二十四の瞳 (角川文庫)

  • 角川書店 (1961年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784041113080

感想・レビュー・書評

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  • 普通選挙が始まりはしたものの、
    その成果の効果も実感をもってまだ感じられていないような
    漁村での先生と12人の生徒の話。
    小学校の話が前提としてあり、
    その話があるからこそ、戦争後の回想シーンがより感慨深い。
    初めて受け持った12人の生徒のそれぞれの人生が先生の回想と共に描かれている。
    ある者は母の死によって小学校に来ることはもちろん、
    扶養家族として養われることも出来ずに親戚に出されたり
    家族のその日の暮らしのために売りに出されたりと
    戦争に起因する貧困を訴えている。
    戦争による不幸でその際たるものは人の死であって
    12人の生徒のうち、ほとんどの男子生徒は戦死する。
    生き残った男子も失明していたりと戦後も続く不幸が悲しい。
    直接戦争や空襲といったシーンは描写されていないが、
    先生の回想や思い出話で出る戦争のシーンが
    間接的ながら直接の描写より生々しく悲しさが増す。
    先生の家族で、「戦争は六人の家族を三人にしてしまった」という文が
    戦争の悲惨さを力強く語っているように感じた。

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著者プロフィール

明治32年(1899)8月5日、醤油の樽職人である岩井藤吉、妻アサの五女として坂手村(現小豆島町坂手)に生まれた。
幼少時に家計が傾いたため、他家の子守をしながら坂手尋常小学校へ通い、内海高等小学校を卒業。村の郵便局、村役場等に勤める傍ら文学書を読む。
大正14年(1925)同郷の壺井繁治をたよって上京し結婚した。繁治や黒島伝治、佐多稲子などプロレタリアの作家の影響をうけ、昭和13年(1938)処女作『大根の葉』を文芸に発表。以来『暦』『初旅』『母のない子と子のない母と』など、小説、随筆を1,500篇あまり発表し、新潮社文芸賞、児童文学賞、芸術選奨文部大臣賞、女流文学者賞などを受ける。
中でも昭和29年(1954)木下惠介監督で映画化された『二十四の瞳』は一躍有名となり、今日の観光小豆島の盛況の端緒を開いた。
昭和42年(1967)5月3日内海町(現小豆島町)名誉町民の称号が与えられる。6月23日67歳、東京で没した。

「2025年 『絣の着物 壺井栄戦争末期短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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