- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041115237
作品紹介・あらすじ
亡き母が作った精巧なドールハウスに隠されたあることに気づいた瞬間、世界が反転する「坂の上の家」。嫉妬深い夫の束縛に抵抗できない妻の秘密――意外な展開に震撼する「囚われて」。自分以外誰もいない“日常”に迷い込んだ女性の奇妙な心の動きを描く表題作など小説ほか、敬愛する三島由紀夫の美学、軽井沢の森に眠る動物の気配など、生と死に思いを馳せるエッセイを収録。耽美で研ぎ澄まされた恐怖世界に浸れるアンソロジー。
感想・レビュー・書評
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日常の延長にホラーがある感じで、リアリティがあって好き。
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星5!
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角川ホラー文庫版、小池真理子傑作選の第2冊。収録作品は1997年から2017年辺りに発表されたものらしい。
巻頭の「幸福の家」が最も印象が強く、途中までは普通小説として読めて、冷静な文体にそれなりの詩情も漂う。油断していると思いがけない暗転に至るのだが、そこまでに醸成された情趣を言及することで、作品としての完結を示している。
他は、今ひとつかなという結末のものもあるが、総じてこの人のホラー小説は悪くない。書こうと思えばごくオーソドックスな普通小説も書ける人なので、それなりに力量が高いのだろう。 -
小池さんの今までに発表されたホラー短編やエッセイを収録したもの。何作品は再読。2000年以降の作品が多い。作風が変わった? 昔と違って結末がはっきりしないものが多い。読者が自由に結末を考えてくださいねということか。お気に入りは再読だけど「幸福の家」。こちらが全く想像外のラストだったから。何度読んでも面白い。
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読んでる途中からそうじゃないかなそうじゃないかなと思わされ、やっぱりそうなのにやっぱり背筋がザワっとする『幸福の家』『坂の上の家』『囚われて』が◎。
『カーディガン』ははっきりしないからこその不安定な怖さもあると思うけれど、私としてははっきりしてほしかった。
ねばねばした感じは苦手と思う作品もありながら、結局は全部読んでしまった。
著者プロフィール
小池真理子の作品





