ブルーもしくはブルー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.50
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本棚登録 : 549
感想 : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041113943

作品紹介・あらすじ

高収入でスマートな男性と結婚し、都心の高級マンションで人から羨まれる暮しを送る佐々木蒼子。しかし夫には愛人、自身にも若い恋人がいて夫婦の関係は冷めていた。恋人と旅行の帰途。偶然、一人で立ち寄ることになった博多の街中で昔の恋人・河見を見かける。彼に寄り添っていたのは、なんと自分そっくりのもう一人の「蒼子」だった。「ドッペルゲンガー?」名前も顔も同じなのに、全く違う人生を送る2人の蒼子。互いに言いようのない好奇心と羨みを抱いた2人は、1か月だけ期間限定で入れ替わり生活してみることにする。しかし、事態は思わぬ展開となって……! 「私より、あっちの蒼子の方が幸せなのかもしれない」読みだしたら止まらない、中毒性ありの山本ワールドが新装版で登場。

感想・レビュー・書評

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  • 自分と全く同じ顔、生い立ち、名前を持つ人が現れ、「あの時こうしておけば良かった」ということを二人が入れ替わってやり直す話。

    二人とも自分の事ばかり考えていて、なかなか共感は出来なかった。
    今の人生は全て自分の選択の結果であり、「あの時ああしておけば良かった」という選択も結果それほどいいものではない。結局、今の人生を導いたのは自分自身の責任だ。

    話は次どうなるのか気になってあっという間に読み終わりました。

  • 中々、重たい内容でしたね。

    無いもの強請りの末のドッペルゲンガー同士の殺し合いに至る流れが(−_−;)

    落ち込んでる時には余り勧められないですね。

  • 発想は面白いです。
    あのとき、もし、別の道を選んでいたら、、、誰もが考えることだと思います。

    主人公の蒼子は、高級マンションに住み、周りが羨む生活を送っていたけど、旦那には若い恋人がいて夫婦関係は冷めていました。
    過去に悩んだ恋愛。あのときあの人についていったなら、、、。
    大きな決断をしたとき、ドッペルゲンガーが生まれていて、あの人と結婚していたもう1人の自分がいたという、ホラーのようなファンタジーな話。
    入れ替わって生活してみて、ないものねだりに気付く蒼子。滅茶苦茶ワガママです。
    あのときこうしていれば、、、と何度も思うけれど、自分の決断したことに向き合って生きていかないといけないなと思いました。

  •  「全裸監督」を観ながら、「全裸監督」を観ながら書くような感想じゃないなと思いつつ書く。

     結婚6年目の蒼子。共働きの夫は蒼子公認状態で長年不倫を続けている。ある日、自分と瓜二つの「蒼子」と名乗る女性と遭遇する。彼女は専業主婦で、蒼子が今の夫の前に付き合っていた相手と結婚していた。パラレルワールドに生きるドッペルゲンガー。二人は期間を決め、入れ替わって生活することにする。

     1時間くらいで読了。読み終わって、なんかもう私はこの蒼子的な悩みのフェーズを通り越してしまったのだなという気がした。結婚6年目。その設定がこのストーリーにおいて実に秀逸だと思った。3年でも10年でもなく6年。まだ現状を変える可能性があるという希望が少しだけ残っている時期。夫婦関係にタラレバがまだあった時期。わたしは結婚10年が過ぎたけれど、そういうのはもう何もないもん。こうじゃなかった人生も、あーしていたら、な選択も。今の現実があるだけ。夫と結婚する前に好きだった人と結婚しているドッペルゲンガーに遭遇しても、変わって欲しいとは言わない。うまくいかなかったという結末も含めて綺麗な思い出で、その続きを見てみたいという好奇心はない。

     書きながら気付くのは、私は、あのとき結婚しなきゃよかったと思うことはあっても、誰かと変わりたいと思ったことはほとんどない。まぁなれるなら一旦アンジェリーナ・ジョリーにはなっておこうかなと思うけれど、現実的に友人の誰かの夫はいいなとか、働きまくってるあの子の人生が欲しいなとか、そういうふうに思ったことはない。今の私に残っている唯一の「タラレバ」は、あのとき結婚をしていなかったら、の一つだけ。たぶんこれもいつか消滅するのだろうけれど、今はまだ辛うじて残っている。あのとき結婚しないで、もっと粘っていたら、理性を働かせていたら、もっと自由だった、もっと優しい人に会えた、もっと愛のある家庭が築けた、もっと会話ができた、もっと、もっと。でもそれは誰か理想の相手がいるとかお手本がいるとかじゃなく、単発的に不愉快なことが起きて、それを自分の力ではどうにもできないと知ったとき、とにかく今の現状を否定してみたいだけ。今のこの満たされない部分が完全に満たされている、架空の世界に生きる自分を想像してみたくなるだけ。それって何の意味があるんだろうと思うけれど、考えてしまう。それってどうなんだ。結局、今ないものを全部手にしている世界を、人生を、全力で取りに行く力とか勢いとか思い切りが、今の私にないだけ?それがあれば、行動を起こせれば、もしかしたらその理想の世界が手に入るかもしれない?今更?あのとき結婚しないで、もっと粘っていたら、理性を働かせていたら、今頃もっと満たされていた?

     書いているとどんどんアホらしくなってくるので、きっとそんなことは無いのでしょう。あのときはあの選択しかなかったし、何の迷いもなかったし、正しいと信じて疑わなかったし、ゆえにもし時が戻ってもきっと同じ選択をするのでしょう。自分の選択によって今の自分があるというのは間違いなくて、今までしてきた一つ一つの選択に後悔はないという謎の自信だけはある。過去のそのときどきで他の選択をしている自分は想像できない。つまり今と違う「今」が欲しいなら、生まれ直すか一度死んで生まれ変わるしかなくて、それは無理だし。

     とりあえず強く思うことは次の人生ではもっと素直にもっと素直な幸せを獲りにいきたい。いたって純な心で叶った恋を抱きしめて好きだとか無責任に言いたーい

  • 隣の芝生は青いってことなのだろう。最後の方に一悶着あったけれど、正直あらすじから想像できる範疇で収まっていたなあと感じてしまった。登場人物たちの感情や考えがグラグラだったようにも思えてしまった。
    主人公たちが現実と向き合って前に進める結末であったので、ハッピーエンド?なのかな。

  • “あの時こうしていれば別の人生を歩めたのでは”

    “もっとこういう風にしていれば結果は違ったかも”

    日々後悔を続ける人間という生物である以上、別の人生ではこんな風に生きているという妄想はついついしてしまう行為の一つである。

    そんな別の人生を生きている自分が実際に目の前に現れたら?

    そんな疑問を描いた作品がこの「ブルーもしくはブルー」である。

    あらすじは置いておいて、以下に感じたことを記す。

    自分が今、満足していない状況であっても客観的に見れば十分幸せな生活を送れているのかもしれない

    後悔しない人生などない、他人の芝は青く見える、妄想に浸る前に自分のすべきことをやり続けるのみ。

    男女とも平等に生きていくことができる社会の実現に貢献したい。(仕事、結婚などなど)


  • 実生活である、あの時こうしていれば、あの時こちらを選択していれば。結婚という大きな選択を目前にした時、迷っていた彼女は分裂したのか。
    自分自身、選択を後悔することもあり、そちらを選んでいた人生を想像することもある。
    こんな不思議な世界に紛れ込まれることはないけど、もしもの先を知れた感じがして面白かった。

  • 自分が2人いて、同じ小さい頃の記憶をもっていたら少しこわい。いや、かなり怖い。2人のそれぞれの生活があり、お互い羨ましがって交換するはいいものの、その後の蒼子Bは行動はなかなか過激。

    隣の芝生は青く見える。

    自分は自分に似ている人を苦手に思う傾向がある。自分の存在価値がその人がいることで半分になったように感じる。その意味でもこの話は、不思議な感覚になった。

    1996年のストーリーとは驚き。もっと新しいものかと思ってた笑

  • 「ドッペルゲンガー」…分身、一人の人間から影みたいにもう一人の人間が分かれて、どこか別の場所に生きることがある。
    その「ドッペルゲンガー」と偶然会ってしまったら?そして入れ替わりたいと思ったら?

    つまり自分が選んだかもしれないもうひとつの人生を経験できるとしたら?

    そんなやってみたい、恐いような経験が出来たとしたら、楽しいか、新しい発見ができるのかというお話。
    主人公は女性で、人生の分かれ目は結婚とくれば、結婚論でもある。

    そういえば昨日見たアンジェリーナ・ジョリー(ダークエンジェルでファンに)主演の映画「ブロンド・ライフ 」(LIFE OR SOMETHING LIKE IT) も、ニューヨークでの華やかな人気レポーターか、地方で愛する恋人と静かに地道な暮らしをするのかの選択のコメディーだった。

    ひとつしかない人生。どう選ぼうとその人の器。と言ってしまえば、みもふたもないかな。
    どうして結婚はしてもしなくても問題なのだろうねー。

    ----------
    以下スターチャンネルのHPより

    「ブロンド・ライフ 」LIFE OR SOMETHING LIKE IT(2002 米)

    監督 スティーヴン・ヘレクSTEPHEN HEREK
    出演 アンジェリーナ・ジョリーANGELINA JOLIE エドワード・バーンズEDWARD BURNS

    アメリカ、シアトルのローカルTV局の人気レポーター、レイニー。彼女は、ブロンド・ヘアにブランド物のスーツを着こなし、豪華なマンションに住んで、恋人はメジャー・リーガーというゴージャスな人生を送っていた。そんなある日、全米ネット番組の新キャスターに推薦されるチャンスを得た彼女は、ある優秀なカメラマンと組んでスキルを磨くことを上司から命じられる。ところが、そのカメラマンとは、なんとレイニーの昔の恋人ピートだった。仕事と割り切り、取材に向かうレイニー。だがその最中、彼女は予言者と称するホームレスの男に、あと一週間の命と宣告されてしまう…。余命一週間と告げられた野心家のキャリア・ウーマンが、改めて自分の人生を見つめ直していく姿を綴ったロマンティック・コメディ。

  • 最近心を鷲掴みにして感情を揺さぶる様なお話が続いたので、軽めのファンタジーとして。
    十分楽しめた。

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著者プロフィール

1962年神奈川県生れ。OL生活を経て作家デビュー。99年『恋愛中毒』で吉川英治文学新人賞、2001年『プラナリア』で直木賞を受賞。著書に『ブルーもしくはブルー』『あなたには帰る家がある』『眠れるラプンツェル』『絶対泣かない』『群青の夜の羽毛布』『落花流水』『そして私は一人になった』『ファースト・プライオリティー』『再婚生活』『アカペラ』『なぎさ』『自転しながら公転する』など多数。

「2022年 『パイナップルの彼方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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