- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041113202
作品紹介・あらすじ
夜景が美しいカフェで親友が語る不思議な再会に震撼する表題作、施設に入居する母が実家で過ごす最後の温かい夜を描く「猫別れ」など8篇。人の出会いと別れ、そして交錯する思いを描く、珠玉の短編集。
感想・レビュー・書評
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表紙のポップさを想像して読むと、内容は案外ビターな短編集。
自分的に印象に残ったのが、「ダナエ」と「猫別れ」です。
「ダナエ」
最初はあまり良い印象のなかった、青い隈をたたえる女性店員。
彼女が倒れ込んだのを、視点人物である裕福なサラリーマンが支え、家に連れて帰る……という流れはややベタなものかもしれない。
なんだろう……侵し難い聖域を持つ女、と表現すれば良いのだろうか。
彼女の描かれ方が、なんだか私の中でしっくり?きたのだった。
「猫別れ」
これはもう。クライマックス!
認知症気味の祖母、引きこもり気味の娘、全ての調和に思いを馳せる母、そして猫。
さて、どうまとめる?と思うのだけど。
コミュニケーションって、言葉だけではない、思いだけというわけでもない、その微妙な部分が最後にフワッと浮かび上がってくる。
ここが、すごく良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小池真理子さんの小説は、読んでいてとても心地よく、癒される。上品で、自然に流れる文章に引き込まれ、気付くと物語の世界に自分が居る感覚・・何度も味わっている。大好きな作家さん。
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先日読んだ「妻の女友達」と本書とでは、同じ著者の短編集ながらも、収録作が発表された時期にはおよそ二十年ほどの隔たりがあり、各々から感じ取れる趣の違いに、小池真理子の作家としての変遷が窺える。エンタメ的要素の強い前者と異なり、小池文学の一端を成す後者には謂わばオチが用意されておらず、フランスやイタリアの映画でしばしば目にするいささか唐突にも思えるエンドマークを持って幕が下ろされる。そのためか、話によって物足らなさを感じてしまうのは否めないが、私たちの人生自体がハリウッド映画に見られがちなご都合主義のようなわけにいかないことを考えれば、この漠とした結びもそれはそれでまた良い
なかでも、父とよく似た愛人のもとへ定期的に通う娘の姿を、両親のあいだで起きた過去の経緯を交えて描いた「父の手、父の声」は、ラストを含めて、全体の流れが素晴らしく、秀逸な一編だ
(中公文庫版「紙の本」で読了) -
ここに出てくる人達と同世代だがあまり身近にない話しなのでいまいちぴんと来ませんでした。
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夜中のバーで、隣の席の30~40代女性2組の話し声が漏れ聞こえてくるような、そんな短編集。
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岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00619128
夜景が美しいカフェで親友が語る不思議な再会に震撼する表題作、施設に入居する母が実家で過ごす最後の温かい夜を描く「猫別れ」など8篇。人の出会いと別れ、そして交錯する思いを描く、珠玉の短編集。
(出版社HPより)
著者プロフィール
小池真理子の作品





