- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041112519
作品紹介・あらすじ
建築士だった父の背中を追い、木之本工務店に勤める二級建築士のさくら。彼女がクライアントに寄り添い提案する改築案は、彼らの生き方まで変えていく……。暖かくて感動的なお仕事小説!
感想・レビュー・書評
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学校の体操着の指定販売店としての売上くらいしかないスポーツ用品店から、リフォームの依頼がきた。新米建築士の主人公さくらは勇んでプランの提案をするが、店主はなぜか投げやり。こんな個人でやっているようなスポーツ用品店に未来なんてあるかっ!と口に出さないが思っている。リフォームに積極的なのは奥さんだけで、息子は無気力な父を蔑んでいる。なんだか複雑な理由がありそうだ。
リフォームすることが設計事務所の仕事、仕事としてはそれだけ。でも、主人公さくらは悩む。はたしてそれだけでいいのだろうか。この家族はどんな願いを込めてリフォームを依頼してきたのか。
熱意はあるけど、経験はまだまだ。上司やクライアントから怒鳴られても、挫けそうになる心を、奮い立たせて、施主が言葉にできない願いを汲み取ろうと力を尽くす。
そして遂には、思わず唸るリフォームの提案が!
四章からなるこの小説の第一章が、このスポーツ用品店の話なんだけれども、いやぁ、これがほんとに見事な提案で、想像もしていないところから解決策を持ってきた。結果、家族の絆も強くなり、満点解答じゃない?
第二章は老舗和菓子店の二号店出店で顕わになった兄弟間の確執を見事解決。
第三章では後発パーソナルトレーニングジムの店舗プランで、クライアントが気づいていなかった特殊技能を見つけだし、差別化に成功。
第四章ではアウトレットモールに客を取られた小さなドライブインのような4軒の店舗の再生を成功させる。
店舗の再生といっても、建築士任せにしてもうまくいかない。あくまでもクライアントとの共同作業だ。言葉にできないクライアントの願いをいかに汲みとって、それを設計に組み込んでいけるかどうかだ。
これ、ほんとに連ドラ化して欲しい。視聴率取れると思う。
リフォームするのは、店舗だけじゃない。人の心も、その後の人生も。
さくらのような熱血建築士、ほんとにいたら良いなぁ。出会ってみたい。うちの会社でも依頼したいよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人のマインドをリフォームする
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「みんなで幸せになりましょう」決め台詞。
人のことを思って仕事をする。人のためになる事をする。リフォームされたい。 -
続編あるかなぁ
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期待を持って読み始めたので、あまりはまれず。
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リフォームを依頼した方の要望を満たすように動いたり、その場所を活かす方法を見つけ出したり、ミステリーのような話のラストあたりでの『そうくるかっ』という爽快感があった。
著者プロフィール
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