カナコと加奈子のやり直し (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115114

作品紹介・あらすじ

母校に赴任した教師、菅野京平31歳は生徒に慕われ保護者対策もぬかりない有能教師。しかし、内心は人生への虚しさを感じる毎日だった。新学期の1日目、菅野はイシイカナコの幽霊に遭遇する。彼女は高3の冬、受験に失敗して自殺した。驚きの余りベランダから落ちた菅野、しかしなぜか意識だけ高3の時間軸へ飛ばされてしまう。同じクラスには生きている石井加奈子、そして自分がいた。「イシイカナコの人生やり直し事業に参加させてあげる」そう話す幽霊の申し出を止む得ない事情で受けた菅野だったが、ノーコントロールの幽霊は京平の意識を誤送球をしまくり、友人たちの身体を転々とさせられる。菅野は人生を、そしてイシイカナコの人生を変えられるのか? 「人生は失敗が許されないわけじゃない」少しビターな青春物語。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生同士のやりとりが、甘酸っぱい!
    高三の夏だしね、受験や友達や異性など、不安になったり期待で胸がいっぱいになったり忙しいよねー。懐かしい、あの頃。

    あらすじ
    31歳の高校教師が、高校時代の同級生、石井加奈子の幽霊によってその同時に投げ戻される。
    彼は石井加奈子が校舎から転落する時に、偶然にも落ちていく彼女と目が合っていたのだった。
    過去に戻った彼は、彼女を救えるのか?!
    教師という職に冷めてしまっている自分の未来を変えられるのか?!


    それにしても、落ちていく人と目が合うなんて、怖すぎる。

  • 読んでいて森絵都さん作の「カラフル」という作品を思い出した。
    自らの魂が過去に戻りやり直すチャンスを得る。しかしそれは今まで自分が生きてきた人生の時間軸に影響はない。
    「やり直し事業とか言ってたのに変えられないのか!」と主人公と一緒に苛立った部分もあったけど、確かに「未来を変えられるかも」とは言ってたけど「過去を変えられる」とは言ってなかったのよね。これはミスリードやったわ。

    人生生きていく中でやり直したいって思うことは色々とあるだろう。
    自分は部活での行動とか細々した事と学生時代恋愛とか位で、主人公の用に人生に影響する程度の事ではないのだけど、大小の差はあれどやり直しを願うのは誰もがあるはず。
    でも人生は一度きりでやり直しなんて出来なくて、でも失敗はしてもいい。そのあと「どう生きるのか」というのが重要。学生から自分の同年代の30代前半位の人に読んでほしい一冊。

    しかし主人公の「自殺目撃エピソード」はエグくて、PTSD的な事になってもおかしくないのでは?と感じた。落ちてくる同級生と目が合うなんてヤバすぎる。
    そして加奈子の自殺の真相も後半明らかになるけれど、それを知ったカナコのコメントが笑えた。
    カナコは生きてた頃の記憶というのは失われているからカナコと加奈子は同じ顔だけど別人格として確立されている。これはこの【やり直し】をする上で必須な設定だったのではと思う。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50268602

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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