正義の申し子 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.74
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本棚登録 : 490
感想 : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115169

作品紹介・あらすじ

現実では引きこもりながら正義のユーチューバー“ジョン”として活躍する青年・純。悪徳請求業者に電話をかけ、相手をおちょくったところ大好評。キャラの濃い関西弁男を懲らしめた動画は爆発的に再生数を伸ばす。味をしめたジョンは、男とリアルに会って対決し、それも配信しようと画策する。一方、請求業者の鉄平もジョンを捕まえようと動き始めた。2人が顔を合わせた時、半グレや女子高生をも巻き込む大事件に発展する!

感想・レビュー・書評

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  • 「悪い夏」が面白かったので早速他の作品を手に取ってみた。自称正義の申し子YouTuberジョンこと佐藤純と、狡猾さがまるで無いアウトロー全振りの半グレ栗山鉄平の対戦録。
    とてもくだらないのだがとても面白かった。

    俗に言う「陰キャ」の佐藤純はYouTuberとしての顔を持っており、そのタイガーマスクを被った姿でいると本当の自分(??)に変貌。ちょっと間違えてる方の「陽キャ」と化す。
    架空請求業者との対峙を配信するとこれが大当たり。面白い程に挑発に乗ってくる悪徳業者はジョンとネット民を湧かせた。

    一方、人泡吹いた方の悪徳業者 栗山鉄平は一周回って愛おしくなる程憤っていた。暴走族時代の先輩に誘われこの仕事を始めたが知的さの欠片のない筋肉アウトローな彼は1本のイタズラ電話のせいで全世界に醜態を晒してしまう。
    やんややんやで問題が重なり大阪を出ることになった彼は「もう怖いもんは無い」と半ば自暴自棄も感じるノリでジョンを探しに関東に進出する。

    その後の展開は本書裏面の作品紹介に記された通りで
    「2人が顔を合わせた時、半グレや女子高生をも巻き込む大事件に発展する!」
    のだが、恐らく想像を軽く超えてくるかと思う。予想GUYという意味で。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    栗山鉄平...イケメンです。(唐突)
    やってる事はそもそも架空請求から始まっているし、その後の行動も悪人そのもので、頷ける場面の方が少ない。しかしいつだってダークヒーローは時にヒーローよりも輝いて見えてしまうものだ。
    なによりイキリ散らしているのにしっかり喧嘩が強いし、絶対雨の中の捨て猫を見捨てないタイプだもの。「お前も1人か...俺と一緒だな」タイプだもの。
    実際、雨降らす時はやたら空を泣かせたがる文面が多かったもの。
    ....とまぁ、メルヘンを患うには十分過ぎる材料が揃っていた。

    (´ρ`*)コホン
    彼のダークヒーロー具合を語れないのがもどかしいが、なんだか「アンパンマンよりバイキンマンの方が好き...」に芽生えた幼少期を思い出した。

    栗山鉄平は終始イケメンなので贔屓してしまうが、佐藤純の物語も忘れては行けない。本書はどちらかというと悲劇を題材にした喜劇といった具合だが、これは紛れもない彼らの再生劇だった。

    ラストがね、とても良いですよ。
    このラストを迎えた読者の脳内では皆が
    同じ風景で、同じ表情をした、同じ人物の場面が再生されたんだろうなぁ。

    • 土瓶さん
      う~ん。映画化でもすれば楽しくなりそうな予感。
      う~ん。映画化でもすれば楽しくなりそうな予感。
      2023/04/14
    • NORAxxさん
      みんみんさんこんにちは♪
      私「正体」まだ読んでないんですよー!!みんみんさんのレビュー楽しみに待ってます( ^ω^ )
      ダークヒーローぜひ楽...
      みんみんさんこんにちは♪
      私「正体」まだ読んでないんですよー!!みんみんさんのレビュー楽しみに待ってます( ^ω^ )
      ダークヒーローぜひ楽しんでください。何処か吉本新喜劇感が味わえるかと思います!笑
      2023/04/15
    • NORAxxさん
      土瓶さん、こんにちは♪
      映像化したらとことんコメディになりそうです(笑)
      土瓶さん、こんにちは♪
      映像化したらとことんコメディになりそうです(笑)
      2023/04/15
  • 染井さんの初読み。
    面白かったー!!
    悪徳行者をおちょくるユーチューバと、悪徳業者に勤務していた青年の物語。
    スピード早くて一気に進むし、気づいたらニヤニヤと笑ってる自分がいた笑、自宅で良かった笑

    鉄平くん、悪なんだけど憎めない良い奴で。
    最初と最後の印象ガラリと違うし、かっこいいわあ。(ディズニーランド楽しみにしてるところとかかわいいし、一緒に行きたい!笑)

    所々、そんなうまいことある?みたいなとこは否めないが痛快エンターテイメントかな。(帯は痛快サスペンスと宣伝されてました)

    前半から後半まで面白さ続きますが、最後の方の会話のやり取りは爆笑です。
    これこそ、何を書いてもネタバレになりそうなので、ここらへんで。

    染井さん、関西弁うますぎる、関西出身?なのかと思いwikiみたら千葉県だった。

  • YouTubeを見ていると止まらなくなる・・・
    過激なYouTuberはいるかもしれないが、普通に面白いYouTuberはたくさんいる。

    本作品は時代背景が5年ほど前でYouTubeに対する認識が今と少しだけ違っているような気がします。

    さて、私自身、染井為人さんの作品は本作で3冊目になりますがファンになりました!
    これから、ドンドン読んでいきたいと思います!
    そして、本作の続編が出る事を心よりお祈り申し上げます!


    引きこもりでコミュ症な主人公の純はタイガーマスクの仮面を被った人気YouTuberの正義の申し子ジョン!
    ジョンは悪徳業者に電話して相手をオチョクルのが得意なYouTuber!
    詐欺を働く悪徳業者を謎のタイガーマスクが実況しながらこき下ろすのが視聴者達の心をくすぐっていた!

    そんな、ある日ジョンはいつものように関西弁の悪徳業者の青年【森口】を懲らしめた・・・
    ジョンは森口とのやり取りに旨みを覚え、リアルに会って再生数を伸ばそうと画策する!

    物語は【ジョン】【森口】【反グレ】と【女子高生】達を巻き込んだ大事件へと発展する!

    現代の時代にマッチングする犯罪社会派小説!


  • 染井為人さん、『正義の申し子』一気読み

    ユーチューバーのジョン(純)
    架空請求詐欺の森口(鉄平)

    対立する二人の突き抜けっぷりが
    どこまでも痛快。

    極端で売れ入れがたい場面や目を覆いたくなる
    行動を起こす箇所が多々あって常人離れを感じる
    けれど、全悪や全良ではなくどちらも併せ持って
    葛藤する人間らしい弱さに親近感も覚えます。



  • 染井為人『正義の申し子』角川文庫。

    人格障害の正義の引きこもりユーチューバー『ジョン』こと佐藤純が悪徳請求業者に正義の鉄槌を下す物語かと思ったら、そんな単純なものではなかった。完全に人格が壊れていく純にはらはらしながら読み進めば、中盤からの怒濤の展開がまさかの感動の結末へと向かうのだ。

    引きこもりでユーチューバー『ジョン』を名乗り、タイガーマスクを被った時だけ強い正義の男に変身する佐藤純は悪徳請求業者に電話を掛け、相手をおちょくる動画が好評となる。関西弁の森口こと栗山鉄平が散々ジョンにおちょくられる動画は爆発的に再生回数を伸ばす。

    ジョンはさらに再生回数を伸ばすために鉄平との直接対決を試みる。ところが、鉄平の舎弟の樋口が不始末を起こし、先輩に狙われることに。さらには純の高校生の妹が友人と3人で不良金持ち大学生に襲われる。

    これだけ盛り沢山の広げた風呂敷をどう回収するのかと思いきや……

    読み終えれば、実は佐藤純と栗山鉄平の再生の物語だったのだということに気付かされ、結末には感動と爽快感を覚えた。

    本体価格720円
    ★★★★★

  • 序盤からサクサク進む感じが心地良い。
    中盤から話の流れはなんとなく予想できてしまうが、それでもエンターテインメントとしては秀逸。
    楽しく一気読みできる良作でした。

  • 【告発系ユーチューバーの出来心から燃え広がる 路傍のクズたちの大騒動!】

    (自称)正義の味方YouTuberと架空請求業者と浅はかな女子高生達。
    ユーモアを交えながらSNSの闇を描く。

    登場人物にクズしかいないのでなんでマシな奴が1人も出てこないのかと思うが、類は友を呼ぶなので仕方がないのだろう。
    こんな事をして何が楽しいのかと思う反面、本作に登場するYouTuberはモデルがいるそうなので、現実に起こりうる話だ。

    SNSの世界と現実の自分が乖離し、いつの間にか二重人格になってしまったYouTuberにゾッとした。
    生きているのは現実なのだと言うことを忘れずにSNSを利用しなければならない。
    娯楽も度が過ぎると劇薬になってしまう。

    下らない大騒動にいったい何を読んでいるんだろうという気になったが、ラストの終わり方は良かった。

    SNSの闇を垣間見れる1冊だ。


    こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
    ・群青劇が好きな人
    ・SNSの闇を描いた作品が好きな人
    ・【闇金ウシジマくん】が好きな人
    ・Z世代
    ・サスペンスが好きな人

  • YouTubeという現代トレンドを取り入れた作品。
    後半はスピード感ありまくりで展開読めず一気読み!

    染井さんの作品、今まで読んだやつ最後の終わり方結構やるせない感じのこと多かったんだけど、
    今回はすんごい前向きないい終わり方だった。
    最後の終わりのシーンを想像したら、なんだかにやけてしまった。

    星五つ!!★

  • 引きこもりながら正義を名乗るYouTuberジョンは、悪徳業者をおちょくった動画がバズり、直接対決でさらなるバズりを目論む。
    実妹たち女子高生やチンピラも巻き込んだドタバタ劇は思わぬ方向に向かい…?

    すんごいエンタメでした!フィクションなのにこんなにもリアル。映像化しそう!

  • いやいや、私って関西弁好きだなぁって再確認してしまった。特に喧嘩が強かったら尚良。全然チンピラでも良し。いいんだよなぁあの軽いノリが。リアルでも関西弁好き。

    ジョンがあまりに狂気じみてきて、純じゃないけど一体どうなるんだろうとヒヤヒヤしっぱなしだった。純はあまり褒められたもんじゃないけど、彼の個人情報がバレたらその後の人生最悪なシナリオしか浮かばないし、相当な恐怖だった。

    ジョンの狂気も、医大生のことも、西野に追われる鉄平くんも、シリアスにヤバイことだらけだったけれど、悲壮感も残酷感もなかった。基本コメディのノリでスリリングに面白かった。

    よく考えてみれば純がマスクを脱いだり被ったりしながら会話するのはかなり滑稽w

    怒りが消えちゃうとジョンもただのお調子者でしかなく、鉄平のピンチ時にジョンからあの発言が出たことには正直驚いてしまった、純でなく。
    それにラストも。

    萌花のことは胸が痛かった。一緒にディズニー。だけどまだ16歳かぁ。鉄平ほんとカッコいい。

    シリーズ出ないかなぁ。

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著者プロフィール

染井為人(そめい・ためひと)
1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションにて、マネージャーや舞台などのプロデューサーを務める。2017年『悪い夏』で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。本作は単行本刊行時に読書メーター注目本ランキング1位を獲得する。『正体』がWOWOWでドラマ化。他の著書に『正義の申し子』『震える天秤』『海神』『鎮魂』などがある。


「2023年 『滅茶苦茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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