「違うこと」をしないこと (角川文庫)

  • KADOKAWA (2021年11月20日発売)
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感想 : 100
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041114339

作品紹介・あらすじ

「違うこと」とは、
“その人の生き方の中で、今ここでするべきではない”こと。
→→「なんか違う。」その直感がそう教えても、義理とかしがらみ、習慣に縛られて、我慢したり、そんな風に思う自分を責めたりしていませんか。自分を生きるって、むずかしいこと。これをすれば幸せになれるとか、これをやめないと不幸になるとかではありません。自分を生きるためには、まずは自分に正直であること。本来の自分を生きるには違うことをしないことが大切なのです。
その生き方のヒントがこの本にはあります。文庫化にあたり、書下ろしも充実。新たに25問、読者からの質問にばななさんが答えます。文庫版おわりにも書下ろし収録。

感想・レビュー・書評

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  • ある決意のため、背中を押してほしくて、自分の決意は誤ったものではないと言って欲しくて、選んだ一冊。

    でも。どこかに。帯でも、背表紙でも、とっても小さくてもいいからどこかに書いてほしかった…スピリチュアルだということを…!!
    そう、わたしはスピが苦手だ。散りばめられた「神様」や「宇宙」を感じることが、きちんと理解することが、できなかった…
    久々に飛ばし読み。

    最終的には、背中を押してもらったことになるのだろう。わたしは、ある決意ができた。
    あれから一週間。何度も頭の中で、その決断が正しかったのかと反芻しては、やはり正しかったのだと落とし込む。これを何度も繰り返してる。その決断が正しかったのかなんて、今でもはっきり言って分からない。それを正しかったと思えるように生きていく。自分自身で決断するって、そういうことだと思ってる。いや、でも…ここでまた今自分の言ったことを反芻して、揺れる。揺れながら生きていく、そういうもの。

    帯の説明では、「違うこと」とは、嫌なことをしないことでも、ただ正直に生きることでもありません。それがいったいどういうことかわかったら、人生が急に拓けます。
    と、あって、
    P14「『違うことをしない』って、どういうことなんでしょうね。『したいことをする』っていうのとすごく似てるけど、微妙に違うんですよ。言葉で説明するのがちょっと難しいのですが、ヘンに力が入ったり、ちょっとでも圧がある感じがあったら「あ、こういうことじゃないな」と思う感じ。もっとこう、流れみたいなものに乗っていく感じ。その瞬間にする行動はほんとうにいつもひとつだけ。
    P16「たとえ微かな兆しでも、自分が『したくないこと』を受け流さない。『まあ、いいか』って安易に人に合わせない。妥協しないで実行することで、流れがちょっと変わる」
    つまり、一番近い感覚としては、「違うことをしない=違和感を感じたことをしない」「違和感を放置しない」ということ?うん、それはわかる。何事においても、「違和感」て大事で、放置はしない方がいい。

    だけど。
    P17「結局、その瞬間その瞬間のその人にとっての正解みたいなものって、ひとつしかないんですよ。それは誰が決めるんでもない、宇宙の流れと本人の人生が交わる点でおのずと決まってくるものなんです」
    宇宙の流れ…?正解って本当にひとつなの…?と、そこを疑いだしてしまって、ばななさんが仰る「違うことをしないこと」、それをきちんと理解できていないような気がしてる。だから、わたしはちゃんとこの作品を理解した上で背中を押されたわけではなく、大切なことを決断する力がほしかっただけなのではないか。

    P136「子どもの頃『こうしたい』と思っていた自分を殺さずに、生き延びさせるって、本当に大変なことで、周りの声に『もっとこうすべき』みたいなことを思い込まされてるうちに、本当はどうしたかったのかがわからなくなっちゃったりする。知らず知らず、自分の本心を抑えつけて、ないことにしちゃう。それで息苦しいんだと思う」
    というのと、
    P162「食欲とか性欲とか何でもいいけど、『欲をあんまり育てちゃいけない』って、どの宗教でも言うけど、ほんとだなって感じがします」
    っていう、一見矛盾しているようなこの箇所。最初は混乱した。だって、全てではないと思うけれど、本音と欲って、表裏一体じゃない?

    たぶん、「抑えつけられた本心」っていうのはこの社会の中で生きている以上確実に誰の心にも存在していて、その生きづらさがあるからこそ、「違うことをしない」っていうメッセージが刺さるのだと思う。でも一方で、欲を調整する「もっとこうすべき」の存在によってわたしたちはバランスを取って生きてる。どちらかがバランスを崩すとそれではまた生きづらくなる。わたしはこの「生きづらさ」の処方箋を、スピリチュアル以外のもので、欲していたのかもしれない。

    この作品では「愛」と「宇宙」のメッセージがすごく強くて、どちらも明確な説明もないので、わたしはこの作品の中で語られる「愛」も「宇宙」も、身近に感じることができなかった。
    人生ってその瞬間がすべて選択の連続で、だから「違うことをしない」って、すごく身近なことように感じたのだけれど、わたしにとっては、今回は少し「違った」みたいでした。

    でもね。スピ苦手とか言って、そのくせ厄年とかはめちゃ信じる自分がいるんです。
    というか、自分に起きた悪いことを、厄年のせいにしがちなのだ。
    今年は本厄。
    来年は後厄。
    本厄だろうと前厄だろうと後厄だろうと、いつだって人生に厄はつきものなのかもしれない。いや、そう思っているということは、どこかでわたしは「違うこと」をしている可能性がある、ということなのか!?

    2022年が、わたしにとっても、皆さんにとっても、楽しい一年でありますように。

  • 吉本ぱななさんの本は、どことなくフワッとしてつかみどころのない登場人物がでてきたり、スピリチュアルというか、ちょっとふしぎな話が多くて、好きだったが、ご本人も霊感が強いらしい。

    "宇宙マッサージ"は、なんとも怪しげな響きだが、本来の自分を生きるには、「違うことをしないこと」が大事。
    人が"何か違う"と感じる直感は信じていいということ。

    "社会の仕組みに腹を立てるより、自分のための小さくとも無限の自由と快適を追求した方がいい。"

  • 「違うこと」をしない、それって本来すごくシンプルなことだけど、なんだか難しく感じてしまう。

    それって、どうしてだろう?と思いながら、
    1ヶ月前に、インスタを辞めたことを思い出した。

    やめたことで生活が静かになり
    自分に集中できる事が自然と増えた。
    私の中ではノイズの一つに、
    目的のないSNS閲覧があると思う。


    そもそも、何が自分にとって「違うこと」なのかを知ることも必要だし、自分にとっての「ノイズ」にも気づく必要があるなと思った。




    本書に出てくる白井さんとの対談はすごく印象的で
    「初期設定」の話しは、先日藤本さきこさんの「設定変更ノートブック」を読んでいたので、スッと入ってきた。


    馴染みのない言葉だと
    頭に入ってこないけど
    ホント、設定通りに生きてるなと思う。
    自分を見つめ直すのに適してる本だと思います。


  • 装丁がまず優しくて、美味しいお饅頭を食べたように癒されますねぇ。
    本来の自分と「違うこと」から、どうすれば脱出できるのかを教えてくれる本です。白井剛史(プリミ恥部)さん、CHIEさんとの対談も深い! 
    何年か前、疲れ果てていた頃に読みたかったな。でも、当時の気持ちの中には入ってこなかったかも。

  • 人生のバイブルにしたい本。
    原点に帰って、自分を取り戻せる本。

    流れに身を乗せて、人生を生きていきたいなと思いました。

    頭で考えて行動に移すことはやめたい。

    なんか嫌だな、なんかいいなていう感覚を大切に生きていきたい。

    一回読んだだけでは落とし込めていないので、道に迷った時には何度も読みたいと思います。

  • 普段は、読みたい本を探してから買う派で
    書店で 手に取って買うことはあまり無いけど、
    導かれるようにとった本。

    評価見てビックリ。
    スピリチュアル、スピリチュアル、スピリチュアル、、、、、またスピリチュアル。


    もちろんそういう要素もあるけど、
    人生の道標になるような学びの言葉がとっても沢山ある本なのに。


    人から見たら「違うこと」が「違う」とは限らないんですよね。自分にとっては「違わないこと」だったりする。


    人の書いた本を、誰かの違うこと、と定義するのは失礼だけど、
    色んな感想を見て、このセリフはしっくり来た。
    この本は自分にとって、違わない本で、
    何度も何度も間違えそうになった時、
    どう選択すればいいか悩みそうになった時、
    読み直したい本。

    とっても素敵な本に、導かれるように出会いました。すごいぱわー!!!!


  • 大好きばななさん。彼女の真っ直ぐな人間らしさに背筋がピン!となる。
    当たり前だけどなかなかできない。答えはシンプルなのに難しく考えてしまう時はバナナさんに限る。

  • 僕には少々スピリチュアル過ぎましたが、「流れに逆らわない」という考え方には共感しました

    でも、流れを見極めるのは難しいですよね

    「なんだかいや」という感覚は大事にしつつ、楽なほうに流されすぎないようにしたい


    「愛と愛情は違う」という話も印象的で、相手をそのまま受け入れる愛はいいけど、「あなたのため」って言いながら余計なお世話をしちゃう愛情は厄介ですね

    お悩み相談もあわせて、家族との向き合い方を考えるヒントになりました

  • 吉本ばななさん、小学生の時に読んで以来。かと思ったら、アンソロジーで感動したんだった。

    やわらかく、たんぽぽの綿毛のように軽やかな文体。そっとこころをつつんでくれる。

    いろんな人の価値観や考え方に触れることができた。共感しにくいところもあったけれど、ほー!と思いながら読んだ。ばななさんの文章はやさしい。

  • 「なんとなく足が進まない」とか「ここは私の居場所じゃない」みたいな流れを感じることはよくあるけど、そこにノイズが入ってしまうから素直に生きれない。改めて、「素直に生きていれば、きっと人生に無駄なことは起きない」のだと今ある毎日を肯定できるようになった。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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