戒名探偵 卒塔婆くん (角川文庫)

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感想 : 14
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  • 本 ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115121

作品紹介・あらすじ

「僕に解けない戒名の謎はない」前代未聞の戒名探偵が、墓石に刻まれたたった数文字から故人のすべてを解き明かす。戒名に関するあらゆるトラブルは、仏教にめっぽう詳しい謎の高校生、外場薫にお任せあれ!

感想・レビュー・書評

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  • 戒名探偵、なんとも突飛な設定だが、お話そのものは「いまだ冬を見ず」を除くとわりと軽いお話。
    タッチが軽いので、湿っぽくならずに軽いノリで楽しめます。
    「いまだ冬を見ず」は、世界で紛争が多発している現在色々考えさせられます。戦争は終結すれば、それでハイ解決と言うわけには行かないんですよね。

    ワトソン役が麻布の寺の次男坊で、生活には不自由ないのが少し妬ましい笑

    それにしても、探偵役の外場君があまりに謎すぎる。続編ができるのだろうか。だとしたら、ワトソン役の幼馴染の女の子にも、もっと活躍の場を与えてほしい。

  • タイトルを見た時は何だろうと不思議な感じがしましたが、でも読んで見ると面白かったです。
    戒名探偵のルーツを知りたいですね。

  • 最初の3話がすごく軽い感じだっただけに、最後の「いまだ冬を見ず」は戦争も絡んでかなり考えさせられる話だった。戒名の奥深さにビックリした。

  • 単行本の設定がなかったのでこちらに。
    外場くんはただただ鮮やか!
    そして金満くんもただのバカじゃない。
    いまだ冬を見ずではちょっと泣きそうになった。
    戒名の意味をもっと知りたい。

  • 4話で構成された連作短編だが、前半3話は、本作の過半を占める「いまだ冬を見ず」の前振りなのだろう。謎の高校生・外場くんの豊富な知識で安楽椅子探偵の雰囲気を醸し出す。麻布の寺の次男坊・春馬の能天気ぶりが、兄で住職代理の哲彦から虐げられている彼の境遇を軽く読ませてくれた。第4話のペリリュー島で玉砕した日本人の御霊に対する供養の思いに、単なるラノベではないものがあり、感動した。著者の作品は初読みだが、積読本『トッカン』の作者だった。そうだ、『トッカン』を読もう!

  • 読み始めたときは、読了後こんな体験をすると思ってなかった!物語の力ってすごいぜ!

  • ラノベ風なタイトルとノリに敬遠されてしまう方もいるかもしれませんが、構成もしっかりしていてとてもおすすめの小説です。
    お寺の息子の主人公と、高校の同級生で戒名をみればその人の人生や亡くなった時期経緯を読み取れる同級生(戒名探偵の外場くん)の話です。
    前半は短編集。お寺への依頼を読み解いていきさくさくと読めますし、戒名が読み解かれていく経緯がすっきり楽しめます。
    後半は中編小説。とある大企業の創始者の生前戒名の募集に応募することになり……そこから読み取れていく、創始者の方のストーリー、太平洋戦争でのリアルなエピソードとその結末がとても重厚なストーリーです。前半の学園モノの軽めのノリが合わなくてもなんとかここまで読み進めていただきたい…!!!
    「いまだ冬を見ず」のタイトルの意味が読み始めと読み終わりでぐっと変わります。

  • 墓、寺、仏教と身近であって理解が遠い話をわかりやすく軽妙に親しませてくれる。主人公の軽さが良い。兄が理不尽に怖すぎる。もっと弟大事にしてほしい。外場君の佇まいが達観していて高校生とは思えない。そして意外と親しめる話、と油断していたら「いまだ冬を見ず」の展開である。丁寧に積まれた検証からの真相と決着。終わっていなかった戦争を終わらせること。魂を連れて帰る舟。まだ続きがありそうだがシリーズ化はしていないのか・・・。

  • 戒名からどんどん推理していく様は、浅学な身にはなるほどなと思うことが多くあったが、だからといって衒学的な感じになっているわけでもなく、面白く読み進めることができた。

  • スタートが 少し軽いかな 、と思ったが、後半ぐっと掴まれた。途中途中のウンチクもよかった。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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