木曜日の子ども (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 642
感想 : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041113073

作品紹介・あらすじ

7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。結婚を機にその地に移った私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との関係をうまく築けずにいた。晴彦は、犯人の上田祐太郎の面影があるらしい。上田が社会に復帰したこの夏、ある噂が流れる――世界の終わりを見せるため、ウエダサマが降臨した。やがて近所で飼い犬の変死、学校への脅迫が相次ぎ、私と晴彦の距離は縮まらないまま、再び「事件」が起きる。

感想・レビュー・書評

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  • 重松清さんの作品は三作品め!
    映画化される『とんび』が良き昭和良き家族の物語であったのが懐かしい・・・

    本作品は『とんび』と比べると真逆の方向に振られた家族の物語!

    バツイチで連れ子ありの女性と職場結婚する事になった主人公の清水は連れ子の晴彦(14歳)の良き父親であろうとする事に努力しようとするハートフルな物語と思いきや・・・

    7年前に給食に毒物を混入させ、同級生9人の命を奪った上田祐太郎が、かつて住んでいた街を舞台に少しずつ得体の知れない何かが動き出す・・・


    癒しを求めている時、仕事に疲れている時に読むのはオススメしません。
    間違いなく、物語と現実の距離感が読み手気持ちを不安にさせます。

  • 主人公は42歳の私。妻の香奈恵は再婚で、連れ子の14歳の中学生晴彦との3人家族。
    引っ越してきた地区は、7年前、中学校で無差別毒殺事件が起きた旭ヶ丘。晴彦が、無差別殺人の犯人の面影があることから、物語は不穏な方向へと動き出し、不気味な事件が続いて起きる。
    読者に、ヒリヒリするような緊迫感を抱かせる小説。
    ある登場人物が語る。
    「だって、戦争もそうでしょ?最初は領土の争いとかメンツがどうしたとかで始まって、最後は国が滅びちゃったりするわけじゃないですか。核兵器使ったら、世界まで滅びるわけでしょ?世界が滅びる『ついで』や『おまけ』で、誰かが巻き添えをくって殺されちゃうわけじゃなくて、誰かが滅びる『ついで』や『おまけ』で・・・世界まで一緒に、バーン・・・」に、ロシアとプーチンを連想してしまった。

  • 再婚相手の中二の息子と、過去に中学二年生が同級生を無差別に毒殺した事件があった地域に引っ越してきた男性。事件の犯人が出所し、子供達の間で神格化されていることと、息子が少なからず影響を受けていることを感じ、恐怖感を覚える前半。何を考えているかわからない多感な若者の中にある無邪気で深い闇をゾワゾワと感じて、本当に怖かった。後半の犯人との絡みは、中二病を拗らせて宗教的な自己思想に陶酔した痛い奴がマインドコントロールを頑張ってるみたいな印象だな。最後にどう論破するかを期待して読み進め、なるほど、そこに落とすかと。お父さん頑張った。

  • 人の心の内の闇を見た気がしました。

    世界の終わり。自分がいなくなったあとの世界。目に見える世界だけが消えてしまえば、それで自分の世界は終わるのだ。あっけなく。あっさりと。
    あらゆるすべての世界が、自分の意識の中で作りあげられたとものだとしたら、自分の死は世界そのものの死になりうる。
    ー世界とはなんだー

    相手か私。どちらかの世界が消えれば世界はなくなってしまうのか。今の私にはそうは思えない。
    今は。

  • 現実にありそうでなくて、無さそうでありそうだから怖かった。
    はずなのに、読む手が止まらなかった

  • 学校の給食に猛毒のワルキューレを混ぜた無差別な殺人事件。それから7年後、その街で結婚を機に生活を始める3人の家族。
    前半は、伊岡瞬さんの小説にある、ひとの本性の様な怖さを感じました。

    主人公は40代。妻の連れ子の晴彦との関係に悩む。
    学校のいじめの問題や息子が生まれてから会うまでの空白の時間。晴彦の出来の良すぎる義理の息子としての態度も違和感に拍車をかける。

    後半はカタストロフィの様に終末的な様相になり、登場する人たちの誰が味方で、誰が敵なのか混沌としてきます。

    子供は生まれてくる場所を選べない。どんなに理想を語っても、やはり世界は理不尽だと思う。大人も子供も大変な世界に生きているのだと思わずにはいられません。

    大人になるということは経済的な自由を手に入れることと引き換えに、更に大きな社会のルールに縛られることになるのかなと感じました。

  • グイグイ引き込まれて読めるんだけど、
    最後になるにつれてちょっと設定がイマイチ盛り上がれなかった。
    違う方向になった方がもっと楽しめたかなぁ。

  • 前半すごくおもしろくて読みやすかった分、
    後半がなかなか読み進められなかった。
    薄気味悪いかんじがすごい。

  • 薄気味悪くも引き込まれてしまった。
    重松さん作品読み始めたころはまだ子供側に
    感情移入してた気がするけど
    もう親の方の気持ちにしかなれない。
    というかここまでされてまだ晴彦の父親になろうと思える
    主人公がすごいな。

  • 後半までは、ハラハラ、スリルがあって引き込まれたが、、後半の流れがリアリティがなく残念に思ってしまった。

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著者プロフィール

1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年に『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。小説作品に『流星ワゴン』『愛妻日記』『カシオペアの丘で』『赤ヘル1975』など多数。

「2022年 『旧友再会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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