- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041113417
作品紹介・あらすじ
北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられて八十年。誰の支配も受けず、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗し、堕落していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」と呼ばれる本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、玄任は救いなき乱世で戦い続ける――。
感想・レビュー・書評
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愚直な武将を描くことが多い印象の作者さんですが、この作品の主人公である本願寺一向一揆の坊官、仁王こと杉浦玄任も、まぁこれ一途なこと一途なこと。私を捨て、愚直に加賀の一向衆徒の民の世を守ろうとするものの、内部からも外部からも敵がわらわら湧いてきて、というわけですが、ただでさえわかりづらい一向一揆の人間関係など、前半ちょっとごちゃつきますが、面子が固定化されてくる後半はキャラ立ちもして、物語の動きも調子に乗ってきます。物語としての仕掛けも面白く、久しぶりの戦国もの、楽しめました。
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一向一揆は、どうしても織田信長の小説の挿話としてしか知らなかったので、新鮮で面白かった。宗教といっても、かくも人間くさいものか。
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私事を捨てすぎだろ、杉浦玄任。10歳で人質に出したひとり息子に差。近くまできてても会いに行かないなんてダメだよ。すねちゃうよ。なぜ、そこまで私を捨て、民の国を守り続けようと行動できるんだよ。もう。と、読んだ赤神作品の中で三番目に良かった。上位二つ(立花三将伝、戦神)はもう不動な気がする。 他で信長側の小説を読むと、一向宗の門徒ってぶつぶつ唱えながら死を恐れずに向かってくるイメージだから、新鮮だったね。
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玄任の言う「民の国」、現在の日本は正にそうだろう。民意によって選ばれた議員たち、それらによって選ばれた総理や党首たち。
全てが思い通りになるとは思わない。意見を出し合い、折り合いをつけながら、前へ進めていく。民の気持ちを尊重した政治を行っていってほしいものである。
著者プロフィール
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