ブルーもしくはブルー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1370
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041113943

作品紹介・あらすじ

高収入でスマートな男性と結婚し、都心の高級マンションで人から羨まれる暮しを送る佐々木蒼子。しかし夫には愛人、自身にも若い恋人がいて夫婦の関係は冷めていた。恋人と旅行の帰途。偶然、一人で立ち寄ることになった博多の街中で昔の恋人・河見を見かける。彼に寄り添っていたのは、なんと自分そっくりのもう一人の「蒼子」だった。「ドッペルゲンガー?」名前も顔も同じなのに、全く違う人生を送る2人の蒼子。互いに言いようのない好奇心と羨みを抱いた2人は、1か月だけ期間限定で入れ替わり生活してみることにする。しかし、事態は思わぬ展開となって……! 「私より、あっちの蒼子の方が幸せなのかもしれない」読みだしたら止まらない、中毒性ありの山本ワールドが新装版で登場。

感想・レビュー・書評

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  • 「君の顔では泣けない」
    の瀧井朝世さんの解説に
    君嶋さんが小説を書き始めるきっかけの本と紹介されていた
    先日、ひまわり師匠が読書していると時折思ってみない繋がりがあるとかなんとかそんな事を書いていたと思うけど
    ほんとそういう偶然だか必然って時々ありますよね
    私もつい最近「ブルーもしくはブルー」を読んでいたんです♪解説読んでて ほおってなりました

    1992年出版で30年前の作品
    読み始めて山本文緒さんとしては思い切った設定に驚き
    タイムトラベルでなく 並行世界でもなく 自分が決めた結婚相手が違った場合の ドッペルゲンガー的if
    自分の今に満足するかは、自分次第ということか
    相手の男性達に当然否定されるべき事実があるにも関わらず、敵対していくのは、自分同士
    女達の戦いになっていく
    ファンタジーにあらず、ですね
    自分にわからない幸せに奔走していき瓦解していく 怖!
    幸せは相手によるものだけでないというところだけど
    高収入、愛人あり夫 vs 低収入、DV込深愛男
    私は 前者で(*☻-☻*)

    • ゆーき本さん
      後者のメリット思いつかない笑
      そいつに愛されすぎてることすら怖い
      後者のメリット思いつかない笑
      そいつに愛されすぎてることすら怖い
      2024/06/17
    • yukimisakeさん
      後者…笑
      むしろ逃げましょう。
      前者はお金使う権利ありますもんね、中古争奪戦しなくても買えるなあ…
      後者…笑
      むしろ逃げましょう。
      前者はお金使う権利ありますもんね、中古争奪戦しなくても買えるなあ…
      2024/06/18
    • おびのりさん
      資産はプライスレス⁈
      資産はプライスレス⁈
      2024/06/18
  • 自分と全く同じ顔、生い立ち、名前を持つ人が現れ、「あの時こうしておけば良かった」ということを二人が入れ替わってやり直す話。

    二人とも自分の事ばかり考えていて、なかなか共感は出来なかった。
    今の人生は全て自分の選択の結果であり、「あの時ああしておけば良かった」という選択も結果それほどいいものではない。結局、今の人生を導いたのは自分自身の責任だ。

    話は次どうなるのか気になってあっという間に読み終わりました。

  • 文庫版の初版が、1996年5月
    私が手にした本は2021年11月改版3版発行
    2023年の今からすれば、27年前。

    当時の単行本の帯に、
    「ホラーより怖いファンタジーである」赤川次郎
      とある。

    2021年11月改版3版の解説が、柚木麻子さん。

    以下、巻末の柚木さん解説からー
    「怖い物語りだが同じ人物である蒼子Aと蒼子Bが偶然出会ってしまうから怖いのではない。
    どちらの男を選んでも、結局モラハラかDVに苦しむはめになるからでもないし、蒼子Aと蒼子Bが互いに激しい憎悪を抱き殺し合いに発展するから怖いのでも無い(中略)
    ドッペルゲンガーを見た事を打ち明ける相手さえ
    皆無である。蒼子は同性とは敵対関係しか築けず、
    だからこそもう1人の自分とさえ、上手くやれない。
    こうした状況に蒼子は疑問を持たないがゆえに、
    メビウスの輪から逃れられない」

    「発売された当初正しく読み解くには もしかして
    私も含めて読者が成熟していなかったのかな、とも思う」

    「私事で恐縮だが、私がデビューした2010年でさえ、まだ女同士の関係だけを描く事は異端者で、
    なぜ男女の恋愛を扱わないのかと、首を傾げられていた時代だった」

    *……
    私には読み解けなかった部分を柚木さんの解説で深く納得。
    作家の方達の今の時代の今の問題点への気づきや、
    考え尽す姿勢に、脱帽です。
                   ……*
                
     

  • 何かを決め、選択する場面は日常に溢れている。そんな中で、人生の岐路の大選択は1、2度あるかないかでは? 

    蒼子は満たされない結婚生活を送っていた。
    選ばなかった男性との人生の方が、幸せになっていたのではないか⁈ そんな強い思いが引き寄せたように、もう1人の自分に出会う。

    もしあの時…と過去を振り返る人は多いに違いない。私も然り(≧∀≦) 幸せな想像と妄想に浸っているだけのほうが正解のようだ。

    初版は1996年、モラハラやDV、ネグレクト…大きく改善されていないことが悲しい。2021年新装版、解説:柚木麻子氏。

  • 中々、重たい内容でしたね。

    無いもの強請りの末のドッペルゲンガー同士の殺し合いに至る流れが(−_−;)

    落ち込んでる時には余り勧められないですね。

  • 主人公、自分勝手過ぎる。実父とかありえない…!DVは許せない。DVを諦めているのももどかしい!好きになれる登場人物が見事に一人もいない!!
    だけど、ミステリーやサスペンスのようなドキドキ、ハラハラがありストーリーは面白くて引き込まれた。最後の終わり方は主人公にもやっとしたけど、そこも妙に現実的で良かった。

  • もし今の旦那と結婚しない人生を歩んでいたら、元カレと結婚する人生を歩んでいる自分と交代できたらっていうお話。結局隣の芝は蒼く見えるからブルーもしくはブルーなのかな。一度きりの人生自分軸をもって歩んでいきたい。誰々のせい、〇〇のせいって考える人て幸せになれない気がする。

  • 発想は面白いです。
    あのとき、もし、別の道を選んでいたら、、、誰もが考えることだと思います。

    主人公の蒼子は、高級マンションに住み、周りが羨む生活を送っていたけど、旦那には若い恋人がいて夫婦関係は冷めていました。
    過去に悩んだ恋愛。あのときあの人についていったなら、、、。
    大きな決断をしたとき、ドッペルゲンガーが生まれていて、あの人と結婚していたもう1人の自分がいたという、ホラーのようなファンタジーな話。
    入れ替わって生活してみて、ないものねだりに気付く蒼子。滅茶苦茶ワガママです。
    あのときこうしていれば、、、と何度も思うけれど、自分の決断したことに向き合って生きていかないといけないなと思いました。

  •  「全裸監督」を観ながら、「全裸監督」を観ながら書くような感想じゃないなと思いつつ書く。

     結婚6年目の蒼子。共働きの夫は蒼子公認状態で長年不倫を続けている。ある日、自分と瓜二つの「蒼子」と名乗る女性と遭遇する。彼女は専業主婦で、蒼子が今の夫の前に付き合っていた相手と結婚していた。パラレルワールドに生きるドッペルゲンガー。二人は期間を決め、入れ替わって生活することにする。

     1時間くらいで読了。読み終わって、なんかもう私はこの蒼子的な悩みのフェーズを通り越してしまったのだなという気がした。結婚6年目。その設定がこのストーリーにおいて実に秀逸だと思った。3年でも10年でもなく6年。まだ現状を変える可能性があるという希望が少しだけ残っている時期。夫婦関係にタラレバがまだあった時期。わたしは結婚10年が過ぎたけれど、そういうのはもう何もないもん。こうじゃなかった人生も、あーしていたら、な選択も。今の現実があるだけ。夫と結婚する前に好きだった人と結婚しているドッペルゲンガーに遭遇しても、変わって欲しいとは言わない。うまくいかなかったという結末も含めて綺麗な思い出で、その続きを見てみたいという好奇心はない。

     書きながら気付くのは、私は、あのとき結婚しなきゃよかったと思うことはあっても、誰かと変わりたいと思ったことはほとんどない。まぁなれるなら一旦アンジェリーナ・ジョリーにはなっておこうかなと思うけれど、現実的に友人の誰かの夫はいいなとか、働きまくってるあの子の人生が欲しいなとか、そういうふうに思ったことはない。今の私に残っている唯一の「タラレバ」は、あのとき結婚をしていなかったら、の一つだけ。たぶんこれもいつか消滅するのだろうけれど、今はまだ辛うじて残っている。あのとき結婚しないで、もっと粘っていたら、理性を働かせていたら、もっと自由だった、もっと優しい人に会えた、もっと愛のある家庭が築けた、もっと会話ができた、もっと、もっと。でもそれは誰か理想の相手がいるとかお手本がいるとかじゃなく、単発的に不愉快なことが起きて、それを自分の力ではどうにもできないと知ったとき、とにかく今の現状を否定してみたいだけ。今のこの満たされない部分が完全に満たされている、架空の世界に生きる自分を想像してみたくなるだけ。それって何の意味があるんだろうと思うけれど、考えてしまう。それってどうなんだ。結局、今ないものを全部手にしている世界を、人生を、全力で取りに行く力とか勢いとか思い切りが、今の私にないだけ?それがあれば、行動を起こせれば、もしかしたらその理想の世界が手に入るかもしれない?今更?あのとき結婚しないで、もっと粘っていたら、理性を働かせていたら、今頃もっと満たされていた?

     書いているとどんどんアホらしくなってくるので、きっとそんなことは無いのでしょう。あのときはあの選択しかなかったし、何の迷いもなかったし、正しいと信じて疑わなかったし、ゆえにもし時が戻ってもきっと同じ選択をするのでしょう。自分の選択によって今の自分があるというのは間違いなくて、今までしてきた一つ一つの選択に後悔はないという謎の自信だけはある。過去のそのときどきで他の選択をしている自分は想像できない。つまり今と違う「今」が欲しいなら、生まれ直すか一度死んで生まれ変わるしかなくて、それは無理だし。

     とりあえず強く思うことは次の人生ではもっと素直にもっと素直な幸せを獲りにいきたい。いたって純な心で叶った恋を抱きしめて好きだとか無責任に言いたーい

  •  佐々木を選んだ蒼子と河見を選んだ蒼子が出逢い、互いの生活を入れ替えるストーリー。2人の蒼子と河見、佐々木の嫌な部分が強烈に描かれており、特にDV夫・河見のクズぶりが酷い。ドッペルゲンガーという題材が懐かしく、終わり方も希望がほの見えて好き。巻末の柚木麻子さんの解説もまた良い。本書とドラマ版のラストの違いに対して感じられた違和感の正体。女性の不平等を礼賛するドラマ版は観ないでおこう。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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