二十四の瞳 (角川文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041113110

作品紹介・あらすじ

昭和のはじめ、瀬戸内海べりの一寒村の小学校に赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちによる、人情味あふれる物語。分教場でのふれあいを通じて絆を深めていった新米教師と子どもたちだったが、戦争の渦に巻き込まれながら、彼らの運命は大きく変えられてしまう…。戦争がもたらす不幸と悲劇、そして貧しい者がいつも虐げられることに対する厳しい怒りを訴えた不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 学校の先生っていつまでも覚えてるなぁ。教え子もかわいいんだろうなぁ。

  • 昭和初期の日本各地に沢山あった心の物語と言って良いだろう。
    女学校卒の新米女(おなご)先生と12人の小学生との仲睦まじい学校生活にホッコリしながらも、当時の庶民の生活や雲行きが怪しくなる世相が描かれている。
    戦争が拡大するにつれて瀬戸内の小さな村にも、その影響が浸透してくる。
    貧困、徴兵、赤狩り、食料不足が当時の日本の隅々までやってきて、悲しみが充満していた様子を大石先生の目線でつぶさに描かれている。
    夫も教え子の男の子も戦争に送り出す女性の悲しみはいかばかりだろう。
    後半は涙無しには読み進められなかった…
    この時代を生きた人々の子孫たる私達が読みついで行きたい作品だった
    作中の小豆島弁が物語を一層色濃くした

  • 読んだことなかった名作。
    戦時中の人々の本音が見え隠れするようだった。
    戦争下に生まれ育った幼い大吉の、当然のような「戦死=栄誉、羨望」という思考に、人間が教育や環境によっていかようにもなってしまう怖さを感じた。

  • 瀬戸内の岬にある分教場に赴任してきた大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちの賑やかな学校生活と、やがて戦争に巻き込まれ散り散りになってしまうそれぞれの運命を追いかけた不朽の名作。

    私もこういう小説を読むようになったんだな、としみじみ。
    でも新米教師と子どもたちのほっこり成長物語、と思っていたら大間違い。
    戦争への怒りと悲しみ、この時代に生まれたことの不条理、女であることの理不尽……胸にずしんと重みを残していくエピソードが次から次に出てくる。選挙権は無い、子守で学校へ通えないことなんて当然、国のために散ることが栄誉、反戦思想を持てば即逮捕、疑問を持つことさえ許されない。これがかつての日本の姿だったんだ。
    それでもそんな激動の情勢下で、不況や貧乏にも脅かされることなく、今という時間を駆け回りすくすくと成長する子どもたちの、なんと無垢で力強いことか。

    とても良い本を読んだ。一年のせめてこの時期だけでも、こうして75年前のことを知る機会を増やし、自分なりに歴史を考え続けていきたい。

  • 泣いた。素晴らしい作品、の一言。


    高校生のときに読んでおきたかった。でも今読めて本当に良かった。


    平和な時代に生まれてきた僕は、平和な世の中を当たり前と思っていた。


    でもこの作品には、そんな当たり前はなかった。


    僕たちには、この平和な時代を守り、そして二度と戦争がおこらないようにする義務があると強く感じた。


    **********


    罪もない若人の命を奪っていく戦争は次のような時代だった。


    国民精神総動員。戦争に身も心も投げ込めと教え、従わされた時代。


    男たちにはどうしても逃れることのできない道。


    母親たちには戦場で散る命を惜しみ悲しみ止めることもできない。


    治安を維持するということは、命な大切さを訴え命を守ることではない時代。


    戦争に取られる不安を口にしてもいけない時代。


    自分だけではないという理由だけで、発言権を取り上げられていた時代。


    学徒は戦争に動員され、女子供は勤労奉仕にでる時代。


    航空兵を志す少年はそれだけで英雄となる時代。


    花のように散ることが究極の目的とされる時代。


    それが栄誉とされる時代。


    戦士が名誉である時代。


    そういう教育をされる時代。しなければいけない時代。


    **********


    こんな時代があっていいものか。いや、良いはずがない。


    平和のために自分のできること。それは海外の友達や外国人同僚との交流を更に深め、相手を理解し、相手の文化や風習をリスペクトすること、そして、対話を持って解決策を模索していくことにあると思う。

  • 名作なのに読んでいなかった。小豆島の映画村に行きたいのでその前に電書で読了。戦前から戦後にかけて、こんな小さな村にもいなくなった人が多いのが辛い。優しい語り口なのに強く平和を訴える物語だった。

  • 小学生の時に読んだ以来、本棚に眠ってるのを出してきました。こんな風に子どもたちに真摯に向き合える先生になりたいなって思った。子どもたちを想うからこその、戦争に対する先生の姿勢。どんな世の中でも、自分の生き方を貫く先生がかっこよかった。いつ読んでも感慨深い名作。

  • 終戦から十年ちょいで発売。
    これ舞台は瀬戸内海の島だそうなんですが、どこかな?作者様が小豆島出品のようなので、やはり小豆島なのかしら??
    喋り方がうちの地方の方言に似ていたので、わりかしすんなりと読めた感じはある。
    が、これ慣れない人は手こずりそうだなーと思って読みました。笑

    瀬戸内海の島の小さな集落。そこで過ごす先生と生徒の物語。
    本当に今じゃ考えられないことばかり。
    アカって何?っていうそんな田舎でも、確実に戦争の手は伸びている。
    物は戦争のために持っていかれ、人も次々取られ帰ってこない。
    また、生活のために売られていく子がいて、助けることができない。

    先生はなんとやりきれなかったことだろう

    先生を通して子どもたちを追っかけていくのが切なく、最後にほろりと来ました。



    @手持ち本

  • 小学校以来久しぶりに読んだ。
    持ってたイメージとは全く違う。
    きっと私が年を重ねたからだ。
    ただ、戦争はどんな理由があれ、
    することではないということは
    小学校の時から変わらない。

  • 何度も映画化されている名作。

    個人的には、エピソードが時代ごとのぶつ切りっぽいところが、
    ちょっと消化不良。

    しかし、「戦争をしてはいけない」というメッセージ1点のみだけは、
    しっかり伝わってきた。

    短い話なので、
    夏休みの読書感想文にはぴったり。
    もう少し若いころに読んでみたかった。

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著者プロフィール

1899年、香川県小豆島生まれ。1938年、処女作である「大根の葉」を発表後、「母のない子と子のない母」など、数多くの作品を執筆。1952年に発表された「二十四の瞳」は映画化され、小豆島の名を全国に知らしめた。1967年、気管支ぜんそくのため67歳で死亡

「2007年 『二十四の瞳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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