二人の間に溝が入る。

    第三話では架川が自ら冤罪事件の掘り起こしに乗り出すのだが、思いがけず事件被害者が当時勤めていた『クラブコフレ』のホステス行方不明事件を手掛けることになる。
    さらに架川は当時ママを務めていた小浜三代子が事件の何かを目撃したのではないかという証言を得るが、一方の光輔がその三代子に接触した途端に彼女は放火事件により命を落とす。
    前作でも事件の関係者が次々と亡くなっていったが、敵は本当に容赦がない。

    これまでの二作品で分かったところは、冤罪事件の裏にあるのは長野県警が所有していた土地の入札に関わる何かしらの不正のようだ。そこにはリゾート会社や暴力団も関わっていて、黒川博行さんの疫病神シリーズなら間違いなく桑原が出張ってきそうな案件だ。
    さらに今度は警視庁が所有している奥多摩の土地の入札が行われるらしく、次の作品ではまた物事が動き出すということだろうか。

    架川は光輔に内緒で彼の父親に会いに行ったり冤罪事件を調べたりして、光輔を本庁返り咲きの足掛かりではなく彼と本当のコンビになろうとしている。光輔にはまだ先を焦っているようなのが心配だが、三代子が残してくれた手掛かりで次はいよいよ核心に迫るのかそれとも逆に窮地に陥るのか。
    一番気になるのはまだ名前の明かされていない黒幕グループの中心人物。グループを上回る大物なのか、それともすでに登場している人物たちの誰かなのか。

    レビューはシリアス路線になってしまったが、作品は加藤さんらしくヤクザネタを入れてきたり、鑑識の女性警察官・仁科が架川に弱み(しょうもないこと)を握られているために協力させられたり、若井が相変わらず二人の関係性を勘違いしていたりというコミカル要素も入っているので読みやすい。

    ※シリーズ作品
    ①「警視庁アウトサイダー」
    (レビュー登録あり)

  •  TVも別々にすればよかったのになぁ。

     こちらはこちらでとても面白いんだけど、無印の完結は次の巻ですね。

     6日にコロナになってやっと大丈夫かと思ったら、治らず。明日は介護施設(父のね)や病院、自分の病院へも連絡しなくてはいけない。

     とほほ、コロナって面倒くさい。時間は持て余してます。咳も熱も治まったので。

  • あらすじ
     ふたりは日々の仕事を捜査しながら、蓮見・実名梶間直人の父・優人の冤罪を晴らすためにも行動する。架川も自分の濡れ衣は果たせたが、藤原の敵?を討つために刑事課に留まる。梶間の事件で、証言を行った長野県警の会計課長補佐折原の行方がわからない。また組織犯罪対策課では定村修斗という29歳が派遣されてくる。元は事務畑の人間、そして梶間を陥れた船津達の手下。
     架川は長野に行き、被害者の歌川チカが働いていたクラブを訪れる。クラブでは警察幹部も出入りしていた。当時クラブのママだった三代子は東京でスナックを開いていた。同じ頃、蓮見は、三代子に近づいていたが、彼女は放火によって命を落としてしまう。
    《感想》
     謎は全て解明していないよ。次の作品に続くよ。
     今回一番味を出していたのは、蓮見たちの上司、刑事課課長矢上。真面目で心配性、定年まであと5年を残し、退職後の趣味探しに忙しい。人が良くて、エピソードの一つ、暴力団から足抜けしたいと思っている男性が殺害された事件では責任を感じたりしている。また架川のことが苦手だと言いながら、捜査にアドバイスしたりしている。その捜査方法も基本に忠実。すごく好感を持てた。

  • 感想
    蓮見と架川は事件を解決しつつも、梶間優人の事件に関わる情報を集める。凸凹コンビも段々噛み合ってきた感じがある。

    警察上層部とヒラ刑事の闘い。続きが気になる。

    あらすじ
    元マル暴の架川と身元を偽ったエース刑事の蓮見の凸凹コンビが事件解決に奔走する。第二弾。

    最初はアニメオタクが殺された事件を追う。架川の紹介で総務部から組対に異動になった定村から、長野の梶間事件の情報を引き出すも、定村が上層部のスパイの可能性も!?組対四課の船津課長が、蓮見と架川の動向を探らせ、始末する機会を伺っていた。

    架川は休暇をとって春蘭市に出向き、梶間優人の殺人事件の洗い直しを行う。信濃一家が運営するクラブのコフレに出向き、バーテンから先代ママの怪しい行動の証言をえる。一方の蓮見はコフレの先代ママが小岩で開いたスナックに出向き、手掛かりを得ようとするも、スナックが放火され、先代ママは命を落とす。

    東京の土地の払い下げの動きがあり、組対と暴力団が怪しい動きをする。次巻へ。

  • 前作もそうでしたが、最後に必ず誰か死にますね、それも紆余曲折会って二人が追う秘密に関係していそうな人物が。

    シリーズ2作目ということで、前作よりも二人が追う秘密に近づきつつある雰囲気ですが、これに絡む人物関係がちょっとややこしいかな、という点が否めない+蓮見の聖人君子ぶりがやっぱりもう少しブラックな書き方をしたほうがよいかも(これは前作のレビューにも書きましたが)。

    本作では蓮見(直人)の父親である優人も登場、架川と交わす会話は少ないものの、息子である直人を想う気持ちにあふれていて。。。次巻も期待。

  • 3編収録。ドラマの原作だがドラマ版とはちょっとちがう話になっている。
    架川の娘が登場したり、架川が一人で捜査したりとなかなか面白かった。「一枚の名刺」で捜査に加わった上司の矢上がいい味を出している。

  • 大どんでん返しはないが、黒幕に徐々に近づきつつあり一気読みしてしまった。3.5

  • 現在(2023年1月)放送中の西島秀俊・濱田岳主演のテレ朝系連ドラの原作3部作の2作目。2人がなんやかやと云いながらいいバディになってきた感じ。個々の事件はともかく、大きな事件の全貌はまだ見えない

  • 桜町中央署管区のアパート建設予定地で、白骨化した男性の射殺体が発見された。
    刑事課のエース・蓮見と元マル暴刑事・架川も臨場するが、遺体の所持品には2人の上司である矢上の名刺が。
    男はやくざだったが、足を洗いたいと矢上に相談していたという。
    蓮見と架川の凸凹コンビに堅実派の矢上も加わるが捜査は難航、さらに蓮見が追い続ける父親の冤罪事件も、意外
    な真相が明らかになり……。

  •  なりすましで刑事になった蓮見、マル暴に返り咲きたい架川。利害の一致でコンビを組んでいる二人に真面目な上司の矢上も加わりトリオで事件を追う事に…

     架川の娘が登場。父と娘のやり取りも、ぶっきらぼうながらにちゃんと親子してて微笑ましかったです。

     そして、蓮見の父の事件関係者とついに接触。ちょっと暴走気味の蓮見を珍しくストッパーになる架川。凸凹コンビだったけど、バディらしくなってきたと思います。
     少しずつ冤罪事件の核心に迫りつつあって、次巻でどう動くか楽しみです。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。2003年「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー。同作は書籍化され大人気シリーズとなり、ドラマ化、舞台化、コミック化された。他著に「モップガール」シリーズ、「アー・ユー・テディ?」シリーズ、『チャンネルファンタズモ』『ご依頼は真昼のバーへBarホロウの事件帳』『風が吹けば』『桜田門のさくらちゃん』『学スクール園王キングダム国』『ゴールデンコンビ 婚活刑事& シンママ警察通訳人』「メゾン・ド・ポリス」シリーズ、『警視庁レッドリスト』などがある。

「2023年 『警視庁アウトサイダー The second act 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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