- 本 ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041115251
作品紹介・あらすじ
霊が視える少女ヴィクトリアは、平和を司る〈アウレスタ神殿〉の聖女のひとり。しかし能力を疑われ、追放を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士アドラス。「俺が“皇子ではない”ことを君の力で証明してほしい」この奇妙な依頼から、ヴィクトリアはアドラスと共に彼の故郷へ向かい、出生の秘密を調べ始めるが、それは陰謀の絡む帝位継承争いの幕開けだった。皇帝妃が遺した手紙、20年前に殺された皇子――王宮の謎を聖女が解き明かすファンタジー!
感想・レビュー・書評
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見えざるものを視る力を持つ聖女ヴィクトリア。しかし、能力を疑われて追放を言い渡されてしまう。そこに現れた騎士アドラス。彼は自分の出生を「視る力」で明らかにしてほしいと依頼する。真実への道は、陰謀渦巻く帝位継承争いへと繋がっていて─。
殺されたはずの皇子。皇帝妃が遺した手紙が綴る事実。アドラスは生存していた皇子なのか。旅の中で明らかになっていく真実。上質なファンタジーの世界観、キャラたちのかけ合いを楽しみながら、隠された真相とそこに絡みつく人間心理とドラマが味わえる。料理描写が美味しそうなファンタジーは面白い説を推したい。
「私はこれから、真実を明かします。だけど、真実は決して正義ではありません」
人には見えないものが視える、その力が認められている立場だからこそ、ヴィクトリアは真実を歪みなく伝える責任がある。彼女は先入観で目を曇らせることは許されない。それが残酷な真実であろうとも。その言葉の重みが胸に響く。
波乱を呼ぶ真実と、秩序をもたらす嘘と、価値観を揺さぶられる。これはきっとどちらも正しくて、間違っているのかもしれない。ただ、嘘はいつかほつれて顕わになるのは確か。あの人が最後に言い残したセリフはいろいろ考えさせられるね。
最後に好きな部分を引用しておきます。
「先入観は、人の目を曇らせます。強い信念や感情は、時として見えるものを歪ませます。人は自分の信じたいものだけを見て、理解できないものや都合の悪い事実は、排斥しようとしてしまうんです。だから、『この人に限ってありえない』という考えはとても危険だと思います」
「人を呪わば穴二つ。ただし、墓穴に落とす相手を誤るな、というのが呪術師の鉄則だ。無差別に呪いを振りまいては、自分自身が災厄となってしまうからな」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ファンタジーの世界を舞台にした、ライトミステリーといった感じ。
さらっと読めるが個人的にはイマイチ。
シリーズ化されそうな感じではある。 -
後味よくスッキリ読み終えました。
このスッキリ感は主要キャラ達の性格の良さによるところもあるのかな? みな好感のもてるキャラ達で、次の活躍を期待してしまいます。ぜひ続編を書いて欲しい!
ミステリーxファンタジーらしいですが、ほぼファンタジーなので、がっつりミステリーを読みたい人には向いてないと思います。しかし、ファンタジーとしては面白い!
続編が出る事を期待して星4個! -
とても読みやすく面白かったです。
聖女ヴィクトリアも 他の聖女たちから認められない存在
辺境の騎士アドラスも 周りからインチキくさく思われる存在
ヴィクトリアが謎を解き進んでいくと いろんなことが起こる。
最後には 昔王子を殺し損ねた呪術師ザザヤさんまで出てくる。
冒頭 イラストとメモで登場人物紹介していたが
あれは便利
これ誰だっけ? に役立ちます。
20年前に殺された王子の謎を解くファンタジー
この作家 春間タツキさん 他にもっとこんな小説書いてないかしら?
と探したくなります。 -
ヴィーが劇的に運命を切り開く力を持たず、愚直に一歩ずつ進んでいく。アドラスはおおらかで良い人で、ヴィーも真面目な良い子で楽しく読めました。恋愛要素はふわっと香るくらい。
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デス・ループの作家さんだったので期待してたけど、期待通りとても面白かった!
もう少しヴィーが視る力を発揮するところも見たかった気もするけど、多角的に見る洞察力も彼女の能力の一つなのでしょう。
手紙の謎解きも楽しかったし、繰り返し示される真実が必ずしも正義や救済ではないと言うテーマもとても好みだった。誠実な物語です。
キャラクターもそれぞれ魅力的なので、続きがあるならもっと読みたい〜!読ませてくれ! -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50268617
著者プロフィール
春間タツキの作品





