子供は怖い夢を見る

  • KADOKAWA
3.69
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本棚登録 : 340
感想 : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115527

作品紹介・あらすじ

虐待の末に殺された妹を、不思議な力を持つ一族に救われた航。蘇った妹は失踪し、20年以上会えないまま。しかしある日出会った「ガオ」という青年から、生き別れた妹が成長したと思われる女性を紹介され……。

感想・レビュー・書評

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  • てっきりホラー小説だと思って読み始めましたが、ファンタジー小説でした。

    8歳の少年長谷部航は母の江里子が父と別れて生活できなくて困っているときに母が男から一枚のチラシを受取り「至恩の光教」という宗教団体に入ったことから、そこでの共同生活を強いられることになります。

    江里子はその時妊娠中で妹の満里奈を産み、満里奈は教団の子とされますが教団による事故によって死に至り、川に流されてしまいます。

    航は川に流された妹を川から引き上げ、学校でただ一人の友だちだった青い目をした段田蒼人の異能の家族のところへ連れて行き、祖父の喜蓮の不思議な能力により、生き返らせてもらいます。

    そして蒼人の母の友子に満里奈を引き取って育ててもらうことになりますが、やがて異能の家族は航の前から姿を消します。

    22年後母と縁を切って児童養護施設で育った航は、施設を出て総菜配達のアルバイト生活をしていた時にガオという中国人と出会い一緒に仕事をしないかと誘われます。

    ガオの事務所「フォーバレー企画」に弁当を配達に行くと、そこでなんと満里奈とおぼしき女性が働いていたのです。満里奈は違う名を名乗り航のことなど何も知らないといいますが…。

    ファンタジーは苦手だと思っていましたが、この物語は読みやすく抵抗なく読めました。それぞれが違う異能をもつ魔族の話が中心です。

    タルヴァガン・ウィルスというウィルスが流行しますが、現代のコロナとは全く関係ないこの作品独自の設定の疫病です。

    最後はなぜこんな残酷な結末が待っていたのかと思いきやラストの4ページに救われました。非常にカタルシスのある作品でした。面白かったです。

    • くるたんさん
      こちらでもこんばんは♪

      ラストは泣きましたね。ガオ、良い仕事をしてくれたなって。
      私もファンタジーは苦手だけど、こちらは骨太ファンタジーっ...
      こちらでもこんばんは♪

      ラストは泣きましたね。ガオ、良い仕事をしてくれたなって。
      私もファンタジーは苦手だけど、こちらは骨太ファンタジーって感じで良かったです¨̮♡
      2021/12/01
    • まことさん
      くるたんさん。
      ガオも、いい所ありましたよね。
      これは、よかったです。

      私は、図書館は、今月中で、雪のため、通えなくなると思うので、新作が...
      くるたんさん。
      ガオも、いい所ありましたよね。
      これは、よかったです。

      私は、図書館は、今月中で、雪のため、通えなくなると思うので、新作があまり読めなくなって、くるたんさんと、同じ本があまり読めなくなりますが、ブクログには来るので、よろしくお願いします♪
      いいね!をたくさん、ありがとうございます。
      2021/12/01
  • たった一人の友達

    かえがたい家族

    というものに

    心を砕く姿に

    ついつい愛おしさが湧きます



    魔族の能力が

    ご都合主義になりますし

    そもそも

    タイムトラベル出来るなら。。。

    という矛盾には目をつぶって



    最後に

    小さい友を救いに行く

    そこが泣けるんですよ

    もしかしたら

    過去を変えれば

    会えないかもしれない

    でも救いたい



    違う人生になったら

    3人が友達になれる

    そんな夢がみたいなぁ

  • フィナーレに感謝の一冊。

    いじめ、理不尽な境遇と…子供達が経験するには実につらいテーマ。
    それをファンタジー色に巧く塗り替えられ良い塩梅で緩衝材になってこの世界を和らげてくれた気がする。

    不思議な能力を持つが故の魔族の抱える苦しみが静かに胸を打ち、さりげなく描かれる家族愛、友情には心をぐっと掴まれ、じんわり心に響く。

    そしてこのフィナーレには素直に感謝と涙。

    優しさ、温かさが一気に心の中ではじけた。

    神さまだって、これはきっと見なかったふりをしてくれたに違いない。

    宇佐美さんの描くこういう優しさひと匙の魔法が好き。

    • まことさん
      くるたんさん。
      この作品も読みました♪
      最後がよかったですよね。
      宇佐美さんの描く優しさひと匙の魔法。それも、素敵だけど、それを素敵な言葉で...
      くるたんさん。
      この作品も読みました♪
      最後がよかったですよね。
      宇佐美さんの描く優しさひと匙の魔法。それも、素敵だけど、それを素敵な言葉で、レビューに置き換えるくるたんさんの言葉づかいが、また、拝見できるのも、嬉しいな。
      2021/12/01
    • くるたんさん
      まことさん♪ありがとうございます♡

      これもつらいテーマだっただけにサプライズ的な読後感が良かったですよね¨̮♡
      これだから宇佐美さんの作品...
      まことさん♪ありがとうございます♡

      これもつらいテーマだっただけにサプライズ的な読後感が良かったですよね¨̮♡
      これだから宇佐美さんの作品は目が離せません¨̮♡
      2021/12/01
  • 宇佐美まことのこれまでの小説とはちょっと違うかな…と思いながら読み進めていく。。

    虐待児を救ってくれるのなら魔家族がいていいんじゃないかと。。

    今の世の中、どこかしらで虐待されている児童がいて貧困に苦しんでいるシングルマザーがいる。
    何の手立てもないまま亡くなる子もいる。

    だからこそ、夢物語でもいい…魔家族が救ってくれたら…と思えた。

    ホラーミステリという怖さは感じなかった。
    救いを感じ、友情を感じ、家族を考えさせられた。
    ラストが感極まる。

  • <独>
    『本の雑誌』2022年新年1月号で紹介された北上次郎さんのおススメ書評 ・・・というかとにかく面白いので読んで損はさせませんよ的な発言。これが北上さんでなければならない僕は相手にしなかった・・・ を読んで一も二もなく入手読了。宇佐美まことは一体このような独特の雰囲気を持ちながら凄く面白い物語をどうやって思いついて一冊の本にしてしまうのだろう。

    僕はしばしば思う。小説雑誌などへの連載仕事ならこんな面白い作品もまあどうにか創り出せるのかもしれないけど書き下しでこんな作品を書けるのは・・・きっと”作家さん”だからだなぁ,と当たり前の事をしみじみと思ってしまう。

    宇佐美まことは四国愛媛の生まれだと思うけど今はどちらにお住まいなのだろう。今どきは別に東京などに住まなくたって作家仕事は充分に出来るものなぁ。いやなにちょっとなにげに興味があるだけです。すまぬ。



  • 『羊は安らかに草を食み』を読んでから
    作者 宇佐美まこと さんの小説が好きで
    新しく書店で見つけると、次に読もうと
    読みたいリストに加えてます。

    作者が好き、
    且つ、表示の絵にも惹かれやっと読めました。

    ホラー&ミステリー?と想像してたのですが、
    予想とは異なり個人的感想は
    ファンタジーでありヒューマンでした。

    読み終えてラストに安堵が残る。
    心もあったかくなる、優しくて少し切ない。

    読めてよかったです。

  • 最後のエピローグがすべて。
    宗教関係の話かと思いきや魔界要素、現代風刺も入れつつどんでん返し。最後にはちょっとしたタイムトラベル。こんなに色々入り混じってるとは。
    あっちこっちに行きつつ結局は家族とは何かを問う話だと解釈した。

  • タイトルと表紙からこれは間違いなく怖いヤツだと思って手を出さずにいたのだけど。
    いやはやなんともはや。まさかまさかの展開、そしてラスト。やられた、まさにやられた宇佐美まこと神!
    どんな話かと説明するのが難しい。無理に一言で言うなら「ファンタジ友情小説」なんだろうけど、そんなこっちゃない。そんな言葉じゃ5%くらいしか言い表せていない。どうしようか。
    ランドセルを背負った少年が身重の母親と行く当てもなくさまよう冒頭。偶然手渡されたチラシに誘われ入所した宗教団体。そこから始まる少年の物語。ネグレクト、いじめ、出会ったたった一人の友、友の家族との交流、妹との別れ、流れる月日、そして出会った男。あぁ、どうしよう。言いたいけど説明したいけどもったいなくて言えない。ここにあった「二つの友情」。ラストの一撃。ページを閉じた瞬間始まる新しい物語。とにかく帯を読まずに読んだ方がいい。少年たちと一緒に苦しんで悲しんで芽生えた怒りを流す最後の涙、宇佐美まこと神!

  • 何やら不穏なタイトルで、表紙のイラストも怖い
    ですが、読み進めると、物語の力が強いのでぐいぐい引き込まれました。

    ・ポーの一族と一緒じゃん
    ・新型コロナの状況をまるまる頂いていてずるい

    とか確かに途中で思いましたが、
    でも、最後まで読んで評価がひっくり返りました。

    コロナ禍の2年間、自分はテレビニュースを見て鬱々してただけ、背を丸めて外出を自粛して、在宅勤務して 息を潜めてた感じですが、
    その間に作者の宇佐美まことさんは
    想像逞しく物語をひとつ創って書き上げたのだな、
    すごい。

    登場人物が全員かわいそうな境遇で、つらいエピソードばかり積み重ねて物語が進行したが、最後の最後にはやさしい気持ちで幕がおりる。そこが好きです。

    おすすめです。

  • 装丁といい、タイトルといい、ホラーミステリーなんだろうな、と思って読みました。
    が、、、
    宇佐美まことさん、優しい読後感をありがとうございます!
    (作品読むのは初めてです。)

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著者プロフィール

1957年愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で『幽』怪談文学賞大賞を受賞しデビュー。2017年『愚者の毒』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『展望塔のラプンテェル』『ボニン浄土』『月の光の届く距離』など。

「2022年 『超怖い物件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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