- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041115121
作品紹介・あらすじ
「僕に解けない戒名の謎はない」前代未聞の戒名探偵が、墓石に刻まれたたった数文字から故人のすべてを解き明かす。戒名に関するあらゆるトラブルは、仏教にめっぽう詳しい謎の高校生、外場薫にお任せあれ!
感想・レビュー・書評
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タイトルを見た時は何だろうと不思議な感じがしましたが、でも読んで見ると面白かったです。
戒名探偵のルーツを知りたいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初の3話がすごく軽い感じだっただけに、最後の「いまだ冬を見ず」は戦争も絡んでかなり考えさせられる話だった。戒名の奥深さにビックリした。
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読み始めたときは、読了後こんな体験をすると思ってなかった!物語の力ってすごいぜ!
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ラノベ風なタイトルとノリに敬遠されてしまう方もいるかもしれませんが、構成もしっかりしていてとてもおすすめの小説です。
お寺の息子の主人公と、高校の同級生で戒名をみればその人の人生や亡くなった時期経緯を読み取れる同級生(戒名探偵の外場くん)の話です。
前半は短編集。お寺への依頼を読み解いていきさくさくと読めますし、戒名が読み解かれていく経緯がすっきり楽しめます。
後半は中編小説。とある大企業の創始者の生前戒名の募集に応募することになり……そこから読み取れていく、創始者の方のストーリー、太平洋戦争でのリアルなエピソードとその結末がとても重厚なストーリーです。前半の学園モノの軽めのノリが合わなくてもなんとかここまで読み進めていただきたい…!!!
「いまだ冬を見ず」のタイトルの意味が読み始めと読み終わりでぐっと変わります。 -
単行本の設定がなかったのでこちらに。
外場くんはただただ鮮やか!
そして金満くんもただのバカじゃない。
いまだ冬を見ずではちょっと泣きそうになった。
戒名の意味をもっと知りたい。 -
4話で構成された連作短編だが、前半3話は、本作の過半を占める「いまだ冬を見ず」の前振りなのだろう。謎の高校生・外場くんの豊富な知識で安楽椅子探偵の雰囲気を醸し出す。麻布の寺の次男坊・春馬の能天気ぶりが、兄で住職代理の哲彦から虐げられている彼の境遇を軽く読ませてくれた。第4話のペリリュー島で玉砕した日本人の御霊に対する供養の思いに、単なるラノベではないものがあり、感動した。著者の作品は初読みだが、積読本『トッカン』の作者だった。そうだ、『トッカン』を読もう!
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スタートが 少し軽いかな 、と思ったが、後半ぐっと掴まれた。途中途中のウンチクもよかった。
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タイトルで出オチ感があるけれど、しっかりした物語!
最初の短編3つは、主人公の金満くんが同級生の外場くんに泣きついて(お供え物の高級菓子と引き換えに)戒名がらみの問題を解決してもらう、学園日常の謎の発展型。もちろんこれらもおもしろいのだけれど、やはり最終話の「いまだ冬を見ず」が素晴らしい! これは読んで欲しい。
超有名企業オータム・ヴィレッジの創始者が、親族に「自分の気に入る生前戒名をつけてくれた者に株のほとんどを譲る」と言い出す。学校の先生から相談されて、外場くんは色々調べた末に戒名を提出し、それが最終候補に残って呼び出され……。
なぜ外場くんがその戒名をつけたのか、それによって創始者の秘密が明るみに出る。それは戦争の混乱の中で起こった仕方の無いことで、戦時中の体験談が時を経ても重みをもって語られる。船のシーンは涙ぐんでしまった。
戦争を小説内で描くのはためらわれる部分もあると思うが、これはとてもいい描き方だったと思う。さすがです、戒名探偵卒塔婆くん。 -
連作短編。戒名の意味や付け方、寺の運営、パラオ諸島の戦いなど、軽めなふりして意外と勉強になった。外場くん、塩対応しつつも助けてあげるのね。金満寺の次男・春馬は、周りからバカ(慕何)呼ばわりされているが、私にはそんな風に見えない。理解力あるし、なにより心の回復力が高い。のほほんとしながら強かに生きて行きそう。戦争の話に焦点が当てられた「いまだ冬を見ず」も、春馬の性格が幸いして暗くなりすぎず読了。
著者プロフィール
高殿円の作品





