それでも空は青い (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.38
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本棚登録 : 521
感想 : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115305

作品紹介・あらすじ

「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子。外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生……。
すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • いろんな雰囲気の話が7作集まった短編集。
    荻原さんの作品はいくつか読んだけれど、系統がちょっと違うものもあって面白かった。

    「あなたによく似た機械」は、夫は実は機械なんじゃないかと疑う妻の話。
    もしかして・・・と思ったらやっぱり。不気味だけど、近未来的な気もする。将来ありえてしまうのでは?と思ってしまった。

    「ダブルトラブルギャンブル」は、幼い頃からずっと協力しあってきた双子の関係が、同じ人に恋をしたことで崩れていくという話。
    面白い設定・展開だなと思いながら読んだ。
    身近にいる双子から、双子で互いに同じ人を好きになったという話を聞いたことがあるけれど、そういうのってよくあるのかな?

    「人生はパイナップル」が一番好きな話だった。
    外ではうまく喋れない少年と、戦争を経験した祖父の話。切ない。
    野球を通して、戦争の話をはさみながら大切なことを教えてくれるじいちゃん。じいちゃんのパイナップル嫌いの理由がまた切ない。
    「じいちゃん、やっぱり、好きなことと、うまくいくことは違うみたいだ。」
    このへんは、荻原さんの『僕たちの戦争』で感じたあたたかさ、切なさと似てるかも。


    「「だが、輪はつながってもいる」
    「どゆこと?」
    「答えは自分で考えろ」」

  • 好きなタイプの本。
    みんなけして上手く人生を渡れていないけど、そこからまた何をしていこうか動き出す姿に共感出来る。
    短編集の中でも人生はパイナップルのお爺さんのお話が1番好き。理不尽な時代を生きてそんな中であきらめたり失敗してもまた新しい事を始めて最後まで生きていく。華やかではなくてもかっこいい人生とはお爺さんのような生き方なのかも。

  • 野球愛、家族愛、幽霊愛?、AI…アイが詰まった7編。SF・ホラーじみた話もあり、バラエティ豊かで味わい深い。意表突くオチにドキッとしたり、クスッとしたり、ホロッとしたり…。どれもいい話だが、最後の「人生はパイナップル」が傑出。ユーモアとペーソスあふれる、荻原さんらしい短編集だった。

  • 途中ちょっとこわいなと思ったけど
    続きが気になって読み続けて
    双子の話でいいなと思って
    パイナップルもすごくよかった。

    これまで読んだ荻原さんの本とは
    なんか感じが違う気がして新鮮だった。

  • 挫折、死、挑戦と言った内容の短編集。
    最後の章の祖父と孫の関係に少し憧れを持ちました

  • もう20年も追いかけている作家さんですが、"こころが軽くなる短編集"と言うよりは"軽く読める短編集"と言った感じで、読み終わってため息をつくような感動はありませんでした。唯一、うしおくんの話は良かった。あとパイナップルもまぁまぁでした。

  • パイナップル食べたくなりました。
    2022年2月9日、空は青いです。

  • 7篇の短編集。

    野球を題材にした、「スピード・キング」は最後にやられた感がありましたが、好きなお話。どんなに才能があっても、上には上がいる。でも、強い奴が最後まで生き残るのでなく、腐らない奴もまた生き残るのだなと。

    高校時代の同窓会を題材にした「妖精たちの時間」。綺麗な思い出ばかりでないけど、人を好きになるって辛いことなんだなと思います。

    未来のアンドロイドの世界を舞台にした「あなたによく似た機械」は、想像通りの展開でした。

    子供のいる女性を好きになるバーテンダーのお話「僕と彼女と牛男のレシピ」
    これも野球を、通じて子供との距離を縮めていくお話

    高校時代の同級生が幽霊となって家に現れる「君を守るために」そう言えば、あの頃のクラスメートはどうしているだろう

    双子が入れ替わりながらの「ダブルトラブルギャンブル」
    双子だからこその苦悩。同士でありライバルであり。

    おじいさんと野球を通じて成長していく「人生はパイナップル」
    私の父も歳をとったなと思うと、切なくなりました。
    家族との時間はかけがえないもの。
    これも好きなお話でした。

    振り返ると野球のお話が多いなと感じましたが、才能がある程度ありながら、上には上がいる。それでも、空は青い!

  • 短編集。めちゃくちゃ面白かった。感動ありコメディありどんでん返しあり、でさまざまなタイプの物語がたのしめた。

    特によかったのはかつて一緒に野球をした仲間の訃報からはじまる「スピードキング」で、男たちの哀愁がこれでもかというくらいつまっている。
    人生って儚いよね。他人の死なんて、第三者からしたらこんなものかもしれない。でも近くにいた人間はそうじゃない。「スピードキング」である元仲間に対する主人公の想いが、すごくアツい。そこがいい。

    「夢を叶えること」と「今を生きること」は同じくらい難しいのかもしれない。夢を叶え(あるいは夢の途上)若くして亡くなった元仲間と、夢には破れたものの今をなんとか生きようとあがく主人公。二人の対比が見事にえがかれていて、凡人である僕は主人公に共感して物悲しい気持ちになった。

    荻原浩さんは「人間」をかくのがほんとうにお上手。
    架空の登場人物だとは分かっていても、この世界のどこかに「主人公」たちが生きているのではないか、そんな気持ちにさせられる。
    他の短編集もぜったいに買う。

  • 7編一気読み。
    人の心に触れられた気がする。
    めんどくさかったりもするけれど、なんだか温かさが残る感じ。

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著者プロフィール

1956年埼玉県生まれ。広告制作会社勤務を経て、コピーライターとして独立。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞、14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞、16年『海の見える理髪店』で直木賞を受賞。「ユニバーサル広告社」シリーズ、『神様からひと言』『砂の王国』『金魚姫』『海馬の尻尾』『楽園の真下』など著作多数。エッセイに『極小農園日記』、漫画に『人生がそんなにも美しいのなら 荻原浩漫画作品集』がある。

「2021年 『それでも空は青い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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