- 本 ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041113158
作品紹介・あらすじ
突然小さなお店を経営することになった海果だが、奮闘むなしく店は閑古鳥。そんなある日、ちょっぴり生意気そうな女の子に出会う。「人生の戦力外通知」をされた人々の再生を、温かなまなざしで描く物語.
感想・レビュー・書評
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喜多嶋隆さん2冊目。湘南は葉山の食堂を舞台にした物語。海と季節の移り変わりの様子が、読んでいてとても心地良かった。ワケありの食堂を切り盛りするのは18歳の少女。何かと上手くいきすぎでは…と無粋なことを考えてしまったが、出てくる魚料理やさばさばしているけど温かい登場人物らが、海辺の街ととてもマッチしており、面白く読み進められた。私はこれまで海のある街に暮らした経験はないが、本書の舞台のような街で暮らすのはどんな感じなんだろう。何歳で暮らすかでも、感じ方は異なりそうだ。
喜多嶋さん自身も葉山在住とのこと、きっと日々の生活に基づいたリアルな描写をされているはずなので、素敵なのだろうなぁ。続編もあるようなので楽しみだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっとしたところに美味しそうな所や爽やかな海の情景が浮かぶ描写があり臨場感があった。主人公達の会話の掛け合いやこれからの幾多の未来を想像させる終わり方も良かった。
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ほのぼのストーリー。読んでいて青春時代に戻りたくなった。
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とりあえず…お母さん最悪やないかい。娘辛いよ〜。
けど主人公がそこまで悲観的になってなくて読めました。
それに食べ物の大切さが凄く沁みる。 -
色々な問題(ネグレクトとか規格外の魚や野菜)を含む物語でありながら海や若さでさらりと読める話になっていた。恋愛要素が中途半端で終わってしまうのが不満だったけど、それがこの話の爽やかさを後押ししてるのかも。
この前学校給食でも未利用魚でた。そういうのを扱うお店が一般人でも気軽にいける場外にあると嬉しいんだけど。 -
母親が家を出てしまい途方に暮れる18歳の海果
残されたのは築50年の小さな居酒屋と店の借金325万円
港の魚市場で拾った魚で食つないでいるところに信用金庫から返済の督促が
そんなとき、ませた中学1年生の愛と出会う
母親が入院、父親が不在でも、強気で生きている愛
愛を気づかう若い漁師の一郎
左遷のピンチにある信金職員 葛城
陰のある人気の若手俳優 慎
さまざまな事情で“戦力外通告”をうけた人々が葉山の海辺にある〈潮風キッチン〉を舞台に再生し希望を見つけていく物語
〈捨てられるために育つ野菜などいない〉
〈捨てられるために獲られる魚もいない〉
そんなメッセージを、今回の物語の主人公である18歳の海果と12歳の愛に、僕は託した。──「あとがき」より
新鮮でおいしいシーフード料理のスパイスはフードロス、貧困、家族の問題
そして、エルトン・ジョン、キャロル・キング、ビートルズ……
店のミニ・コンポからは今作でもグッド・タイミングのBGMが流れている
ちなみにタイトルはテラスモールのフードコートとは関係ない -
ひとまず主人公の母親も愛の父親も育児放棄していて、見えづらい日本の闇が垣間見える。
落ちた魚を拾ったり、歪な野菜を買ったり、フードロス問題にも着目。
それも恋を交えてわかりやすく。 -
おかれた状況で最善を尽くす、それをひたむきにがんばる人々の姿が読みやすくかかれている。料理ものが好きなので、入り込みやすかった。個人的には、どっち付かずの恋愛要素は要らないなぁと思うけど。
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湘南を舞台にした小説。
作者が伝えたいのは、この世にいらないものなどないということ。
決して捨てられる為に生まれてきたものなんてないということ。
そのテーマの対象が食べ物だったり、人だったり、、、
この世にどんな物でもどんな人でも必ず必要としてくれている人がいると言う事が伝わる温かい小説。
著者プロフィール
喜多嶋隆の作品





